DENTAL TODAY 2002年(平成14年)12月1日号 6ページ
 
「むし歯予防全国大会が開催」 フッ化物応用の事例など報告

 10月に特定非営利活動(NPO)法人の認証を受けた、日本むし歯予防フッ素推進会議が主催する第26回むし歯予防全国大会が11月17日、東歯大血脇記念ホールで開催された。テーマは「フッ化物応用とヘルスプロモーション」。むし歯予防への効果的な方法として、フッ化物の応用が評価・期待されているが、大会では基調講演のほか事例報告も行われた。

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 「フッ化物を利用したむし歯予防の取り組み」伊原よし江氏(群馬県・下仁田保健センター)、「市民はお客様」山根哲朗氏(島根県美都町議会議員)、「すべての人が健康で豊かな生活を楽しむために」高嶺明彦氏(沖縄県歯科医師会専務理事)からの事例報告があった。伊原氏は下仁田町では昭和63年からフッ化物を利用した「3歳児のむし歯半減運動」を開始し、フッ素洗口、フロリデーションへの理解・啓発活動など経緯を説明したが、「誰もが一生自分の歯で食べるためには、公衆衛生としてのむし歯予防対策が必要です。今後は専門家による正しい情報提供を得て、住民と共に学習を重ね、住民と共に必要な施設づくりを考えて生きたいと思います」と述べた。
 続いて山根、高嶺の両氏はそれぞれ「物事を動かすにも住民と行政にそれぞれ役割があります。住民は常に行政に対して要望と期待を抱いています。行政は住民のニーズに応える必要があります。1つの政策については様々な議論がありますが、そこで認識しなくてはいけないのは、主役は住民ということです。」「久米島でのむし歯予防としての水道水フロリデーションの実現を目指してきました。このフロリデーションは歯科の話のようですが、実は健康のための話です。沖縄県歯科医師会では、すべての年代の人々に大きな恩恵をもたらすフロリデーションの実現に向けて、組織の総力をあげて取り組んでいくものです。」と述べた。
【関係団体からも新たな活動に大きな期待】
 日本むし歯予防フッ素推進会議は、2001年11月の総会で、特定非営利活動(NPO)法人への移行を決議していたが、その後の拡大常任理事会、理事会を経て、内閣府の認証を受け10月31日、登録して正式にNPO法人日本むし歯予防フッ素推進会議(代表者・篠原常夫)となった。