2003.1.22 卓話「最近の教育をめぐる諸問題から」 庄川町教育長 田上弘先生

【平成の教育改革】について

1.学校週5日制について 〜その「光」と「陰」〜
  ・週5日制については、子供の3割が反対し、親の7割が反対
  ・教師は土曜日は学校で指導できず地域で活動
  ・親は土曜は共働きで、公民館・婦人会・児童会の活動に任せる
  ・「光」は、子供が家の手伝いをするようになったこと、ゆとりができたこと
  ・「陰」は、パソコンなどに浸り、友達と遊ばないこと、スポ少の時間が増え、勝利至上主義になってきたこと、子供たちが土日疲れで、月曜保健室

2.授業内容3割削減について 〜「学力」か「ゆとり」か〜
  ・これからは学んだことをどれだけ生かす力があるかが問われる
  ・学んだ質が問われる(今までは学んだ量が問われた)
  ・「学力」と「ゆとり」はシーソー
  ・社会・理科などどれほど詰め込んだか数字で現れる教科は今までより劣るだろう
  ・どのように生かすか(創意工夫)、どのように望むかなどは従来より評価がされるので、「やる気」「積極性」がより大事

3.「総合学習」の導入について 〜「自発的学習をめざして」〜
  ・子供たちが自分で計画を立て、学習しようとする
  ・(例)中2の生徒が金沢市内を見学する時、すべて自分たちで計画を立てて回る、庄川町職員を講師に市町村合併を学ぶ、議会を傍聴する、など
  ・それらを企画立案し、実行、そして結果を発表会で述べる
  ・最近の「総合学習」は従来の教科を補強するような内容

4.「相対評価」から「絶対評価」へ  〜「集団」から「個」の評価へ〜
  ・「通知表」が変わった・・・・個人の目標への到達度を評価・・・宿題、授業での発言、学習意欲、態度
  ・デメリット・・・・クラス担任の主観が入りやすい

5.「南砺総合高校」の設置について  〜「生徒数の減少」と【学習機会の】拡大〜

  ・広域連携学校群11クラスに再編・・・「福野、井波、福光、平」4校15クラスを廃校なしで
  ・単位制、2学期制を計画
  ・専門科を置く・・井波「福祉科」、福野「農業環境科」、福光「国際科」、平「郷土芸能科」
  ・「問題点」は、交通手段、愛校心、部活動などの際の移動による摩擦


まとめ、
  ・今、50年以上前に策定された「教育基本法」の見直しがされている
  ・現在、「基本的人権」が強調されすぎ、「愛国心」「宗教心」「歴史伝統」が軽視されている
  ・現在、大人は子供を・・・忍耐力がない、他人への思いやりがない、感情的になりやすい(すぐキレル)、金や物を大事にしない・・・と見ている
  ・しかし、子供は大人を・・・基本的なマナーを忘れている、自分のやりたいことがない(夢がない)、子供に気持ちを理解しない(押し付けはイヤ)・・・と
  ・昔の人はこういいました・・・1年先を見る人は米を育てる、10年先を見る人は木を育てる、100年先を見る人は人を育てる
  ・「温故知新」・・・捨ててはならないもの、補っていかなければならないものが、たくさんある