BBT(富山TV) 67日午後4時スーパーニュース

                          『』はテロップ文字

425『利賀村 「フッ素」を水道水に』

キャスター:今週は歯の衛生週間です。県内の多くの幼稚園や小学校では,フッ素の入った水によるフッ素洗口が行われていますが,利賀村ではこのフッ素を水道水に入れることが検討されています。小山記者の取材です。

小山憲一記者:海外ではすでにアメリカなど56カ国が実施している水道水へのフッ素添加ですが,日本ではまだどの自治体も実施していません。そんな中,動き出したのがこちら利賀村です。『利賀村 調査研究費を計上』利賀村では今年度予算で調査研究費を計上し、設備にかかる費用や予防効果などを調査研究し,その手始めとして『先進地の韓国を視察』この4月,先進地である韓国を視察しました。

平田明徳住民福祉課長:利賀は町へ大変遠いものですから,歯医者に通うのは大変なことだったのですよね。学校や保育所が,井波の山本先生の指導を受けながら平成11年からフッ素洗口を実施しているわけですが,先生から水道水への添加についてお勧めがあったものですから,検討してみようという事になったんです。

小山:この利賀村に、水道水のフッ素添加を進めたのが井波町の歯科医師で村の歯科保健推進協議会のメンバーでもある山本武夫さんです。

歯科医師 山本武夫さん(井波町山見):フッ素自身の効果としましては歯の表面に作用することにより歯を硬くすることの外に、1番大きな効果はむし歯になりかかった所を再石灰化、修復する作用があることです。『井波町山野保育所の「フッ素洗口」』井波町では平成3年から保育所・幼稚園からスタートして,今では小中学校の全生徒がフッ素洗口を受けています。その長い経験から一人当たりのむし歯の本数が12歳児(正しくは11歳児)34本あったものが1本以下(正しくは1本あまり)になってきています。

小山:『富山むし歯予防フッ素推進市民ネットワーク発会式 527日 井波町社会福祉センター』先月,山本さんが発起人代表隣,歯科医師や歯科衛生士.市民などによりむし歯予防のためにフッ素の利用を進める市民ネットワーク組織ができました。

今後,フッ素に関する情報を広く提供することにしていますが、フッ素に安全性などの問題はないのでしょうか。

山本:これはもともと水道水の水、というか飲料水に丁度いいフッ素濃度のものを利用してた人達のむし歯が少ないところから,発見された人類の英知でありまして,丁度いい適正な濃度で調整すれば安全性は一切問題ありません。

小山:WHO(世界保健機関) 加盟国に検討を求める勧告』水道水のフッ素添加はWHO(世界保健機関)が検討を求める勧告を出したほか、『厚生労働省「住民の合意」「水質基準以内の添加」を条件に認める方向』厚生労働省も、昨年推進基準以内,住民合意を条件に実施を認める方向をうち出しています。

平田:利賀村は,小規模施設がいくつもありまして,難しいこともありますが、住民合意を得ながら検討していきたいと思っています。

小山:『村民は・・』水道水にフッ素を入れるという話はご存知ですか?

村民:私はそこまでよく知らないのです…

小山:利賀村での水道水のフッ素添加,この動きは始まったばかりです。すべての人が使う水道であり、いかに,住民に説明して理解を得るか,そのため調査研究がはじまったばかりの段階といえそうです。

実現すれば全国初(実際は沖縄の具志川村に次ぐ)となるだけに,関係者の注目が集まっています。

以上

2001年6月7日,前日取材された,利賀村の取り組み・富山むし歯予防フッ素推進市民ネットワークのことがニュースで放送されました。

前日(6日)は,井波町の南山見保育所と山野保育所の歯科健診が入っていたので、その様子も取材したいということで,山野保育所に10時にBBT(富山テレビ)のスタッフと落ち会いました。

担当は、いつもTVでおなじみの小山憲一記者(肩書きは、C&S局 報道グループ 副参事)でした。こちらのHPも検索してこられ,予備知識を持って取材され,大変やりやすかったです。さすが,その辺は,ベテランという趣がありました。

フッ素洗口の取材もしたいということになり,急遽,保母さん(訂正:保育士さん)たちに、ミラノールを溶かして洗口液を作ってもらい,年長児にうがいをしてもらいました。

その後、我が診療所に移動して、フッ素の話,水道水フッ素濃度適正化の話,富山むし歯予防フッ素推進市民ネットワーク発会式の話、利賀村の話、韓国の視察の話などを取材されました。

小山記者と,カメラマン2名の取材情熱は,立派でした。子供達が行ったフッ素洗口を,当院で実際に体験して見られました。簡単にできるし,味も悪くないし,これならこどもたちも続けられるねという,感想を漏らしていられました。

その後,利賀村の取材となりました。

すごく,短い放送時間(約3分)の間にすごくきちんとまとめてあり,わかリやすいニュース報道でした。当日は,サッカーコンフェデレーション杯準決勝の試合が組みこまれており,いつもより2時間放送が早く,4時からの時間帯でした。

それでも,何人かから,見たよと,メールや電話があり,大変嬉しく思いました。

県民への啓発,フッ素の正しい情報の提供という観点からは,まだスタートしたばかりで,評価らしいものまで得られませんが,この報道を契機にますます頑張って行きたいと思います。

今回の取材には、BBT(富山テレビ放送)小山憲一記者の熱意がありました。この場をお借りし、感謝申し上げます。