第60回高校剣道新人大会(選抜予選)
 平成26年(2014年)1月18-19日アルビス小杉総合体育センター)

 今年の選抜予選は、男子団体で秋季大会を制した南砺福野を中心に、かっての選抜出場校がどこまで力を伸ばしたか、見ものであった。また、女子団体は、富山北部の連勝をどこが止められるか、また、どこまで脅かすか、これも注目だった。
 初日の男子個人戦は、シード選手が、次々破れる中、柳瀬選手(富山工業)と石黒選手(龍谷富山)が順当に勝ち上がった。ベスト8には、Aコートは、第1シードの早瀬選手(高朋)を4回戦で破った赤川選手(魚津)に5回戦で勝った澤選手(高岡)と、シードの渡辺選手(高岡工芸)を4回戦で破った扇割選手 (南砺福野)に5回戦で勝った森選手(富山東)。Bコートは、4回戦でシードの大久保選手(富山東)に勝った吉田選手(高岡工芸)と、順当勝ちしたシードの石黒選手。Cコートは、2回戦でシードの竹内選手(高岡工芸)を破った磯崎選手(富山中部)に5回戦で勝った堀選手(高岡)と、3回戦でシードの市川選手(龍谷富山)を破った工藤選手(南砺福野)に5回戦で勝った沖田選手(高岡)。Dコートは、5回戦で島田選手(砺波)を順当に下したシードの柳瀬選手(富山工業)と、シードの吉井選手(富山東)を5回戦で破った篠原選手(南砺福野)。準々決勝は、Aコートで、澤選手が森選手を破り、準決勝へ。Bコートでは、石黒選手が吉田選手に勝ち、準決勝へ。Cコートでは、高岡勢同士の一戦は、沖田選手が勝ち、準決勝へ。Dコートは、柳瀬選手が勝ち、準決勝へ。準決勝は、澤選手が、石黒選手を破って決勝へ進出。もう一方では、柳瀬選手が、沖田選手に勝って決勝へ進出。決勝戦は、柳瀬選手が、粘る澤選手を振り切り、中盤に出した面を守り切って優勝した。個人戦は、ベスト8に、高岡勢が3名も入り、今回の大会を盛り上げた。
 午後の女子団体戦は、今年から予選リーグを戦い、1位4チームで決勝トーナメント、2位4チームで、北信越代表決定戦を行う。選抜予選ということもあり、団体戦は1試合ごとにメンバー交換ができる。Aリーグは、富山北部が南砺福野にややてこずるも、順調に1位で勝ち上がった。Bリーグは、高岡工芸と富山の争いとなり、最後の大将戦で、富山の大将、金城選手が2本勝ちして逆転、1位となった。Cリーグは、高岡が注目された呉羽戦で圧倒し、1位で勝ち上がった。Dリーグは、高岡南が順当勝ちして1位となった。北信越代表決定戦は、南砺福野が、高岡工芸に2-1で勝ち、呉羽が富山中部に4-1で勝った。決勝トーナメントは、富山北部が、富山を5-0と圧倒、高岡は高岡南に大将戦で勝ち、2-1で決勝へ進んだ。決勝は、富山北部が、先鋒・次鋒と勝ち、優位に試合を運び、高岡が望む大将戦(荒井-藤崎)の前で決着をつけた。富山北部は、選抜は連続出場。
 2日目の女子個人戦は、Aコートで、第1シードの藤崎選手(高岡)が順当に勝ち進み、3回戦でシードの竹下選手(高岡工芸)を破ってきた笠原選手((富山北部)を胴1本、準々決勝で破って準決勝へ。Bコートは、シードの浅野選手(高岡南)を破った桶屋選手(富山中部)と、同じくシードの金城選手(富山)を破った佐渡選手(呉羽)が準々決勝で対戦、佐渡選手が面を先行するも小手を終盤で返され、延長で面を決めて準決勝へ。Cコートは、シードの大浜選手が順当に準々決勝に勝ち進んだが、シードの野口選手(富山北部)を2回戦で破った堀選手(富山第一)に4回戦で胴1本勝ちして、勝ち進んだ奥出選手(富山)と対戦するも、奥出選手は面、胴の2本を決め、準決勝へ。Dコートは、シードの沖田選手(南砺福野)を2回戦で破って勢いに乗る柞山選手(富山北部)に対し、シードの荒井選手(富山北部)は積極的な攻めを続け、順調に準々決勝に進んだ。富山北部勢同士の準々決勝は、延長までいくも、開始早々面を決めた荒井選手が、準決勝に進んだ。準決勝は、佐渡選手の鋭い攻めに応じる藤崎選手は終盤に面を決めて、かろうじて決勝に進んだ。もう一方の荒井選手は、奥出選手を、開始早々面を決め、中盤すかさず2本目の面を決めて決勝へ。決勝は、団体戦決勝の再戦となったが、昨日の引き分けに反省をした荒井選手の思い切りが、中盤の相面での勝負に勝って、そのまま時間が切れ、荒井選手が初優勝を飾った。個人戦2連覇中の藤崎選手の堂々とした試合ぶりと、今大会を積極的な攻めの姿勢を貫いた荒井選手の思い切りのいい試合ぶりが目立った。
 午後の男子団体戦は、Aコートでは、シードの南砺福野が順当に勝ち進み準々決勝へ。高岡は初戦で、富山東と競り、代表戦で澤選手が吉井選手に面勝ちし、準々決勝にコマを進めた。準々決勝の南砺福野・高岡戦は、先鋒澤選手と扇割選手が引き分け、福野は次鋒、中堅と終盤に反則をそれぞれ1本取られ、2本負けと引き分けとなり、副将の結果次第となった。個人戦でもベスト4という活躍の高岡の上段の沖田選手は、福野・余西選手を攻め、面一本勝ちして試合を決めた。福野は大将に篠原選手がいただけに、残念な結果となり、秋季大会の再来とは成らなかった。(井波勢の澤・篠原両選手の代表戦を期待する観戦者の多かった)。Bコートは、高岡南と高岡工芸が順当に勝ち進み、寺島先生の新旧の教え子対決となったが、駒をそろえる高岡工芸が準々決勝では、5-0と圧倒した。Cコートは、龍谷富山が順当勝ちし、4人で辛勝の高朋と準々決勝で対戦、龍谷が4-0で勝って準決勝へ。Dコートは、力をつけた富山工業と、しぶとさを前面に勝ち進む富山と準々決勝で対戦、大将戦で、富山工業・柳瀬選手が、富山・上田選手に面1本勝ちし、試合を決めた。
 準決勝は、高岡に対し、高岡工芸は4-0と圧勝、一方、龍谷富山は富山工業に対し、先鋒・若林選手が一本勝ち、次鋒は工業・中川選手が2本勝ちし逆転、中堅は、龍谷・寺部選手が面を先行するも、工業・今村選手が面を返して追いつき、試合の流れを渡さなかった。副将は、逆に龍谷・中川選手が1本勝ちし、再度逆転、大将戦は工業・柳瀬選手が勝てば工業という事で緊張の試合展開となったが、龍谷・大将の石黒選手が守り切って、龍谷富山が決勝戦に進んだ。決勝戦は、高岡工芸が先鋒を引き分けるも、次鋒・伊勢選手が、龍谷・若林選手に面一本勝ちという殊勲、中堅は引き分けるが、副将戦は龍谷中川選手が粘って面1本を決め、ここで全くの5分に戻した。大将戦は、中盤に工芸吉田選手の小手が見事に決まり、ムードは一遍に工芸に行ったが、2本目再開直後に、今度は、龍谷・石黒選手のビデオを再生したかのような、同じ小手が決まり、ここでさらに全くの互角。会場は静かな中にも、緊張感が一気に高まった。その後は、やや焦る吉田選手に、石黒選手は落ち着いて面を決め、龍谷富山が昨年は雪辱を果たし、選抜出場権を獲得した。
 秋の秋季大会で活躍した、南砺福野はマークされ、この大会は挑戦者として戦った龍谷富山や高岡工芸、富山工業がいい試合を見せた。高岡もこの大会では大いに気を吐いた。選抜代表の男子龍谷富山と女子の富山北部は、サッカー富一のように、気後れすることなく、全国大会で富山県勢の代表として、思い切り頑張ってきてほしい。
 又、春季大会、総体予選に向けて、各校とも新チームを作り、強化をして、頑張ってほしい。秋と選抜の結果は、必ずしも、総体には結びつかないのが、実情。どこのチームにチャンスはある。諦めずに頑張った所に栄光が転がり込む。頑張れ、高校剣士諸君!

*大会成績・・・井波剣道スポ少関連
第1日 男子個人 @柳瀬(富山工業)A澤宗馬(高岡)B沖田(高岡)・石黒(龍谷富山)D篠原風斗(南砺福野)・森(富山東)・堀(高岡)・吉田(高岡工芸):ベスト8、
             角地孝文(南砺福野) 2回戦進出(1勝)
     女子団体 @富山北部A高岡B富山・高岡南D南砺福野・呉羽:北信越:清流杯出場 F高岡工芸・富山中部
第2日 女子個人 @荒井可南子(富山北部)A藤崎美奈里(高岡)B佐渡(呉羽)・奥出(富山)D笠原(富山北部)・桶屋(富山中部)・大浜(高岡南)・柞山(富山北部)
             野原果鈴(南砺福野) 3回戦進出(1勝) 、野村明日香(砺波) 2回戦敗退
     男子団体 @龍谷富山A高岡工芸B高岡・富山工業D南砺福野・高岡南・高朋・富山:北信越:清流杯出場

 
 
 男子団体の結果・・・詳細(公式記録ではありません)
 
 女子団体