秋田県フッ化物洗口事業「お口ブクブク大作戦」進行中!

秋田魁新報社
------------------------------------------------------------------------
当面は同意者のみ/5歳児対象にフッ素うがい
------------------------------------------------------------------------

 県が本年度から5歳児を対象に始めたフッ素洗口事業「お口ブクブク大作戦」が、東成瀬村など5市町村の一部の保育園と幼稚園で実施されている。20市町村の施設でも近くスタートする見込み。保護者の同意を得た子どものみ対象となるがが、安全面での心配や人手不足などを理由に実施を見送る施設も出ている。初めての事業だけに、現場には不安や戸惑いもあるようだ。


 県内の先頭を切って9月から始めた東成瀬村では、2つの保育園児に加え、村独自の判断で小中学生も対象とした。4歳から15歳まで約270人のほとんどが実施している。
 同村田子内の「やまゆり保育園」では、午前のおやつの時間が終わると4、5歳児29人全員が歯磨きし、フッ素入り水溶液を口に含んで30秒間「ぶくぶくうがい」を行っている。
 「5月ごろから水で練習を続けてきたので、子どもたちに抵抗感はないようだ」と同園。
 同村椿川の3児の母親(32)は「保育園や学校全体で虫歯予防に取り組んでもらい助かる」と話す。

 14年度の同村の3歳児虫歯り患率が県平均の48%を上回る53・8%。虫歯のない子と、虫歯が極端に多い子の“両極分化”が進んでいたことにも危機感を深めた村が、村内の歯科医と協議してフッ素洗口の導入を決めた経緯がある。

 県内の3歳児1人当たり虫歯の数は2・48本。全国平均の1・4本を上回り全国最下位(14年度)。
 このため県は、希望する幼稚園と保育園の5歳児(来年度小学校1年生になる幼児)を対象に、本年度から歯質強化に効果があるとされるフッ素洗口導入を決めた。10月17日現在、実施しているのは7施設。近く64施設でも始まる見込み。
 一方、秋田市は市内9カ所の公立保育所でのフッ素洗口実施を本年度は見送った。うがいに使うフッ化ナトリウムが劇物であることなど安全面への不安や、担任1人当たりが受け持つ幼児数が多く指導が行き届かない?などが理由。

 私立保育園は自主判断に任せられるが、公立保育所と同様、実施を見送った施設もある。
 県健康対策課は「フッ素洗口の安全性と有効性は確立している。施設には園児1人でも希望があれば実施するようお願いしたい」と話している。

<写真:おやつ後にフッ素洗口をする園児=東成瀬村のやまゆり保育園> (2004/11/11)