読売新聞富山版 2003年10月20日(月)

フッ素塗布、うがい、歯磨き  歯の健康 分かりやすく 

解説冊子3冊作成 書店などで無料配布

 「歯の健康コンサルタント」として活動している立山町米沢の歯科衛生士、精田紀代美さん(53)が、フッ素=注=の塗布やうがいによる虫歯予防、乳幼児の歯磨きについて一問一答の形式で分かりやすく解説した冊子を作成した。県内の書店などで無料で配布している。

立山の歯科衛生士 精田さん

 精田さんは1971年、県内の保健所で初めての歯科衛生士として当時の県富山保健所に採用され、約30年にわたって県内の各保健所で定期相談に応じたり、学校などでの歯磨き指導を行ったりしてきた。2001年3月に退職し、同年12月、立山町で歯の健康相談や、歯ブラシなど歯科衛生用品の販売を行うサロンをオープンした。
 今年8月には富山市太田北区にもサロンを開き、乳幼児から高齢者までの歯磨き指導や虫歯予防相談を行っている。
 今回作成した冊子は計3冊で、1冊目は精田さんのサロンでの取り組みを紹介。2冊目は「フッ素の真実とは?」の題名で、フッ素がどのような物質で、なぜ虫歯を予防できるのか屋、歯に塗る際の適当な濃度、どのように使えばよいかなどについて説明している。
 3冊目は、「歯みがき大好き育児ー歯みがき恐怖症にならないために」というテーマ。乳幼児向けの歯磨きの仕方や、仕上げ磨きのポイントをイラスト入りで丁寧に紹介している。
 精田さんは「最近は市町村でも幼児へのフッ素塗布をしているが、サロンに来る親から話を聞くと、人によって説明の受け取り方もまちまち。正しい知識を身につけてもらえば」と呼び掛けている。
 冊子を監修し、虫歯予防のためにフッ素利用に長年取り組んできた井波町山見、歯科医師山本武夫さん(51)も「精田さんはサロンで素朴な疑問を聞く機会も多いため、冊子も親しみやすいも内容になっている」と話している。

【注】フッ素:自然界に存在する元素。抗菌作用や、虫歯になる溶けた歯のエナメル質を修復する働きがあり、虫歯の予防に効果があるとされる。使用方法は、フッ素を薄めた溶液でのうがい(洗口)や歯磨き、フッ素化合物を歯に塗る塗布などがある。