挨 拶

第24回むし歯予防全国大会

会 長  堀 井 欣 一

多くの団体からのご後援を頂き、日本むし歯予防フッ素推進会議主催の「第24回むし歯予防全国大会」を開催する事になりました。

非常に残念な事は、「日F会議 −事務局だより−」2000‐No.2でお知らせしましたように、今回の全国大会事務局で大会素案立案者の山下文夫先生が去る7月18日急逝されました。先生は日Fにおいての「水道水フッ化物添加」に向けてのフッ化物応用の推進のみならず、地域でのボランティア活動、外国からの留学生の支援活動など幅広い社会活動を行っておられました。志半ばでこの世を去られた先生にとっては心残りだったことと思います。心からご冥福をお祈り申し上げます。

山下先生の後を引き継いだ大会実行委員長・田浦勝彦理事は、山下素案に基づいてこの大会を企画し、11月5日開催の運びとなりました。

大会では午前、米国および世界における水道水フッ化物添加の現状のお話があり、午後のシンポジウムで、韓国と中国および日本の状況についての報告、討論が行われます。以上のように今回の大会の特徴は国内外の事情を皆さんにご理解いただくために、外国からたくさんの講師をお呼びした事です。

昨年実施された「歯科疾患実態調査」の結果が去る6月に発表されましたが、それによりますと、我が国のむし歯罹患状態はかなり改善され、前回の平成5年の調査と比較しますと、3歳児の乳歯う蝕有病率59.74%が36.36%に低下、12歳児の永久歯う蝕有病率は83.92%が70.31%となり、一人当たりの平均むし歯本数(DMFT)も3.64が2.44と、WHOの2000年までの目標の1つ、“12歳児う蝕は3本以下”を達成しておりました。しかし先進国ではこの値が2本以下の国も多くあり、また、我が国でも適切なフッ化物利用により1本以下にする事も可能であるとの研究があります。

日本でもようやく、水道水フッ化物添加の機運がでてまいりました。先進国並みに我が国の歯科保健向上を推進するために、本大会を1つの大きな契機として、今後とも皆様の絶大なご協力、ご支援をお願い致します。