読売新聞富山版 2002年12月7日(土)とやま第3県版 『あんしんカルテ』欄
 「虫歯予防に県が取り組み」滋賀県を紹介


「10万人当たり歯科医師数42位 滋賀県」

 人口10万人あたりの歯科医師数が50.7人とと、全国42番目の滋賀県(2000年度厚生労働省調べ)。「関西に歯科大学が少なく、歯科医師がなかなか来ない」(同県健康対策課)ことなどが背景だが、困ったのは、同県内で虫歯の人が多いこと。3歳児一人平均の虫歯の数は、1991年度で、全国2.73本に対し、同県は3.30本。そこで、同県が94年度から取り組み始めたのが「歯(は)つらつ滋賀」構想。虫歯の予防は行政がリーダーシップをとろうと、同県では、歯科医師会などと連携をとり、歯科保健計画を立てている。
 例えば、乳幼児ならば、哺乳瓶の使用を早めにやめる、おやつの回数を減らす、歯へのフッ素塗布を推奨するなど。小学生にはフッ素入り歯磨き剤の使用を呼びかけ、寝たきり高齢者には歯磨き剤補助などの口腔ケアを進めるなど、歯の発育状況や食環境などに応じ、重点項目をきめ細かく定めている。
 関係団体の協力で、200年度には、3歳児の虫歯本数が1.64本と、全国平均の1.51本に接近。全国順位も24位にまで上昇するなど、効果は表れている。
 同県健康対策課では「大事なのは、科学的根拠に基づいた予防指導。今後は成人の歯周病対策に力を入れていきたい」と話している。