新刊本のご紹介

「フロリデーション・ファクツ2005 −正しい科学に基づく水道水フッ化物濃度調整−」

NPO法人日本むし歯予防フッ素推進会議 訳

申込先 財団法人 口腔保健協会  TEL 03-3947-8301 FAX 03-3947-8073

A4判 98頁 定価1260円(税込み)

フロリデーションファクツ2005(最新版)について;
フロリデーションファクツ2005(最新版)は7月13-16日に行われた水道水フロリデーション60周年記念祝賀に併せて出版されました。14,15両日のシンポジウムの際に参加者に配布されました。
この2005年版は類稀なる有能な研究者、高名な歯科疫学者でしかも精力的なフロリデーションの唱道者であるDr.Herschel Horowitzハーシェルホロビッツ先生(2003年8月に逝去)に献呈する改訂版となります。
みなさま御存知のように、ハーシェルホロビッツ先生は2度のむし歯予防全国大会の講師として来日していただき(第21回長崎大会と第24回東京大会)、フロリデーションとフッ化物に関する貴重な講演と解説をしていただきました。
 改訂版では、20世紀の十大公衆衛生業績(CDC)としてのフロリデーションに言及し、フロリデーションに至る歴史を詳細に記述し、ヘルシーピープル2010のフロリデーション目標値(給水人口の75%)達成に向けて歩んで行くために充実した内容になっています。前版の1999年ファクツに比べて質問も19項目追加されています。これに使われた文献数は358に及んでいます。これらすべての文献は一般に容認され、きちんとした査読制度のある科学的に検証されたものです。
 なお、2005年版はWF60周年記念参加の学生を中心に翻訳されました。

地域水道水フロリデーションの60周年記念日を祝うアメリカ歯科医師会声明

60年前に、ミシガン州グランドラピッズGrand Rapidsは世界で初めて給水中のフッ化物濃度を調整しました。 それ以降、フロリデーションは何千万ものアメリカ人の口腔保健を劇的に改善しています。地域水道水フロリデーションは齲蝕予防のための単一の最も効果的な公衆衛生手段です。 さらに、米国防疫センター(CDC)は20世紀の10大公衆衛生業績の1つに地域水道水フロリデーションをあげました。
 地域水道水フロリデーションは齲蝕予防のために単に飲料水中に自然に存在するフッ化物を米国公衆衛生局が推奨する0.7?1.2ppmの至適濃度に正確に調整する方法です。 2002年からのデータによれば、合衆国のおよそ1億7000万人 (給水人口の2/3以上)がフロリデーションされた公共の給水系を活用しています。
 これまでの60年に及ぶ研究によって地域水道水フロリデーションは小児と成人双方の齲蝕予防方法として、安全かつ有効であることが一貫して示されてきました。 この方法は最もありふれた小児期の病気である齲蝕 (5?17歳児の喘息の5倍、花粉症の7倍の罹患である)の予防として最も効率的な方法です。
 グランドラピッズで行われたような初期の研究では、地域水道水フロリデーションにより乳歯齲蝕量が最大60%減少して、また、永久的齲蝕をおよそ35%減少したことが示されています。 '近年'の研究では、地域水道水フロリデーションはフッ化物配合歯磨剤のような別のフッ化物の広範な利用の時代となっても齲蝕減少率は20?40%と有効性を保っています。
 地域水道水フロリデーションの平均経費は、大都市の年間一人当りおよそ0.50ドルから小さい自治体と地域のおよそ3.00ドルに及ぶと見積もられています。 たいていの都市では、地域水道水フロリデーションに投資された1ドルが歯科治療費の38ドルを節約することになります。
 ADAは齲蝕予防に安全で有効な地域水道水フロリデーションを引き続き支持します。1950年に初めてADAのフロリデーション支持方針が採られて以来、ADAの立場に変わりはありません。地域水道水フロリデーションに関するADAの方針は厳正に見直されて、確かな科学的な証拠の膨大な量に基づいています。 ADAは州と地方歯科医師会と共に、水道水フロリデーションの利益を得る地域の数を増加させるために連邦、州、地方政府機関および地域共同体と作業を続けて行きます。