第33回北信越国体剣道競技
(福井県立武道館) 平成24年8月26日

 今年の北信越国体は、福井県で開催された。少年男子は、富山県選抜、少年女子は富山北部高校単独チームで、大会に臨んだ。
 少年男子は、稀に見る大接戦となった。5県とも2勝2敗で並び、わずか勝数、本数で本大会出場が決まり、順位も決まった。富山県チームは、初戦は長野県に快勝、次戦の石川県に敗れるものの、3戦目の福井県に勝ち、最終戦で、新潟県に勝てば、勝ち点3でトップになり、本大会出場が決まる、という局面まで行った。しかし、新潟県が勝てば、勝数、本数によっては、どこが優勝するか、わからないという近年稀にみる大接戦の大会となった。その最終戦は、先鋒の、この日好調の若林選手が惜しくも延長で小手を取られるも、逆にこの日ここまで勝ち星のなかった次鋒の青山選手が小手を取り返し、中堅、田代選手が胴を決められると、この日絶好調の篠原選手が、北信越総体優勝の新潟商大将の斎藤選手に小手を先行し、終盤面を返されるも、再び面を奪って、大将決戦に持ち込んだ。新潟県の大将坂爪選手に対し、こちらはこの日好調の木倉選手で、これは北信越総体個人戦準決勝と同じ組み合わせとなった。攻めの早い坂爪選手に対し、負けまいと繰り出す木倉選手は、序盤に一瞬のすきをついて面を決められ、返そうと焦る木倉選手に不運な反則が出て、最後の最後で惜しい敗戦となった。これで、福井県が1位に浮上し、本大会出場を決めた。
 一方、少年女子は、先の新潟総体3位の前評判の高い新潟商単独チームの新潟県が順調に2勝を挙げ、一方で、新潟総体ベスト16の富山北部単独の富山県チームも接戦ながら2勝を挙げて並び、3戦目がお互いに事実上の優勝戦という流れになった。総体と同じオーダーの新潟県チームに対し、オーダーを国体用に変えて臨んだ富山県チームが、この日絶好調の先鋒の2年生竹内選手が、丸山選手に対し、抜き胴を決めて先行する展開となった。次鋒は、新潟の相田選手が、北信越総体個人3位の今村選手に2本勝ちし、逆転。又、中堅山田選手は、新潟大塩選手から、一瞬のすきをついて面を奪い、また富山県が先行する展開となった。副将戦は、北信越総体で戦った久木田選手に、熊谷選手は落ち着いて攻め2本勝ちし、再び新潟県が逆転した。大将戦は、男子と奇しくも同じく、勝った方が本大会出場に限りなく近づくという場面で、北信越総体個人準決勝と同じ組み合わせで、富山県山本選手に対し、新潟武田選手は、ほぼ互角のうちに終盤を迎え、返し技や小手面の2段技を放つも、決められない山本選手に対し、逆に4分の終了間際に、浅いかと思われたタイミングの良い武田選手の出小手に旗が上がり万事休す。またしても新潟勢の前に屈することになった。最後の最後まで、これまでの大会で圧倒してきた新潟商業を追い詰めた富山北部勢の活躍は賞賛に値する。これで、最終戦を待たずに新潟県が本大会出場をほぼ手中にした。富山県勢は、ここで力を目一杯使い、最終戦に地元福井県に敗れ、3位となるも、見事な入賞を果たした。
 3年間、この北信越国体を観戦して、今年ほど接戦の大会はなかった。勝利の女神はどちらに転んでもおかしくない展開で、選手たちは大変だったでしょうが、応援団は大変感動した大会となった。代表となった福井県、新潟県の選手は、北信越の代表として清流岐阜国体で活躍されんことを祈ります。(山本)

*大会成績
成年女子・・・富山県 5位(4敗)
少年男子・・・富山県 4位 (2勝2敗)
少年女子・・・富山県 3位(2勝2敗)

 少年女子の部、大健闘の3位入賞の富山県チーム(富山北部高校単独チーム)

 少年男子の部、最終戦までもつれこんで、ホントに惜しくも大将戦で敗れ、本国体出場を逃した富山県チーム

大会スナップ