第58回富山県高等学校剣道選手権
平成24年11月3−4日
射水市大門総合体育館

 今年の秋季大会は、生徒数の減少から、個人戦は各校8名までの参加が可能となった。これは、北信越では新潟県が過去に採用しており、女子では新潟商が独占する状況もあったが、しかし、選手にとっては、1校4名までしか出場機会がなかった場合と違い、今まで我慢をしていたナンバー5や6の選手にも活躍のチャンスが生じ、いいことであると感じる。
 初日の男子個人戦は、本命の青山虹選手(龍谷富山)が優勝。2位は同僚、嶋田選手(龍谷富山)。3位は、石丸選手(富山工業)・村上選手(富山東)で、ベスト8に伊勢選手(高岡工芸)・永井選手(高岡工芸)・奥野選手(富山南)・武波選手(龍谷富山)。ベスト8には、龍谷富山が3名入った。ついで、3年生5人が抜けた高岡工芸が2名、富山工業、富山東、富山南から1名が入った。 また、ベスト16には、關谷(富山東)神田(高岡工芸)島田(砺波)高井(富山第一)犀川(砺波)上田(富山)柳瀬(富山)橋本(砺波)の各選手が入った。来年の、インターハイ予選には、これらの選手が上位に絡んでくるものと思われる。
 女子団体戦は、富山北部が主力4選手が抜けた後、他校がいかに食い込んでくるか、戦国時代の様相だったが、終わってみれば、富山北部の連覇が続いた。準決勝は、南砺福野が大将戦まで、富山北部を2勝同士で追い込んだが、大将戦で引き分けて、本数差(4-2)で惜しくも敗れた。もう一つ、高岡南対高岡の高岡ダービーは、高岡南が大将戦前に勝利を決め、決勝へ。決勝戦は、富山北部・先鋒川口選手2本勝ちを次鋒、中堅引き分けで有利に進めるも、副将戦で、この大会好調の高岡南・稲田選手が2本勝ちして追いつき、大将戦にもつれ込んだ。大将戦は、選抜やインターハイ経験者の、富山北部・竹内選手が、高岡南・林選手に1本勝ちして、先輩からの伝統を守った。
 2日目の女子個人戦は、同じく1校8名参加できる。優勝は本命の一人、佐渡楓選手(呉羽)で、次勝は初戦から勢いづいた笠原亜美選手(富山北部)、3位は金城選手(富山)・浅野選手(高岡南)と、ベスト4は全員1年生が進出。この大会は、1年生の怖いもの知らずの思い切りの良さが目に付いた。ベスト8は、水口妃奈選手(南砺福野)・埴山選手(南砺福野)・冨田選手(富山北部)・秋目選手(富山北部)で、富山北部は3名がベスト8に入った。又、ベスト16には、藤崎(高岡)大辻(小杉)西井(高岡)島田(高岡)稲田(高岡南)佐賀野(南砺福野)砂田(高岡工芸)山田(滑川)の各選手が入った。これらの選手に加え、今回は勝ちあがれなかった、竹内・川口の富山北部勢が、インターハイ予選に上位進出してくると思われる。
 男子団体戦は、勝ち抜き戦で、玉竜旗のような5人抜きが、いくつも見られ、大変面白い大会となった。Aコートは、高岡工芸が富山南を、次鋒吉田選手の活躍で3人残しで破ってコート決勝へ。一方、富山第一は、初戦、呉羽を破り、2回戦では大将戦で2-1で高岡南に辛勝して、コート決勝へ。高岡工芸は、先鋒永井選手の活躍で4人抜きするも、大将高井選手に敗れ、ここから富山第一は、高井選手が4人抜き返して、大将戦にもつれ込み、延長の末、高岡工芸大将神田選手に、面勝ちして、5人抜きで逆転勝ちし、富山第一が準決勝へ進出。Bコートは、富山工業が、砺波工業、高岡に危なげなく勝利し、コート決勝へ。一方、砺波も入善に勝った滑川に、3人残しで快勝。富山工業は、砺波に、次鋒前田選手が5人抜きして準決勝へ進出。Cコートは、魚津工業に2人残しで勝った富山中部を、南砺福野が2人残しで勝ち、コート決勝へ。富山東は初戦の大門に先鋒直江選手が、鋭く攻め続け5人抜き。続く高朋戦にも、直江選手が快進撃、8人抜きまで行くも、惜しくも副将高倉選手に止められた。その後、一進一退、最後は富山東副将中川選手が1人残して勝ちコート決勝へ。富山東対南砺福野は、富山東・中堅竹端選手が2人残して勝ち、準決勝へ進出。Dコートは、富山の先鋒上田選手が、初戦で魚津に5人抜きし、続く新湊に、次鋒濱松選手が5人抜きして、富山がコート決勝へ。もう一方、高専本郷の先鋒・泉選手が高岡龍谷に5人抜きで快勝するも、高岡工芸との2回戦では、逆に高岡工芸、先鋒・武波選手に5人抜きされた。富山対高岡工芸は、武波選手の活躍で始まった。先の試合から7人抜きで止められたが、中堅・伊勢選手が2人残して勝ち、龍谷富山が準決勝へ。
 Aコートの準決勝は、富山第一に対し、富山工業、先鋒・柳瀬選手があっさり、5人抜きで、決勝進出。Bコートは、富山東に対し、龍谷富山は、先鋒戦は直江選手に武波選手が勝つも、次鋒多田選手が3人抜き、一方龍谷富山、副将・寺部選手が抜き返し、副将戦で吉井選手と引き分け、大将戦となった。大将戦は、前日の個人戦準決勝の再戦となり、ここでも青山選手が村上選手を延長、面で勝ち、龍谷富山が決勝進出。決勝戦は、富山工業が押し気味に試合を進めた。先鋒戦は柳瀬・武波選手は決めてなく引き分け、次鋒戦は前田選手が中川選手を面1本勝ちするも、続く嶋田選手とは引き分け。中堅松村選手は、寺部選手に勝つも、龍谷富山大将青山選手には、面2本負け。続く富山工業・副将石丸選手も、青山選手に面2本負けして、大将戦にもつれ込んだ。流れは龍谷富山かと、会場全体がそのような雰囲気に包まれる中、富山工業大将・石田選手が序盤はほぼ互角に戦い、中盤で、思い切りよく、面に飛び込み、見事決まって先行した。青山選手の攻めの途切れた所をうまく見逃さなかった。その後は、追いつこうと必死の青山選手に対し、うまくかわしきって石田選手が、富山工業を昨年のインターハイ予選以来の優勝に導いた。男子も、戦国時代の様相。来年の選抜予選やインターハイ予選に、どのチームが戦力を整えて出てくるか、見ものである。(山本武夫)
*井波剣道スポ少OB・OGの成績
 団体 男子 龍谷富山(青山虹) 次勝、高岡工芸(神田佳典) ベスト8
     女子 南砺福野(水口妃奈)・高岡(藤崎美奈里) 3位
 個人 男子 青山虹 優勝、 神田佳典 5回戦進出(ベスト16)
     女子 水口妃奈(南砺福野) 準々決勝進出(ベスト8)、藤崎美奈里(高岡) 4回戦進出(2勝:ベスト16)
 

全体の成績(画像:父兄のメモより・・・公式記録ではありません。間違いがあれば悪しからず)

大会の上位成績
第1日 男子個人 優勝 青山虹(龍谷富山)、次勝 嶋田拓郎(龍谷富山)、3位 石丸(富山工業)・村上(富山東)
            ベスト8 伊勢(高岡工芸)・永井(高岡工芸)・奥野(富山南)・武波(龍谷富山)
     女子団体 優勝 富山北部、次勝 高岡南、3位 南砺福野・高岡
            ベスト8 桜井・滑川・呉羽・高岡工芸
第2日 女子個人 優勝 佐渡楓(呉羽)、次勝 笠原亜美(富山北部)、3位 金城(富山)・浅野(高岡南)
            ベスト8 水口妃奈(南砺福野)・埴山(南砺福野)・冨田(富山北部)・秋目(富山北部)
     男子団体 優勝 富山工業、次勝 龍谷富山、3位 富山第一・富山東
            ベスト8 高岡工芸・砺波・南砺福野・富山  
 
 
 
 
 
 

*上位入賞者の写真