フロリデーション(水道水フッ化物濃度適正化)の有効性と安全性に関するアメリカ歯科医師会のステートメント
2000年6月29日)

アメリカ歯科医師会は、40年以上にわたり、う蝕予防のために安全かつ効果的な方法として地域水道水フッ化物濃度適正化を推奨してきました。フッ化物は天然由来の抗う蝕性化合物であり、岩石と土壌中で微量元素と結合して、地殻に天然に存在しています。微量のフッ化物は天然のかたちですべての水にも含まれており、程度の差こそあれ飲食物にも微量に含まれています。フロリデーション(水道水フッ化物濃度適正化)とはう蝕予防のために0.7ppm〜1.2ppmの範囲で天然のフッ化物イオン濃度を調整する過程をいいます。

“フロリデーションはCDC(疾病管理センター)によって20世紀の10大公衆衛生業績の一つに認められました ”とリチャードF.マスカラD.D.S.アメリカ歯科医師会長は述べました。“フッ化物の利益は歯科医療を受け難いアメリカ人、とりわけこどもたちに、重要な意味を持っています。フロリデーションは安全で、効果的で、しかも国民の公衆衛生にとって極めて最良の活力に満ちたパワフルな方策である”と。

アメリカ歯科医師会のほかにも、およそ100の国内ないし国際的な機関がう蝕予防にとって地域水道水フッ化物濃度適正化の公衆衛生的な利益を認めています。WHO(世界保健機関)、アメリカ合衆国公衆衛生サービス、アメリカ医学協会、アメリカ小児学会、アメリカ家庭医学会、IADR(国際歯科学会)、アメリカ教師・父母会、アメリカ癌学会など。しかも、ちょうど先月にはデビットサッチャー公衆衛生長官がOral Health in America(アメリカの口腔保健)に次のように書いています。“フロリデーションは小児と成人のう蝕予防をする際に安全でかつ効果的です。しかも、フロリデーションは人々の社会経済状態に関わりなく、地域に水道水が供給されているすべての住民にとって利益をもたらします。

不幸なことですが、フロリデーションの安全性と有効性に関する証拠は山ほどありますが、1億以上のアメリカ人はフロリデーションの直接的な利益にあずかっていません。州と地方歯科協会と手をとりあって、アメリカ歯科医師会は、フロリデーションによる利益を多数の地域に拡がるように、連邦、州と地方機関への働きかけを続けます。

フロリデーションに関するアメリカ歯科医師会の方針はだれにでも受け入れられている科学的な知識を基本に据えています。この知識そのものは科学的な手法で研究を遂行し、研究所見に基づいて適切にバランスのとれた結論を導きだし、しかも広範囲に公開されて閲覧されている査読制度のある専門雑誌に研究結果が公表された、国家公認の多くの科学者たちの努力の成果に依拠しています。さらに、科学的な所見の確立によって、これまでの研究の信頼性を補強することにもなります。

フッ化物とフロリデーションに関する情報については、アメリカ歯科医師会の次のサイトを御利用ください。http://www.ada.org/goto/fluoride.