祝    辞


社団法人 日本学校歯科医会  
会 長  西蓮寺 愛憲  

 第28回むし歯予防全国大会の開催を心よりお祝い申し上げます。
 日本ばかりでなく世界的にも古い歴史を持つ歯科保健におけるフッ化物の応用について、本年は大会テーマを「温故知新」として据えて多くの関係者のご参加を得て開催されますことは、真に意義深いことであります。
 昨年は厚生労働省から「フッ化物洗口ガイドライン」が発行され、また、保健管理的意味において公衆衛生の分野で、むし歯予防への取組みの発展が期待されます。
 学校歯科保健の分野では、機会あるたびに申し上げております通り、以前よりヘルスプロモーションの理念に基づき、生きる力を育むという教育目標に向かって、自ら気付き、自ら解決する問題解決型学習や、学校・家庭・地域社会との連携を取り入れた活動を展開し、歯と口腔の健全育成に取り組んで参りましたが、フッ化物に関しましては、この理念の下に、教育を主体として「学齢期においてはその効果を知り、自分でフッ化物入り歯磨剤であるか否かを選択できるようになること」、また、学校での応用については「児童生徒の実態に応じて歯面塗布、洗口等が考えられますが、実施にあたっては、学校歯科医の指導と管理の下に、教職員や保護者等がその必要性を理解し、同意が得られるよう、しっかり手順を踏む必要性がある」ことから、学校側から出される質問に答えるためのQ&Aを発行し、本年は更に具体性を記したガイドブックの発刊を目指しております。
 今後も学校歯科保健活動といたしましては、学校という特殊性と教育を主体とした展開を考慮し、今なすべきことを判断して、行動して参りたいと存じますので、本日ご参集の先生方のお知恵を拝借したり、お力添えをお願いする場面もあろうかと存じますので、その折には宜しくお願い申し上げます。
 結びに本日の大会を主管されました佐賀県歯科医師会寺尾会長、日本むし歯予防フッ素推進会議境会長はじめ関係各位のご健勝とそれぞれの団体ならびに会員の皆様のご発展をお祈り申し上げ、お祝いの言葉といたします。

 平成16年7月3日