四国新聞(平成15年1月31日記事)香川県版

フッ素利用を推進する会が講演会

虫歯予防に効果があるフッ素の有効活用を促すため、県内の歯科医師らでつくる「県フッ素利用を推進する会」(会長・西岡忠文前県歯科医師会長)は三十日、高松市番町一丁目の県社会福祉総合センターで講演会を開催。東北大歯学部付属病院予防歯科講師の田浦勝彦さん、東京医科歯科大大学院生の薄井由枝さんが講演に立ち、約百人が熱心に耳を傾けた。
 
 フッ素は水質基準内の濃度なら摂取しても問題はないとされ、米国など約六十カ国で水道水へフッ素を添加する「フロリデーション」を実施している。日本では、厚生労働省が二〇〇〇年に地元の合意などを条件に容認。推進派の歯科医師らを中心に実施を求める活動が活発化している。
 
 NPO法人日本むし歯予防フッ素推進会議の事務局長も務める田浦さんは、歯の再石灰化などフッ素の効果を説明。「すべての人が平等に受けられ、他に何もしなくても自然と虫歯予防になる」とフロリデーションの意義を強調した。
 
 また、薄井さんは米国で歯科衛生士として勤務した経験を踏まえ、「低濃度のフッ素を高頻度で利用することが虫歯予防に最適」と訴えた。