第59回県高等学校剣道選手権大会:秋季大会
 
平成25年(2013年)11月2-3日  大門総合体育館


 今年の高校秋季大会は、男子が龍谷富山の青山虹君が卒業し、戦国時代の様相を帯びるのではないか、女子は、富山北部が新チームとなり、団体戦県内の連覇がどこまで継続するか、大変興味があった。
 初日は、午後からの観戦の為に、結果のみで、判断すれば、男子個人は、久し振りに、高朋から、早瀬選手が、決勝で、吉井選手(富山東)に勝ち優勝。3位は、竹内(高岡工芸)石黒(龍谷富山)の両選手。ベスト8には、市川(龍谷富山)・渡邉(高岡工芸)・大久保(高岡工芸)・柳瀬(富山工業)の各選手が入った。さらに、ベスト16には、荒井(滑川)・端(滑川)・中川(滑川)・?(藪中選手:呉羽か山森選手:高専本郷か?)・藤井(南砺福野)・村松(富山工業)・伊勢(高岡工芸)・岩崎(高岡南)の各選手が入り、選抜予選に向けて、シード選手はマークされ、さらなる稽古が必要になろう。いずれにせよ、絶対本命がいないだけに、これからの大会も目を離せない。
 午後の女子団体は、Aコートで、富山北部が順当に呉羽を下し準決勝へ。Bコートは、南砺福野、先鋒の野原果鈴選手が先勝するパターンで魚津に競り勝ち、富山との初戦を大将の藤崎選手の逆転で制した高岡とコート決勝へ。ここも野原選手が先行するも、落ち着いた試合運びに南砺福野は苦戦し、高岡に一歩及ばず敗退。Cコートは、高岡南が4人ながら大門とのコート決勝を、大将戦に勝ち、制した。Dコートは、高岡工芸が、富山東に圧勝し、準決勝へ。準決勝は、富山北部が、高岡に先鋒でてこずるも、4-1で勝ち、もう一つは、高岡南が高岡工芸に大将戦まで、全く互角だったが、大将戦延長で勝って、寺島先生の教え子の先輩の意地を見せた。決勝は、富山北部が、4人の高岡南には、中堅のとりこぼしはあったものの、危なげなく団体戦を連覇した。(平成22年春季大会から、15連覇?)
 2日目は、女子個人戦。Aコートは、桶屋選手(富山中部)を破った竹下選手(高岡工芸)と、埴山選手(南砺福野)を破った大浜選手(高岡南)がコート決勝、延長面で制したのは、大浜選手、準決勝へ。Bコートは、インターハイ出場の藤崎選手(高岡)と若林選手(富山北部)がコート決勝進出をかけ、延長戦へ、制したのは実力ある藤崎選手。もう一方は、飛田選手(富山)に勝った野口選手(富山北部)で、これまた延長戦でどちらも、隙を逃さず面を決められ、藤崎選手が準決勝へ。Cコートは、坂部選手(龍谷富山)と、笠原選手(富山北部)を破り勢いのある浅野選手(高岡南)は延長で浅野選手がコート決勝へ、もう一方は、野原果鈴選手(南砺福野)の粘りに苦しんだ佐渡選手(呉羽)が、2本勝ちをそろえた荒井選手(富山北部)の突きに敗れた。コート決勝は、荒井選手が慎重に試合を進め、終了寸前に面を決めて、準決勝へ。Dコートは、村井選手(高岡)に勝った金城選手(富山)と川口選手(高岡工芸)に勝った沖田選手(南砺福野)がコート決勝で対戦、金城選手の速い動きに、沖田選手が破れた。  準決勝は、藤崎選手が延長で、大浜選手に面を決め、もう一方で、荒井選手も金城選手に終盤で面1本勝ちした。決勝は、2年生同士、過去の成績で上回る藤崎選手が、荒井選手の攻めを凌いで、的確に面を決め、とり返すために必要に攻める荒井選手の動きを一瞬の相面でも先に制し、2本勝ちした。藤崎選手は夏の総体予選に続く連勝。
 続く、男子団体は、勝ち抜き団体戦で、何人抜きという興味もわく大会である。選抜予選のシード権をとるためにも大切な大会である。Aコートは、龍谷富山が順当にコート決勝へ進み、魚津と対戦、先鋒の市川選手が5人抜きして準決勝へ。Bコートは、南砺福野が快進撃。なんといっても先鋒の扇割選手が大活躍。1回戦高朋戦で5人抜き、2回戦富山東戦こそ、次鋒戦で引き分け(この試合は、南砺福野次鋒の窪田選手が3人抜いて勝ち上がり)、コート決勝の砺波工業戦で、再び扇割選手が5人抜きし、準決勝へ。Cコートは、高岡工芸が富山に競り勝ち、コート決勝へ。2回戦、高岡南と富山南は、熾烈な戦い、高岡南の先鋒大隣選手が4人抜きして、富山南の川瀬選手と対戦するも敗れ、逆に川瀬選手は5人抜き返して、コート決勝へ。ここで、高岡工芸副将竹内選手が、富山南大将川瀬選手に競り勝って、準決勝へ。Dコートは、2回戦で、砺波が副将村中選手の5人抜きで、魚津工業に逆転勝ちし、コート決勝へ。一方、1回戦で呉羽に、先鋒澤選手の5人抜きで勝った高岡は、2回戦でも富山工業に、高岡澤選手は3人抜き(連続8人抜き)して苦しめたが、富山工業副将柳瀬選手が逆に、5人抜き返して逆転。コート決勝は、富山工業先鋒今村選手が3人抜き、最後は副将柳瀬選手が、砺波の大将島田選手に勝って、準決勝に進んだ。  準決勝は、龍谷富山に対し、先鋒扇割選手が次鋒と引き分け、2回戦で活躍の次鋒窪田選手は中堅と引き分けし、今大会初試合の中堅吉田選手が2人抜いて、南砺福野が決勝へ進出。もう一方の高岡工芸と富山工業は、一進一退、最後は、富山工業柳瀬選手が3人抜いて、勝ち上がった。  決勝は、南砺福野の先鋒扇割選手(ここまで、11勝3分)に対し、富山工業1年今村爽介選手が、小手を決め先制、続く、福野次鋒窪田選手にも面1本勝ちした。福野中堅吉田選手は、今村選手を落ち着いて面1本で押さえ、富山工業次鋒中川選手には、決め手がなく引き分けた。続く、福野副将余西選手は今大会初試合、富山工業示森選手を落ち着いて攻め、小手一本勝ち、副将戦に持ち込んだ。余西選手は、ここまで大活躍の富山工業副将柳瀬選手に対し、一歩も引くことなく攻め、両者決定打突がなく、引き分けて、大将戦にもつれ込んだ。富山工業にすれば、個人戦で福野大将篠原選手に勝っている柳瀬選手とやらせたかった。大将戦は、今大会両者とも初試合で、福野篠原選手、富山工業村松選手、どちらも慎重に成らざるを得ない展開になるも、1年生篠原選手の手数が多く、攻め続けている印象のまま、延長に入った。何回かの攻防の中で、村松選手に注意がでて、攻める姿勢に転じ、数分後、村松選手の出小手に対し、篠原選手の面がでて、どうなるか息をのんだが、旗はいずれも赤篠原選手の面に上がった。村松選手の小手が浅く、涙を飲んだ。南砺福野高校が県高校秋季大会の男子団体を制するのは、37年ぶり3度目という久し振りの快挙。
 今大会にも、1年生の新戦力が台頭、これからが楽しみである。   (山本武夫)文章中、茶色字は井波スポ少出身者。






 女子個人、夏の総体予選に続く、優勝の藤崎美奈里(高岡) 


井波スポ少OB/OGの成績
 第1日 男子個人 篠原風斗(南砺福野) 3回戦進出(2勝)、角地孝文(南砺福野) 2回戦進出(1勝)
      女子団体 高岡(藤崎美奈里:大将) 3位、南砺福野(野原果鈴:先鋒) ベスト8(1勝)
 第2日 
女子個人 藤崎美奈里(高岡) 優勝、 野原果鈴(南砺福野) 3回戦進出(2勝)、野村明日香(砺波) 3回戦進出(1勝)
     
男子団体 南砺福野(篠原風斗:大将) 優勝(初?:記録調査中)、高岡(澤宗馬:先鋒) 2回戦進出(1勝)

大会の成績・・・父兄データより 男子 女子
(第1日)
男子個人 @早瀬(高朋) A吉井(富山東) B竹内(高岡工芸)・石黒(龍谷富山) D市川(龍谷富山)・渡邉(高岡工芸)・大久保(高岡工芸)・柳瀬(富山工業)
女子団体 @富山北部 A高岡南 B高岡・高岡工芸 D呉羽・南砺福野・大門・富山東
(第2日) 
女子個人 @藤崎美奈里(高岡) A荒井(富山北部) B大浜(高岡南)・金城(富山) D竹下(高岡工芸)・野口(富山北部)・浅野(高岡南)・沖田(南砺福野)
男子団体 @南砺福野 A富山工業 B龍谷富山・高岡工芸 D魚津・砺波工業・富山南・砺波