新刊紹介
「新しい時代のフッ化物応用と健康〜8020達成を目指して〜」医歯薬出版

『新しい時代の フッ化物応用と健康ーー8020達成をめざして』(CD-ROM付き)
 定価 4500円+税
 総頁 272頁(CD-ROM付)
 刊行日 2002年11月15日
 
 編者代表 花田信弘(国立保健医療科学院 口腔保健部長)
 編 者  瀧口 徹(厚生労働省医政局 歯科保健課長)
      池主憲夫(日本歯科医師会地域保健委員会 委員長)
      葭内顕史(旭川歯科医師会)
      前田 茂(旭川歯科医師会)
      安藤雄一(国立保健医療科学院 口腔保健部 室長)
      深井穫博(国立保健医療科学院 口腔保健部 客員研究員)
      小林清吾(日本大学松戸歯学部 教授)
      田口円裕(厚生労働省医政局 歯科保健課 課長補佐)
      石川清子(埼玉県入間東福祉保健総合センター 主任)

●目次

推薦文 (臼田貞夫・8020推進財団理事長、高江洲義矩・東京歯科大学名誉教授)
序文 (花田信弘)
本書とCD-ROMの使い方

第1章 新しい時代のフッ化物応用と健康
 1. う蝕予防のためのフッ化物応用とは
    (国立保健医療科学院 口腔保健部長 花田信弘)
 2. フッ化物応用と8020運動
    (厚生労働省医政局 歯科保健課長 瀧口 徹)
 3. フッ化物応用のエビデンス
    (国立保健医療科学院 口腔保健部室長 安藤雄一)
 4. フッ化物応用とヘルスプロモーション
    (国立保健医療科学院 口腔保健部 客員研究員 深井穫博)

第2章 わが国でのこれまでの公式見解・資料
 1. 国・行政
 2. 専門機関・団体
 3. メディアほか

第3章 海外でのこれまでの公式見解・資料
 1. WHO
 2. FDI
 3. 米国
 4. 欧州
 5. アジア

第4章 わが国での普及状況
 1. 水道水フッ化物添加の歴史
    (国立保健医療科学院 口腔保健部室長 安藤雄一)
 2. フッ化物洗口の普及
    (国立保健医療科学院 口腔保健部室長 安藤雄一)
 3. フッ化物歯面塗布,フッ化物配合歯磨剤
    (厚生労働省医政局 歯科保健課長補佐 田口円裕)
    (埼玉県入間東福祉保健総合センター主任 石川清子)

第5章 世界の動向
 米国/ヨーロッパ/アジア諸国/その他
   (日本大学松戸歯学部教授 小林清吾)

フッ化物応用に関する書籍・資料のリスト
索引/251

付録 CD-ROM(Q&A,冊子類,議会答弁,要項,リンク集)【全300頁分相当】
 1. Q&A
 2. 冊子類
 3. 議会答弁
  4. 要項(要綱・要領)
 5. リンク集


【参考】8020推進財団の推薦文(臼田理事長)

「新しい時代のフッ化物応用と健康―8020達成をめざして」発刊に寄せて

 平成元年から提唱された8020運動は,平成12年の健康日本21運動,さらには平成14年には新法である健康増進法への位置づけと,年々急速に進展してきていることは誠に喜ばしいことです.また,平成12年末には本8020推進財団が設立され,関連事業や研究への支援や国内外からの情報収集および歯科保健情報の提供を開始し,8020運動の一層の推進を図っております.こうしたなか,医歯薬出版_鰍フ英断でフッ化物利用のマニュアルの決定版ともいうべき本書が発刊されることは,誠に時機を得たことです.
 周知のように歯科疾患は有病率がきわめて高い国民病であり,不可逆性のう蝕と難治性の歯周疾患という歯科疾患の特性から,8020の達成には他の疾患にも増して体系的な予防が重要です.歯牙喪失原因の半分はう蝕であり,フッ化物利用で効果的に予防することは国際的に広く行われているところです.わが国においてもフッ化物利用の普及には国民の理解が必須条件でありますが,残念ながらこれまで必ずしも十分な情報提供への道標(みちしるべ)が提示されてきたとはいえません.その理由の一つとして,関係者に対してフッ化物利用に関する体系的・網羅的な情報提供媒体がなかったことも大きいと思われます.
 このため本書は,まず歯科保健関係者がフッ化物の効果と安全性について体系的・網羅的に熟知することに焦点を合わせ,住民合意による水道水フッ化物添加(フロリデーション)やフッ化物洗口法などの公衆衛生的手段によって施設単位や地域単位で行う場合を想定し,各種EBMの提供を行っています.幸いWHO,FDI(国際歯科連盟)をはじめとする国際専門機関・団体の見解に加えて,わが国において厚生労働省,日本歯科医師会,日本歯科医学会,口腔衛生学会等の国内の専門機関・団体の見解が明確化されてきており,これらの体系的・網羅的な理解ができる内容です.
 終わりに,本書の発刊までの経緯について触れておく必要があります.原本になったのは旭川歯科医師会から自主発刊された資料集「21世紀の8020戦略 水道水フッ素化の歩み」であり,その有用性が全国的に認められたことが今回の出版につながったと伺っております.同歯科医師会の先見性に敬意を表するものです.
 本書は,8020運動に主体的に取り組む全国の歯科医師および歯科保健関係者にとって待望の書であり,歯科保健計画の立案と具現化およびその維持に際して正確で有益な情報を提供してくれるものとして,本財団としましても強く推奨いたします.

              2002年11月
              財団法人「8020推進財団」理事長 臼田貞夫