第53回富山県高等学校剣道春季大会(アルビス小杉総合体育センター)

 平成23年4月23-24日

 今年の高校春季大会は、春の全国選抜剣道大会が東日本大震災の影響で中止となって、初めての県レベルの大会でした。各校とも新1年生を迎え、強化して新チーム編成で臨んでいました。
 初日の男子個人は、全中富山世代の3年生に、秋季と選抜予選を制した木倉選手を中心に2年生がどこまで食い込んでいけるか、みものでした。Aコートでは、第シードの木倉選手が順当に駒を進め、大河・千葉選手を破ってきた吉田選手を退け、準決勝へ。Bコートでは、寺部・堀選手を破って勝ちあがった田代選手、と松田選手(富山東)・篠原選手(福野井波)の井波中出身者を破って勝ちあがった岡野選手が対戦、岡野選手が粘る田代選手を退け、準決勝へ。Cコートでは、前回3位の高見選手を破って勢いに乗る埴山選手を退けた村井選手が、村松・高倉選手を退け勝ち進んだ矢野選手と対戦、矢野選手が村井選手を退け、準決勝へ。Dコートでは、冨居・山本選手を退けた田中選手が、大谷・足立選手を退け勝ち進んだ末上選手と対戦、末上選手が田中選手を退け、準決勝へ。準決勝では、岡野選手が3年生の意地を見せ、秋季・選抜予選の雪辱を果たし、木倉選手に延長の末、胴1本勝ち。一方では、末上選手が、矢野選手に面を先行されるも、立て続けに面2本を返し、決勝へ。決勝は、末上選手が、岡野選手の攻めを巧みにかわし、一瞬のすきを捉え、面1本勝ちし、優勝しました。上位選手に実力差は拮抗しているものの、さすがに3年生は勝負に賭ける執念がすさまじく、ほんの少しのすきを突く巧みさに分があったように思われます。
 女子団体は、富山北部が結果的には順当勝ち。しかし、準決勝では、高岡の粘りに、あわや代表戦にもつれ込むかという一歩手前で踏みとどまり、富山中部・高岡工芸をわずかの差でかわした呉羽と決勝で対戦したが、富山北部のすきのない戦いで、5−0と圧勝しました。
 2日目の女子個人は、選抜予選の覇者藤村選手がAコートで、山田選手(福野井波)・高田選手(入善)を寄せ付けず2本勝ちし準決勝へ。Bコートでは、2回戦で西村選手に先行されするも逆転勝ちし、続く3回戦で前回3位の佐藤選手を破った雨野選手を退けた豊田選手が準決勝へ。Cコートは、2回戦で秋季大会の覇者、石井選手に勝って勢いのついた川島選手(高朋)が、秋季大会2位の実力者久木田選手を延長で破った秋元選手に1本勝ちし、準決勝へ。Dコートは、竹内選手・広田選手を破った松山選手(砺波)が、高野選手を延長で退けた選抜予選2位の山本選手に挑むも、面1本で退けられ、山本選手が順当に準決勝へ。準決勝は、藤村選手が豊田選手を寄せ付けず、山本選手もここまで勝ちあがった川島選手に1本勝ちし、選抜予選と同じ決勝対決に。決勝は、山本選手の間合いを測っての攻めをじっくり見て攻め返す藤村選手、延長に入り、間もなく、居ついた山本選手の一瞬のすきを見逃さず飛び込んだ藤村選手の面が決まりました。女子個人は、しばらく休養中の川島選手が復活したことが、今大会の話題となりました。
 男子団体は、実力接近予想があたり、1年生を補強した龍谷富山(次鋒:青山虹選手:井波中出身)と富山東(次鋒:多田弟選手:雄山中出身)が選抜予選より、力を伸ばし好成績をあげました。Aコートでは、第1シードの高岡工芸と前回シード落ち龍谷富山の、決勝で当たってもおかしくない対戦が3回戦であり、次鋒青山選手の2本勝ちで優位に進めた龍谷富山が高岡工芸に3-0で勝って、準決勝へ。Bコートでは、高朋を破って勢いに乗りたい福野・井波に対して、前回選抜予選で敗れた雪辱を狙う富山第一が、大将戦までもつれこみ、勝数では2-2でも、本数で優位に立つ富山第一が、大将戦で引き分け、準決勝へ。Cコートでは、次鋒の多田弟の活躍で対戦相手にも恵まれた富山東が、3−2で富山南・富山を退け準決勝へ。Dコートでは、富山工業が全く危なげなく準決勝へすすみました。準決勝は、龍谷富山は富山第一に4-0の圧勝(中堅で勝負を決めた)。一方富山工業は、富山東の次鋒:多田弟選手の活躍で、先鋒2本勝ちを次鋒2本負けし追いつかれるも、中堅。副将と勝って、3-1で決勝へ。決勝は、富山工業の先鋒:千葉選手の1本勝ちを、龍谷富山が中堅:吉田選手が1本勝ちし、追いつきこのまま、大将戦まで引き分けが続いて、代表戦となりました。代表戦は、前日の男子個人戦決勝と同じ対決で、富山工業:岡野選手が、龍谷富山:末上選手に面1本勝ちし、富山工業に嬉しい優勝をもたらしました。男子団体は、今度のインターハイ予選まで、どのチームがより強化を図るか、見ものです。実力差はあまりないだけに、準決勝に残った4校に、選抜の覇者:高岡工芸を加え、今後の努力の積み重ねで、栄光を勝ち取るのは?(山本武夫)

*井波剣道スポOB・OGの成績
第1日
 男子個人 篠原天馬(南砺福野・井波)4回戦進出(ベスト16)、洲崎貴史(南砺福野・井波)3回戦進出、松田尚之(富山東)2回戦進出
 女子団体 富山北部(山田千菜都・山本麻紗子) 優勝 、南砺福野・井波(山田晴子)ベスト8
第2日
 女子個人 山本麻紗子 次勝、山田晴子(南砺福野・井波) 3回戦進出、山田千菜都 2回戦進出
 男子団体 龍谷富山(青山虹) 次勝 、富山東(松田尚之) 3位、南砺福野・井波(篠原天馬・洲崎貴史・斎藤哲) ベスト8


*大会成績・・・表彰式

全体成績
女子団体 優勝 富山北部、次勝 呉羽、3位 高岡・高岡工芸、ベスト8 入善・福野井波・滑川・富山中部
男子団体 優勝 富山工業、次勝 龍谷富山、3位 富山東・富山第一 、ベスト8 高岡工芸・福野井波・富山・入善

男子個人 優勝 末上(龍谷富山)、次勝 岡野(富山工業)、木倉(高岡工芸)・矢野(龍谷富山)、
       ベスト8 吉田(龍谷富山)・田代・村井(高岡工芸)・田中(富山南)
女子個人 優勝 藤村(富山北部)、次勝 山本麻紗子(富山北部)、3位 豊田(高岡)・川島(高朋)
       ベスト8 高田(入善)・雨野(福野井波)・秋元(入善)・松山(砺波)