読売新聞富山版 2004年4月4日(日)

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/toyama/news004.htm

読売新聞富山県版 「学ぶ はぐくむ」欄 
フッ素の力で虫歯退治!!  歯磨き嫌いの子でも簡単  歯科衛生士の精田さん 勉強会などで予防法普及

写真:写真説明
歯磨きを終え、きれいになった歯を見て喜ぶ女の子
 虫歯を防ぐために、溶けた歯を修復する働きがあるフッ素の利用を進める立山町の歯科衛生士、精田紀代美さん(53)が、歯磨きが嫌いな子供にもできる虫歯予防法の普及に取り組んでいる。(金巻 有美)

 乳幼児の歯は、一般的に生後六か月から二歳半までに生えそろい、生えてから二年間が最も虫歯になりやすいため、四歳半ごろまでの虫歯予防が欠かせない。

 しかし、乳幼児の中には、歯磨きを嫌がり、無理やり歯を磨かれたために歯磨きを怖がるようになる子も多い。嫌がる子供を押さえつけて歯みがきする親のストレスも大きいという。

 精田さんは、約三十年間、県内の各保健所や学校で定期相談や歯磨き指導をした経験を生かし、富山市内にサロンを開き、乳幼児から高齢者まで幅広く、指導や相談を続けている。

 乳幼児に関する相談が半数を占めるため、精田さんは、どうすれば子供が歯磨きを好きになるかを模索。考え出したのが、〈1〉フッ素入り歯磨き剤を歯の表面にすり込み、二分間待つ〈2〉ブラシで歯磨き〈3〉ゆっくりとうがい〈4〉フッ素を薄めた溶液を筆ブラシで歯の表面に塗布――という方法だった。

 精田さんは「子供が嫌がるなら、無理強いはしないで、最初のフッ素入り歯磨き剤のすり込みでやめてもいい」と話す。

 三月三十一日には、県東部を中心に育児に関するイベントを企画するグループ「ぽぽプロジェクト」の依頼を受け、滑川市柳原の富山医療福祉専門学校で、親子約三十人を対象にした「歯のケア勉強会」を開いた。

 精田さんは、「ひざに抱いたり、座らせたりして子供が好きな姿勢で歯磨きを」「フッ素を毎日塗れば、虫歯の進行を止められる」と説明し、参加者たちは真剣に耳を傾けた。

 講習後、実際に親子で歯磨きを体験。子供たちは、好きな色の歯ブラシを選び、実際に磨き終えると、きれいになった自分の歯を鏡で見てにっこりしていた。

 グループ代表の竹内華子さん(34)は「フッ素の効果を丁寧に教えてもらい、親も子もストレスなく虫歯予防できることが分かってうれしい」と感想を話す。

 精田さんは、サロンでの相談だけでなく、子育てサークルなどからの出張依頼にも応じている。問い合わせは、精田さんのサロン「ティースアイ」(076・420・3910)へ。