第45回富山県中学校総合選手権大会
第45回富山県中学校剣道選手権大会

平成19年7月21日(土) 富山県西部体育センター

主催:富山県中学校体育連盟
共催:富山県教育委員会、砺波市教育委員会、(財)富山県体育協会、富山県剣道連盟、読売新聞社

井波中男子5年ぶり4回目全中出場、中村法貴君優勝、個人でも全中出場

 今年の県選は、個人(中村法貴君、小木心咲子さん)・団体(井波中男子、福野中女子)ともに、昨秋の県新人戦の覇者が、そのまま優勝し、全中出場を決めた。皆からマークされる立場で、勝ちきったことは、賞賛に値する。また、個人戦次勝の笠井君、廣田さんとも、実力通りの、全中代表獲得だった。来年の富山全中に向けて、8月19−21日山形県酒田市で開催の、山形全中では、遺憾なく成果を挙げてくる事を期待したい。
 さて、今年の井波中は、女子の頑張りもあり、男女そろって、8月7日の長野県白馬での北信越大会出場が決まった。男子は、全中の前哨戦として、決める技に磨きをかけてほしい。勝敗はもちろん大事だが、全国で通用する剣道を考えてこの大会に臨んでほしい。ケガを持つ選手は、この大会では無理せず、全中までにベストの状態で望めるようにもっていってほしい。女子は最後の大会なので、死に物狂いで、ベストを尽くして悔いのないように戦ってほしい。
 地区戦前後にケガをして、なかなか治せず、県選に臨んだ今年の井波中だが、今回の好成績には、小学生の時に県内外で活躍した男女4人(篠原・松田・山本・山田)の新1年生の頑張りを抜きにして、この成果は語れない。
 個人戦には男子のみの出場で、砺波地区1位青山空君、同じく2位中村法貴君だったが、青山君は大河君(速星中)に2回戦で惜しくも破れ、5−8位の決定戦では、荒木君(新湊西中)に勝ち、北信越出場権は確保した。5−6位決定戦では、惜しくも、横江君(雄山中)に破れ、6位となった。一方中村君は、地区戦・スポ少と調子に乗り切れなかったが、県選にはきっちり調子を整えてきた。今大会では、相手を良く見て、技が決まらずとも決してあせらず、延長になっても勝負所を見逃さず冷静に試合を運び、一つ一つ勝ち上がって決勝まで進んだ。準決勝で岡野君(堀川中)を延長線の末下して、決勝では、大河君に勝った笠井君(附属中)と昨年秋の大会の再現となったが、中村君が延長の末、胴を決め、優勝しての嬉しい全中出場権を獲得した。(2位の笠井君も全中出場)
 団体は、春の道場連盟の試合後、3年生に1年生を加えて、新チームにして、男子は負けないチームになった。しかし、1年生の小柄な篠原天馬君のケガ、主将の澤慧冴君のケガを、2年生の洲崎貴史君や斉藤哲君らが、一生懸命戦力ダウンにならぬように頑張っていたのも、見逃せないが、小柄な身体で奮闘する松田尚之君までをカバーできなかった。
 この大会では、予選リーグでは、次鋒の松田尚之君が堅実に勝ちを拾い、篠原君が副将に戻り、安定した戦いができてきた。2勝同志の堀川中との試合は、3年生が引き分け、1年生が1勝1敗で、副将戦が終わって互角で大将戦にもつれ込み、個人戦からの安定した戦い方を進めた中村君が岡野君に胴1本勝ち、予選1位で決勝トーナメントに出場した。
 決勝トーナメントは、副将に洲崎君がケガの痛みが増した篠原君に変わって出場。1回戦は上市中に順当勝ち。準決勝の小杉南中には、2勝1敗で大将の中村君につなぎ、1本目の面を取って、本数で上回り、勝ちが決まった。決勝の雄山中戦は、井波が先鋒青山君で1本勝ち、次鋒の松田君が同じ1年生の木倉君に面1本を決められ、互角のまま中堅戦へ。ここまで、ケガのため調子のいまいちだった主将の中堅の澤君だったが、延長に入り、中断後の間髪入れずのさし面が決まり、優位に立った。副将の洲崎君は多田君に1本負けし、勝負は仕切りなおし。しかし、ここでも大将の中村君が金井君を寄せ付けず、面2本を決め、井波中男子は、5年ぶり4度目の全中出場となった。

 女子は、全中出場の経験ある3年生二人、1年生よりはじめた2年生一人に、新戦力の新1年生が加わって、ようやく戦えるメンバーがそろった。先鋒の山本麻紗子、中堅の山田千菜都両選手のポイントを、副将・大将の3年生が、どう逃げ切るかが勝負のチームで、この大会もほぼ順調に勝ち進んだ。予選リーグは、初戦の入善西中に完勝し、続く三成中では、注目のの中堅1年生対決、富山地区選では、今回優勝した小木選手や次勝の廣田選手を破った、個人戦3位の高瀬美咲選手に終盤、山田千菜都選手が面1本を決めた。中堅の勝った勢いがそのままいい流れで大将までいった井波中が、終わってみれば3対1で勝利。予選リーグ最後の2勝同志の西條中とは、先鋒山本選手の2本勝ちを生かせず、井波中が破れ、2位で決勝トーナメントへ進出。
 決勝トーナメントは、1回戦で堀川中と対戦、先鋒山本選手の1本勝ちを、次鋒の山田晴子選手が引き分けでつなぎ、相手のポイントゲッターの中堅の強豪大郷選手に対して、同じ1年生相手で山田千菜都選手が奮闘し、引き分けに持ち込んだ。副将戦では、西林綾乃選手が今大会1の踏ん張りを見せた。相手の山中選手に面1本先行されるも、面、小手を返し逆転勝ちし、大将戦を残して勝利をもたらした。準決勝では、1回戦砺波地区同士の、昨年の覇者、庄川中に4−0で勝った、福野中との1戦となった。春の南砺大会・地区選は、福野中が2−2で本数勝ち、南砺市体では、初めて井波中が2−1で勝ち、今回が4度目の対戦となった。試合は先鋒山本選手が岡田選手に胴・面の2本勝ち、幸先良いスタートだったが、次鋒山田晴選手が、市体で勝った雨野選手に逆に面2本を決められ、勝負はタイに。中堅戦では、3年生の川合選手に対し、これも市体で勝った勢いを示したかった山田千選手だが、押し気味に試合を進めたが引き分けに持ち込まれた。副将戦では、1回戦で自信持った西林選手が、地区選・市体と引き分けた長岡選手に、胴1本を決め、井波がここでリードした。大将戦では、福野中・岡田選手に対し、4月から過去3戦2敗1分けの高橋選手が、奮闘、惜しい小手や胴があったが旗1本しか上がらず、時間内で決まらず延長に。延長に入って、引き分ければ勝つのがわかっていたが、延長終了近くに、堅田選手に小手を決められ、代表戦に持ち込まれた。代表戦では、福野中、個人戦6位で北信越出場を決めている川合明日香選手に対し、井波は1年生ながら先鋒でここまで、全勝の山本麻紗子選手を起用。南砺市体、中学女子決勝(川合選手の2本勝ち)の再現となった。試合は3年生の川合選手が、1年生山本選手の繰り出す小手や面をしっかり封じ、両者決めてなく、延長に入った。延長も長引き、冷静に勝負所を探していた、川合選手が、山本選手の攻め込んだ後の一瞬の間を捉え、引き面を決めて、長い代表戦を勝ち、福野中を勝利に導いた。山本選手は、またも3年生の壁を敗れなかった。最後は、南砺市体の敗戦を生かした福野中が、1年生中心に力を伸ばした井波中を振り切って決勝に駒を進めた。
 北信越大会出場を争う、3位決定戦は、準決勝に続き、すぐ行われ、小杉南中と井波中の対戦となった。先鋒で、福野戦で代表決定戦で破れた直後の山本選手に対し、個人戦で1年生に続き2年連続3位の小杉南の古川奈穂選手は、序盤から鋭い技を連発。途中から気持ちを切り替え、踏ん張る山本選手もかろうじて延長にもつれ込んだが、スタミナ切れは否めず、古川選手に鋭い小手を決められた。続く、次鋒・山田晴選手、中堅・山田千選手は、それぞれ三箇・竹内選手に面1本勝ちし、先鋒のビハインドを取り返し、副将につないだ。小杉南中・五十嵐選手に面1本を先行され、西林選手はあせることなく、すぐさま小手を返しタイに持ち込むと、あまり時間を掛けずに、同じ小手を決めて、ここでも大将戦に勝負を持ち込まず、北信越代表権をもぎ取った。大将戦では、個人戦5位の田村こずえ選手が控えており、そこまでに決めた西林選手の活躍が光った。井波中女子の戦力からして、対戦相手によっては、決勝トーナメント1回戦敗退も考えられたが、また、一つ戦い方を勉強すれば、決勝進出や、全中出場も見えていた。まさに、勝負運が見えないところで、あっちにいったりこちらにきたりしていた。北信越では、そういうところも大いに勉強して今後の戦い方にも生かしてほしい。
 なお、決勝戦は、4人しか出場していない選手中、2人の個人戦全中出場の小木・廣田選手を擁する山室中に対し、福野中の選手は、次鋒不戦勝の貯金を優位に生かし、先鋒廣田選手に対し、岡田選手は1本負けで終え、また、中堅川合選手は、準決勝の勢いそのままに、1本勝ちし、副将長岡選手は引き分け、大将戦を前に2本の差をつけた。大将戦では、小木選手が堅田選手に対し、2本を取る事ができず、1本及ばず、最後の最後で4人で戦う悲哀を味わう事になった。同じ、砺波地区から3年連続(1昨年の井波、昨年の庄川)の出場となる福野中女子は、27年ぶり2回目の全中です。同じ南砺市から、男子の井波、女子の福野の出場で、お互いに富山県代表として、頑張ってきてほしい。
(山本武夫:コメント)

5年ぶり4回目の井波中男子団体、個人でも中村法貴君、優勝、全中出場!
個人6位の青山空君、北信越出場!

井波中女子団体3位、北信越出場!斉藤洋文・鈴木恵美先生と高田毅コーチと、一緒によろこぶ女子部員!


大会記録

男子団体 優勝 井波中(5年ぶり4回目の全中出場)、次勝 雄山中、3位 速星中【以上北信越出場】 4位小杉南中 
女子団体 優勝 福野中(27年ぶり、2回目の全中出場)、次勝 山室中、3位 井波中【以上北信越出場】 4位小杉南中
男子個人 優勝 中村法貴(井波中)、次勝 笠井佑希(附属中)【以上全中出場】 3位 岡野貴裕(堀川中)、4位 大河周平(速星中)、
       5位 横江(雄山中)、6位 青山(井波中)【以上北信越出場】
女子個人 優勝 小木心咲子(山室中)、次勝 廣田結衣(山室中)【以上全中出場】 3位 高瀬美咲(三成中)、4位 古川奈穂(小杉南中)、
       5位 田村(小杉南中)、6位 川合(福野中)【以上北信越出場】


全中・北信越への道【井波中の活躍記録詳細】

閉会式や祝勝会の様子