IndepenDentNet の最近のニュースより引用

2006年を目途に、サンディエゴの水道水へフッ化物を添加
2003年02月21日/アメリカ・サンディエゴ

 南カリフォルニア都市圏水供給公社(MWD)は2月11日、2006年を目途としたサンディエゴの水道水へのフッ化物添加計画を承認する見通しだ。
 ロサンゼルスに本部とする水道水卸売委員会で10日、フッ化物添加法計画の推進に対し7対6で投票が行われた。
 サンディエゴのユニオン・トリビューン紙は、有効な投票であるためには、37人以上のメンバーが参加している会議を経て投票が行われるべきであると報じた。
 南カリフォルニア州の6つの都市にある26の機関が属するMWDは、サンディエゴの水道水の内およそ90パーセントを供給している。
 サンディエゴの飲料水にフッ化物を添加することは、長きに渡り論争の的とされている。1954年、サンディエゴの有権者達は、水道水へのフッ化物添加を禁止する法案を可決した。1968年には、添加の承認法案が、投票によって破棄された。
 現在、サンディエゴの23の水区のうちフッ化物を添加しているところはないが、ユニオン・トリビューン紙によると、エスコンディド市及び東部のヘリックス水区では添加を視野に入れているという。
 1995年の州法は、市の水区に対し、フッ化物添加の費用の支払いが外部予算として受理される場合は添加に向けて前向きに対応するように、と命じている。
 ユニオントリビューン紙によれば、カリフォルニア歯科医師会のように助成金が支給された場合でさえ、全米での約60パーセントという数字に比べ、州全体の水道水の内32パーセントしかフッ化物添加されていない。
 MWDの支援により、この数字は倍に伸びるであろうことが期待される。
 サンディエゴ・フッ化物添加法委員会のエレノア・ナドラー氏は、ユニオン・トリビューン紙の取材に対し「地域での反対は減少しています。多くの公的支援のおかげでしょう」と述べた。
 フッ化物添加に対し賛成である人々は、科学的な研究結果から、フッ化物添加は歯を強くすることで虫歯を予防し、歯科疾患を15パーセントから30パーセントも減少させていると言う。小児に限定すれば、フッ化物添加は歯科疾患を約60パーセントも減少させることができるのだそうだ。
 対して懐疑的な人々は、フッ化物添加はただ虫歯の進行を遅らせているだけに過ぎないと主張する。彼らはまた、フッ化物に関する研究において、フッ化物は子どもの永久歯の成長を妨げ、生涯に渡って使い続けると骨格に影響を及ぼすことが示されていると指摘する。
 MWDは、フッ化物添加のための設備を区域内の5つの浄水場に完備するには500万ドルもの費用が必要であり、各家庭のためにはさらに200万ドルが必要だと概算した。費用の内大部分は、フッ化物添加法を支援するグループからの助成金によって相殺される見通しだ。

甘党=虫歯は無し
2002年12月09日/オーストラリア

 何十年にもわたって、砂糖は明らかなう蝕誘発源だと指摘され続けてきた。しかし、英国にあるリーズ・チャイルド・デンタルヘルス・インスティチュートのモンティ・ダガール教授に言わせれば、う蝕は摂取する物や摂取頻度よりは、口腔清掃に大きく依存すると話す。
 オーストラリア食品・食料雑貨評議会主催の“砂糖に関する集い”をもとにヘルス・プロフェッショナル社から出版された「食事とそれにまつわる話」の中では、果物や果実飲料も精糖と変わらない強いう蝕誘発源になりうることに触れたダカール教授。
 ダガール教授の話。「蔗糖の摂取とう蝕発現の強い因果関係を示すときにいつも引き合いに出される論文は、ビッペホルムらの研究をはじめとするたくさんの報告ですが、全てフッ素入り歯磨き粉が市場に出回る以前になされた研究なんです。1970年代、盛んに行われたそういった報告の後、フッ素の応用が始まってから出された様々な規模で実施された報告では、砂糖の消費量とう蝕発現率には関係がないんです。」
「ここ30年間に普及したフッ素入り歯磨き粉の使用こそが、う蝕発現率低下に最も貢献したものであることに疑う余地はありません。それは蔗糖摂取とう蝕発現の関係を断ち切るものとなりました。この事実は、巷でもたいていの人は受け入れています。」
「口の健康に神経質になって特定の食べ物を食べるのをやめようなんて考える子供はあまりいないでしょう。でも、今まで栄養学的に見ても問題があり、歯にも悪いとされてきた食べものが良しとされ、それが食の楽しみにつながるならば、もちろん口の健康管理、つまり口腔清掃に努めるのが前提ですが、私は何よりだと考えます。」
 英国で行われた調査によれば、う蝕罹患傾向の高い子供の存在は明らかなようだ。英国およびウェールズで調査した全う蝕数の75%は、全体の25%の人に集中して発症していたという。そのようなう蝕罹患傾向の高い人は、社会経済的地位が低いグループで、特に移民が多かったという。
 また、う蝕発現傾向の高い特別なリスクグループもあった。それは哺乳瓶う蝕を発症している乳幼児。砂糖入り飲料が入った哺乳瓶を持たせて寝付かせることでう蝕が発症するからだ。

飲料水のフッ素情報を閲覧できます
2002年11月6日/アメリカ

 米国疾病予防管理センター(CDC)は10月末、新たなウェブサイトを立ち上げた。米国内各地域における上水道中のフッ素含有量やフッ素化に関する情報を盛り込んで、市民や歯科医師からのアクセスを普及させようとしたもの。
この新たなウェッブサイトのなかで、「私の飲んでいる水のフッ素は?」や「口腔健康マップ」のページでは、実際にどのくらいの人がフッ素の摂取をしているのか、至適フッ素濃度はどの程度に調整しているのか、水源、上水道のフッ素化で何か特別なシステムを用いているかに関して誰でも閲覧することができる。
 州レベルや、フッ素管理行政監督レベルでの厳重なデータベースから、当初は19の州で上水道の情報提供が許された。得られた元データは州歯科医療監督者協会の下で整理され、見やすいサイトとして提供され、維持されている。
 「『う蝕症に対する予防と疾病管理の目的で実施するフッ素の応用に関する米国の状況』に関する2001年CDC勧告の中で、CDCは市民に対しての更なる情報提供を呼びかけていた。」と話すウイリアム・マース医師。彼はCDC口腔健康プログラムの総責任者だ。
 「この新たなウェブサイトの立ち上げにより、フッ素に関する情報を簡単に閲覧することができます。医療の受給者側にとっても提供者側にとっても、実際に飲用している上水道水中のフッ素濃度が明らかになるということは、う蝕予防の目的でフッ素の追加投与を行う必要性があるかどうかをはっきりできるといった観点から大きな助けになるものです。」と話した。