ご挨拶

沖縄県歯科医師会長
喜屋武 満

 本日は、 沖縄県、 具志川村と私ども県歯科医師会が主催をさせていただき、 また、 厚生労働省と日本歯科医師会の御後援をいただきまして、 「水道水フッ化物応用シンンポジウム 健康長寿を目指して」 を御案内しましたところ、 皆様方には御多用の中、 土曜日にもかかわらず、 多くの方々にお集まりいただき有り難うございました。 具志川村からだけなく日本全国から多くの方々にお集りいただいたことは、 いかにこの問題への関心が深いかを示すものであります。 そして、 本日、 平成14年3月2日はここにお集りいただいた方々にとって記念日になるのではないかと思います。 数字の語呂合わせもよく、 「1.2.3.4」 であります。 本日が日本の口腔衛生の夜明けになるのではないかと思います。

 これまで、 私たち沖縄県歯科医師会は一生懸命に歯科の専門家集団として沖縄県庁と一緒に、 数十年にわたり、 県民の口腔の健康のために、 多額の費用と多くの労力を費やしてきました。 その中で、 私も一緒に参加させていただきましたが、 沖縄県の歯科の公衆衛生の指数は全国のワースト10にはいる状況なのです。 懸命に取り組んできた割には、 なかなか県民の口の中の衛生状況は一向に良くなっていません。 一方、 平成3年に具志川村でフッ化物洗口が始まりました。 それ以前は、 具志川村のこどもたちの歯の状況も大変悲惨な状態であったと聞いています。 このフッ化物洗口の効果は平成13年にはむし歯の経験量を表わす DMFT で1.7となって表われました。 10年間で、 大きな成果をあげました。

 私たち専門家はフッ素に関して十分に理解しています。 アメリカ合衆国においては、 1945年にフロリデーションが開始され、 57年の実績があり、 安全で有効であることを私たちは知っています。 私たちがフロリデーションをすすめることで、 日本国民の口の中が質的に向上してゆきます。 これを今まで私たち日本ではやっておりません。 WHO (世界保健機関) は1981年に 「西暦2000年までに12歳児の DMFT を3以下にしよう」 という目標を立てました。 やっと日本は平成11年に2.9になりましたが、 その時に具志川村は1.9であったわけです。 私たち専門家はこの事実をいかに受け止めるか大変大事なことであります。 私たちがやっている仕事は、 県民のための、 国民のための、 住民のための口腔衛生を良くすることです。 決して、 全身に害を与えるようなことは一切やりません。 私たち専門家は県民のために、 住民のための口腔衛生の向上をより効果的な方法でやっていくことです。

 このように多くの人々に集まっていただき、 シンポジウムを当地具志川村で開催するに至りました。 すばらしい天気の中、 すばらしい記念日になると思います。 本シンポジウムにおいてみなさんで議論していただき、 どうぞいろんな意見を出して、 いかに私たちのための利益になるかを是非とも御理解いただきたいと思います。

平成14年3月2日を10年後、20年後、30年後に節目として、記念日として思い出していただきたいと思います。それを期待して、本日のシンポジウムを開催してゆきたいと思います。どうもありがとうございました。