挨    拶


特定非営利活動(NPO)法人日本むし歯予防フッ素推進会議
会 長  境   脩  

 このたび、特定非営利活動(NPO)法人日本むし歯予防フッ素推進会議(以下、NPO法人日F会議)の主催、佐賀県歯科医師会ならびに佐賀県の共催による「第28回むし歯予防全国大会」が佐賀県唐津市において開催されることになりました。
 今日、21世紀における国民健康づくり運動「健康日本21」では、口腔保健分野では歯の喪失を防止して生活の質の向上を目指しています。歯の喪失防止に確実につながるう蝕予防方策として、フッ化物の公衆衛生的応用は欠かすことのできない社会的施策として国際的にも広く認識され、長年にわたり実施されてきた歴史があります。そこでのフッ化物の応用は、学校等で行うフッ化物洗口や水道水フッ化物濃度適正化等、集団や地域を基盤とした公衆衛生対策がその要となるのです。たしかに公衆衛生的なフッ化物の応用は、地域住民の健康増進を目的にする対策として、その優れた公衆衛生特性ゆえに、どの観点からみてもその期待値はきわめて大きく、いかなる健康施策との比較においても、まさに優れて圧倒的な方法であることを強調しなければなりません。
 学校等におけるフッ化物洗口のわが国における普及状況については、1983年以降ほぼ2年ごとに日F会議により全国調査が継続されてきましたが、本年、2004年の学校等におけるフッ化物洗口への全国での参加児童学童数は40万人に迫り、この2年間の増加数は9万人余りと過去最高を記録するようです。2010年に学校等におけるフッ化物洗口児童学童数を100万人にするというNPO法人日F会議による目標も、現実的な数値となりつつあるようです。
 NPO法人日F会議の前身である日F会議は、この四半世紀に亘る実績をふまえて、公益法人としての社会的な立場を明確にし、関係諸機関、専門学会、各地域の自治体との連携をはかりながら、21世紀における国民の口腔保健の保持増進に寄与することを目的に、昨年、新たに「特定非営利活動(NPO)法人日本むし歯予防フッ素推進会議」として改組したところであります。
 このむし歯予防全国大会は、日F会議により1977年の第1回新潟大会以来、毎年開催され、今年は第28回大会として、佐賀県唐津市で7月3日に開催されます。佐賀県では近年、保育所・幼稚園、小学校でのフッ化物洗口を積極的に推進され、大きな成果を上げています。本大会が当地域におけるさらなる口腔保健向上の一助となるよう、関係各位の当該問題に対するご理解とご協力、ご支援をお願い申し上げ、併せて本大会の盛会と各位のご健勝を祈念して、ご挨拶とさせて戴きます。