青少年映画審議会推選

映画「逢いたい」

人ちゃ、なんか、役、持って生まれてくるもんや。

 筆者のコメント(山本武夫)
 2004年(平成16年)4月18日、井波町文化センターメモリアホールにて、上記映画を鑑賞してきました。
 とても素晴らしい映画でした。ジーンときて、とてもハンカチなしでは見られませんでした。
 人間として生きていく上で、いろんな葛藤や様々な軋轢、それにうまく対応できない人間(子どもも大人も・・・)。それを逃れるために周囲と反発し、登校拒否や家庭内暴力など、でも、きっとほんのひとつのきっかけで、立ち直り、自分に正直に生きることができるようになるのではないか。
 誰でも、自分が何のために生きているのか、わかれば幸せです。
 そして、自分が誰かに必要であると思われれば、もっと幸せです。
 この映画の中で、菅井きんさん演じるおばあちゃんが「人ちゃ、なんか、役、持って生まれてくるもんや。」といったそのことがようやくわかった時、主人公(命:みこと)が本当の生き方を見つける、このストーリーは、青少年にとってとてもいい教本となります。
 長い人生で「失敗したら、やり直せばいい」と、割り切るのは難しいでしょうが、本当に身近にいる人が、温かく見守ってくれれば、立ち直りが早いでしょう。
 この映画を是非、青少年、その周囲の人たち、多くの人に見てもらいたいと思いました。

 映画のはじめに、監督・主演の浅井康博さんの公演挨拶がありました。
 遅れたために、聞き逃しましたが、上映が終わり、出口で参加者にお礼を言っておられ、じかにプログラムを買ってサイン(プログラム表紙)をしてもらいました。
 照れくさいので、挨拶をそこそこにして、名刺をわたし、「HPに紹介させてください。」と言って、了承していただきました。
 お返しに、名刺をいただきました。
 このページでこの映画(プログラムより)と浅井監督のご紹介をいたします。
 また、映画「逢いたい」のHPのアドレスも紹介します。
青少年映画審議会推選 「逢いたい」あらすじ
「逢いたい」プログラムより 【35mm/ビスタサイズ/ステレオ/90分作品  (C)2003「逢いたい」製作委員会/スーパービジョン】

 2003年春、富山県滑川市、自然豊かなこの地で祖母・治江(菅井きん)と2人暮らしの清水命(浅井康博)は、治江の畑仕事を手伝いながらも。このままこの仕事を続けていくのか思い悩む日々を過ごしていた。そんなある日、治江が心臓発作で倒れ、あまりに呆気なくあの世へと旅立ってしまう。
 その頃、東京の城之内家では、心身のバランスを崩してカウンセリングに通っている高校3年生の心(塚本里奈)と両親が、受験を巡って言い争っていた。家出した心は、富山へと向かう。
 治江の死後、茫然自失の命、仲間の鈴木愛(長澤奈央)や田中遊(山本康平)はそんな彼を励ますが、命の心に開いた大きな穴をなかなかふさぐことはできない。ある日、命は墓参りの帰りに、バス停のベンチで倒れている少女・心を見つける。介抱してくれた命の家で目覚めた心は、しばらく命の家に滞在することになる。
 命の恩師・野村先生(新藤栄作)が、今年も子どもたちを連れて合宿にやってきた。命たちも毎回、この合宿の手伝いをしている。井波彫刻の工房見学や地引網体験など、みんなで楽しい日々を過ごすが、3人の子どもたちのうち車椅子の少年・光(秋山拓也)だけは頑なに心を開こうとしない。また、命を想う愛も心に嫉妬し、ことあるごとに衝突。些細なことで愛と言い争いになった心はたまらず校舎を飛び出してしまう。心を探している最中、気持ちを抑えられなくなった遊が愛にプロポーズ。心に命を取られるのを黙って見過ごせないという愛に対して遊は、命と心のある秘密を告げる・・・。
 真実に触れて自分の気持ちをぶつけ合った4人は、それを機に絆を深め、ようやく一つになろうとしていた。そんな中、光だけがいまだその輪に加われずいたのだが・・・。
監督・主演  浅井康博さんのプロフィール

 1979年生まれの24歳。大学入試を機に富山より上京。エキストラのアルバイトなどで役者の仕事に興味を持ち、大学を中退して役者の道へ。篠崎誠j監督「忘れられぬ人々」などの出演を経て、自らの考え・価値観を表現するために舞台で作・演出を手掛けた。そして長年構想を温めてきた、故郷・富山を舞台にした映画「逢いたい」がついに完成。作り手としても役者としても注目の新鋭である。(「逢いたい」パンフレットより:下記)