NPO法人日本むし歯予防フッ素推進会議 会長挨拶
    

  境 脩 会長(福岡歯科大学名誉教授)

この度、篠原常夫前会長の後を受け、会長をお引き受け致すことになりました。篠原前会長は、昭和526月、新潟での第1回全国大会以来、実に27年間にわたり、会長をはじめ会務の労をとられました。ここに全会員を代表して先生のご功績に対し深甚の謝意を表す次第であります。

この間、当会は、幾多の隘路に遭遇しながらも、わが国での公衆衛生学的なフッ化物応用、フッ化物洗口を大いに進展させてきました。こうした状況に呼応して、今年、厚生労働省は「フッ化物洗口ガイドライン」を発刊、平成15年1月14日、厚生労働省医政局長、健康局長連名通知として、各都道府県知事に送達されています。この間、水道水フッ化物濃度適正化についても、平成12年厚生省は、「議会の決議など住民合意を条件に技術支援などを行う」と発表、同年、日本歯科医師会は「水道水フッ化物濃度適正化は公衆衛生的に優れた方法」と表明するに至っているのです。

 しかし現実をみると、わが国での公衆衛生的なフッ化物応用、とくにフッ化物洗口の普及は全国平均では、未だ対象学童の一部であり、水道水フッ化物濃度適正化の実施地区は存在しません。しかし、フッ化物の公衆衛生的応用は、どの観点からみてもその優れた公衆衛生特性ゆえに、その期待値はきわめて大きく、いかなる健康施策との比較においても、まさに圧倒的であることを強調しなければなりません。住民の健康福祉獲得のため、誠意努力中の地域は多く、今後の進展が誠に楽しみであります。

会員の皆様の今後の大いなる研鑚とご支援とを期待し、ご挨拶とさせていただきます。(NPO法人「日F通信」通算6号より)