第57回富山県高等学校剣道新人大会【平成22年度全国選抜高校剣道大会富山県予選】
1月15日ー16日(アルビス小杉総合体育センター)

 高校の新人大会を初めて、じっくり見学しました。試合が、5分。団体戦は延長なく、引き分けで、1試合ごとにオーダーを変更できる試合形式。
 初日の男子個人戦は、秋季大会の勢いをそのまま持続して、高岡工芸、木倉選手が村松・奥村・矢野選手を破って準決勝へ、反対側の山では、細川・多田・冨居選手を破った富山中部の無名(失礼・初めてお目にかかりました)の高見選手が準決勝へ。一方、青山・田代選手を破った末上選手と、大河・吉田選手を破った岡野選手が準決勝で対戦。高見選手を面1本勝ちで破った木倉選手と、岡野選手を延長小手1本勝ちした末上選手との決勝戦は、秋季大会準決勝の再現となり、先に突き1本を決め、優位に進めた木倉選手が、続いて小手を決め、秋季大会に続いて1年生ながら連勝しました。
 女子団体戦は、優勝は順当に富山北部が優勝、春季、総体予選、秋季、新人戦の4冠を達成しました。決勝には、高岡を破った呉羽が進出しました。
 2日目の女子個人戦は、秋季大会で、台風の目となった、竹内選手(高岡)が、3回戦で、秋季大会2位の久木田選手(富山北部)に長い延長の末、小手を決め、またもや、波乱かと思われたが、準決勝で佐藤選手(高岡工芸)に敗れ、勢いはそこまで。反対側は、秋に2回戦でその竹内選手に不覚をとった山本選手(富山北部)が、高野・豊田選手を破って準決勝へ。秋季大会の覇者、石井選手(高岡工芸)は、雨野・高田選手を破って順当に準決勝へ。秋季大会3位の藤村選手(富山北部)は、宮腰・水口選手を破って、これまた、4大会連続ベスト4以上の実力通り、準決勝へ。準決勝は、山本選手が佐藤選手に2本勝ちし、藤村選手が石井選手を慎重に攻め、面1本勝ちで退け、団体優勝の富山北部勢が、高岡工芸勢を退ける形となりました。決勝戦は、先輩の藤村選手が、後輩の山本選手をよく見て、攻め、貫録の2本勝ちしました。 
 男子団体は、初戦の2回戦で、高岡工芸が富山中部と、大接戦、大将戦で引き分けし、そのまま代表戦で、個人戦優勝の木倉選手が、3位の高見選手に勝ち、そこで波に乗りました。準々決勝以降は、どの試合も勝負は大将戦というのが多く、当事者の高校でなければ、ほんとに面白い試合になりました。中でも、準々決勝の、優勝候補の龍谷富山を破った富山工業(大将戦で、末上選手を岡野選手が1本勝ちし逆転)、富山第一を破った福野・井波(大河選手に、島田選手が2本勝ちし逆転を阻止)、高朋を破った富山(栗林選手に、浅井選手が2本勝ちし、代表戦の可能性を阻止)、の3試合が見ごたえがありました。準決勝こそ、ほぼ大将戦前に決めて決勝に進んだ、高岡工芸と富山工業の死闘。勝数、本数ともに並んで、大将戦の高岡工芸木倉選手と富山工業岡野選手。何度かお互いに攻めて、旗1本というのがあるも決定打にならず、終了直前の木倉選手の一瞬をついた面が決まり、その後、あいなしにブザーがなり、若い1年生だけの伝統校が、全国大会初出場かという古豪の実力校の芽を摘み取った非情の結果となりました。しかし、富山全中世代(*)が県内各校に分かれての競い合いは、富山県剣道界を将来に渡って引っ張っていってくれる明るい希望とも言えます。男子の団体は、どこが勝ってもおかしくないですから、春季大会、インターハイ予選に向けて、お互いに切磋琢磨して頑張ってほしいものです。(山本武夫)

(*)富山全中世代・・・今の高校2年生は、堀川中・速星中などが富山全中を引っ張り、小中と活躍した岡野選手の名前をとって、『岡野世代』とも、呼ばれました。

*井波OB・OGの成績
第1日 
  男子個人 洲崎(福野・井波) 2回戦進出(1勝)、篠原(福野・井波)・松田(富山東) 2回戦敗退
  女子団体 富山北部(山田千菜都・山本麻紗子) 優勝・・・・3月、全国選抜高校剣道大会に出場、2月、北信越選抜剣道大会(清流杯)出場
         南砺福野・井波(山田晴子) ベスト8・・・2月、北信越選抜剣道大会(清流杯)出場

第2日
  女子個人 山本麻紗子(富山北部) 次勝、山田晴子(南砺福野・井波) 3回戦進出(2勝)
  男子団体 南砺福野・井波(篠原天馬・斎藤哲・洲崎貴史) 3位・・・2月、北信越選抜剣道大会(清流杯)出場
         富山東(松田尚之) 2回戦敗退

大会成績・・・表彰式

全体成績・・・団体1位は全国選抜出場、ベスト8以上は、北信越選抜(清流杯)出場
女子団体 優勝 富山北部、次勝 呉羽、3位 高岡工芸、高岡、ベスト8 福野・井波、富山中部、入善、砺波
男子団体 優勝 高岡工芸、次勝 富山工業、3位 南砺福野・井波、富山、ベスト8 龍谷富山、富山第一、砺波、高朋

男子個人 優勝 木倉(高岡工芸)、次勝 末上(龍谷富山)、3位 岡野(富山工業)、高見(富山中部)
       ベスト8 矢野(龍谷富山)、冨居(入善)、田代(高岡工芸)、吉田(龍谷富山)
女子個人 優勝 藤村(富山北部)、次勝 山本麻紗子(富山北部)、3位 石井・佐藤(高岡工芸)
       ベスト8 高田(入善)、水口(呉羽)、豊田(高岡)、竹内(高岡)