祝    辞


社団法人 日本歯科衛生士会  
会 長  金澤 紀子   

 第28回むし歯予防全国大会の開催を心からお喜び申し上げます。
 むし歯予防とフッ素とのかかわりは古く、歴史的にも大きな成果をみることができます。
 本来、歯科衛生士の役割は、国民の歯科疾患の予防と口腔衛生の向上を図ることにありますが、第一の予防手段はフッ化物の応用であり、歯科衛生士教育においても、就業現場においても、フッ化物塗布やその応用法の推進に取り組んでまいりました。ここに、長年にわたりご指導ご鞭撻を賜りました先生方に厚くお礼申し上げます。
 さて、21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)では、「歯の健康」の目標として歯の喪失防止を掲げ、その達成には、幼児期、学童期におけるフッ化物応用が重要であると提言しています。また、最近では、高齢期の口腔ケアにおいてもその効果が報告され、フッ化物応用の新たな可能性にも大きな期待が寄せられています。
 また、近年の調査研究では、歯の健康と全身の健康やQOLとの関連についても明らかになり、健康寿命の延伸を図るために、歯の健康が大切であることが広く知られるようになりました。
 そのような中で、このたび、歯の健康づくりのスタートラインである「むし歯予防」と「フッ化物応用」の推進を中心として討議されることは、大変意義深いことと思われます。
 また、本大会の「温故知新」は時宜を得たテーマであり、これからの歯科保健医療を考えるうえで、大きな示唆を得ることができるでしょう。
 大会関係者の皆様に深く敬意を表しますとともに、今後のますますのご発展を祈念申し上げ、お祝いの言葉といたします。