日本テレビ 「謎を解け!!まさかのミステリー」2004227日放送

日本テレビの放送で、素晴らしい内容の番組がありました。
私たちがどれだけ、今まで、キャンペーンや全国大会などでPRしても、マスメディアの力は偉大です。
多くの人から、反響がありました。

私自身は、直接番組を見ることができず、ビデオを楽しみにしています。
また、黒瀬先生(岡山)が、原稿を起こしてくださいましたので、ここに内容を紹介します。(山本武夫)


日本テレビ「謎を解け!!まさかのミステリー」
   
2004227日放送

 

「もし、こんな方法でむし歯が一本もなくなったら!?」

 

ナレーター:

 広大な土地に豊かな自然が広がる国オーストラリア。今回のミステリーはこの国の首都キャンベラで起こった。

 日本から単身赴任でやって来たサラリーマン森田は、この町で不思議な体験をすることになる。

 そのミステリーは森田が休憩を取ろうとしている時に起こった。

 公園で遊ぶ少年たちに何気なくあげたチョコレートが不思議な事件への入口だった。チョコレートをすぐに食べ始めた子どもを見ながら森田は自分の息子を思い出していた。実は彼の息子も甘いお菓子が大好きで、いつもむし歯を作っては痛がっていた。

 

森田:あんまり甘いもの食べ過ぎるとむし歯になるぞ。気をつけろよ。

少年:大丈夫だよ。むし歯になんかならないもん。

森田:えっ?むし歯にならない?

少年:ほんとだよ。(と歯を見せる。)

森田:アッ!ほんとだ!むし歯がない!

ナレーター:確かに、むし歯はどこにも見当たらない。

少年たち:オレもむし歯ないよ。 ボクも! オレも! ボクも!

森田:まさか!

ナレーター:なんと子どもたち全員がむし歯ナシ!

森田:わかった!みんな、一日に何回も歯磨きしてるんだろ?

少年たち:ううん、一日1回! ボクも!

森田:えっ?たった1回?

ナレーター:しかも、むし歯がないのは子どもだけではないという。驚いた森田は早速大人が集まる喫茶店へ行ってみた。すると、そこにいた大人にもほとんどむし歯がなかった。

森田:一体何なんだこの町は!!

 

ナレーター:日本人サラリーマンがオーストラリアで体験したミステリー。歯磨きは一日1回なのに、この町の人はむし歯が異常に少ない!?  なぜ?

 

ここで、回答者花田 勝氏以外に正解が示される。驚いたり納得したりの出演者たち。

 

CM(花王もスポンサーでした!)

 

《手掛り1》

ナレーター:森田は考えた。

森田:この国の人々は普段から甘いものを食べないようにしているんですね。

町の人:いいえ、甘いものは大好きですよ。

ナレーター:事実、オーストラリア人の甘いもの好きは世界でもトップクラス。一人当たりの年間砂糖消費量はなんと日本人のおよそ3倍にものぼる。(画面:日本約19kg、オーストラリア約53kg) 

【オーストラリア人は甘いものが大好き】

 

《手掛り2》

ナレーター:居ても立ってもいられない森田は歯医者さんに行ってみた。確かに患者は少なそうだった。

森田:ほんとにこの町ではむし歯が少ないんですか?

歯医者:ああ本当だ。ある方法を始めた40年ほど前からむし歯がかなり減り始めたんだよ。

森田:ははは、その方法はきっと歯医者さんが高いお金をとってやってあげるんでしょう?

歯医者:いやぁそれなら私もうれしいが、日本円で一人年間20円ぐらいしかかからないんだよ。

森田:エエッ??

【その方法にかかるお金は年間たった20円】

 

《手掛り3・・・これこそは最も重要な手掛り》

森田:先生、それって日本でもできますか?

歯医者:日本でもやろうと思えばできますよ。だけど、やってないみたいだね。

森田:ええーっ?(落胆の表情)

【日本ではやっていない】

 

ナレーター:オーストラリアで日本人が体験したミステリー。甘いものは大好き。しかし、歯磨きは一日1回だけ。その費用は一人年間たった20円。それなのに、この町の人はむし歯が異常に少ない!?  なぜ?

 

ここで、出演者たちが雑談。その中にヒントがある、という設定。

・バスケット部の練習で、「ボクは水道の水飲まないからって自販機で水を買う人が・・・」

ナレーター:ヒントは遠藤が言った「水道の水」。果たして花田は気づいているのか。

 

花田氏の回答:志村さんの「箸」というヒントで、「歯を木でこする」。

 

ナレーター:ミステリーの真相は・・・オーストラリアで日本人が体験したミステリー。この町の人にむし歯が少ない理由、それは・・・

水道水。実は、オーストラリアのほとんどの大都市の水道水にはむし歯予防のためにフッ素が入れられている。(ここで、花王の「クリアクリーンプラス」の絵)フッ素とは、歯磨き剤などによく入っている物質。フッ素で歯を磨くと、カルシウムなどをより吸収しやすくなる。これにより、できかけたむし歯が治るなど、歯が強くなるのだ。しかし、水道水にフッ素を入れて、効果が上がるのだろうか。歯の専門家に聞いてみた。(ここで、「日本大学松戸歯学部 小林清吾教授」のテロップとともに、小林先生がアップに!)

小林先生:もちろん、フッ素入りハミガキ剤やフッ素のブクブクうがい、または、歯に塗る方法などによっても効果的です。しかし、体に取りこんで内側から予防するともっと効果的です。

ナレーター:つまり、水道水にあらかじめフッ素を入れることによって、赤ちゃんからお年寄りまで水を飲むだけでむし歯予防をすることができるのだ。しかも、水道水に入っているフッ素の量はごくわずかなので、味に影響はなく、加熱しても変質しないので、料理に使っても大丈夫。このフッ素入り水道水は1945年にスタート。現在ではおよそ60ヶ国でむし歯予防の成果をあげている。オーストラリアのデータでは、1957年には、12歳児のむし歯が一人平均9本だった。しかし、93年にはなんと、およそ1本に減少。(驚きの声。)

残念ながら、日本ではまだ実施に踏み切っている自治体はない。しかし、横田基地をはじめ、日本にあるいくつかの米軍基地では、水道水の中にフッ素を添加する方法はとられている。(「フッ素添加装置」のテロップと絵。) 基地の関係者によると、

生物環境工学課 ガブリエル・モレノ・ファーガソン空軍少佐:横田基地内で働く人と住んでいる人合わせて約11000人がこの水を飲んでおり、アメリカ本国と同様にむし歯予防に役立っています。

ナレーター:オーストラリアの町でむし歯が異常に少ない理由、その秘密は、飲むだけで知らぬ間にむし歯予防ができてしまうフッ素入り水道水だった。

 

女性司会者:どうして日本ではまだ実用化されていないかといいますと、安全面などではクリアしているものの、水道水はすべての人が使用するものなので、心配する人がいる限りなかなか実用化ができないという実情があります。それでも現在は沖縄県の具志川村など、実現に向けて動いている自治体もあるそうです。