水道水フッ化物応用シンポジウム報告集の編集にあたって

(社)沖縄県歯科医師会 公衆衛生担当理事
真境名由守

 3月2日に行われた 「水道水フッ化物応用シンポジウム ―健康長寿を目指して―」 の内容を冊子にまとめておこうという声があがり、 およそ2カ月半をかけて、 このたび報告集を発行する運びになりました。

 30年前の1972年5月15日に沖縄は本土に復帰しましたので、 5月15日は記念日ということになります。 本土復帰当時には、 まだ沖縄でフロリデーションが実施されていたことに思い巡らし、 複雑な気持ちとなります。

 シンポジウム当日には、 久米島内外から三百数十名の参加者があり、 大幅に時間を延長して 「フロリデーション」 について議論を深めていただきました。 特に会場の皆様方からの質問に対して、 コーディネーターの小林清吾先生の心暖まる解説も本誌上で再現できたものと思います。 今後、 諸々の課題はフロリデーションを実際にすすめて行く中で一つ一つ解決していく必要があります。 なによりもまず、 第一歩を踏み出すことが大切でしょう。 そうしない限りいつまでも 「空回り」 を続けてしまうことになりかねません。

 この報告集を本シンポジウムの記録に留め置くことなく、 新生久米島町のフロリデーションの礎として、 さらに21世紀における沖縄県はじめ全国各地の口腔保健をすすめる際の最も重要な公衆衛生施策であるフロリデーションの取り組みの資料として活用されて、 地域のすべての人々の健康づくりにフロリデーションが具現されることを切望いたします。

 なお、 注意深く編集にあたりましたが、 遺漏と誤記がありました場合には御容赦下さいますようにお願い致します。

 末尾になりましたが、 テープおこしをはじめ本集の作成に協力して戴きました葭内顕史、 山本武夫、 互 亮子、 志村匡代、 千葉順子、 松永祐佳子、 玉城民雄、 田浦勝彦 (敬称略) の方々に厚く御礼申しあげます。