一寸いい話

井波庄川ロータリークラブ卓話から
 平成21年6月3日(水)例会   ゲスト:金子良成氏(金城寺住職)「心が風邪を引く前に」

金子良成氏(八乙女山 金城寺住職) 

金子良成氏:こんにちは。本日は「心が風邪を引く前に」というテーマで話をさせていただきます。ここになぜ鐘があるのかは知りませんが、鐘の音を聞くと、心が和みます。風邪といえば、最近新型インフルエンザで関西が大騒ぎでした。本日は、河合映浩さんもお見えですが、保護司会の世話をされておられます。保護司の皆さんは、心が風邪を引いてしまうと、治らないという事をよくご存知です。
 私は、20年前より、「寺子屋親子自然教室」を開いています。「ギフチョウを捕まえに行こう」という教室では、春の妖精といわれる、アゲハチョウの一種の珍しいギフチョウを親子で捕まえに行く企画です。よく生き物を捕まえて、という人がいますが、子供達が捕まえたぐらいでは減りません。行政が開発をすることで生き物は減っていきます。 613日には、「高瀬遺跡にホタルを見に行こう」と計画しています。本物を見ない人が増えているので、自然に触れて目を養わせるため、実際にホタルを捕まえてもらいます。例えば、ホタルの匂いを嗅いで、印象を聞きます。ある子は、薬臭い、また、便所の匂い、不思議な匂いだといろいろ言います。
 知識は時間がたつと忘れてしまいますが、五感が加わる事で、「智恵」となり忘れません。痛い目にあったほうが忘れないのはそういうことです。
 私のお寺は、変わった寺です。ロータリークラブは奉仕活動をしておられますが、仏の世界では、布施行・菩薩行です。なくなった方の遺族から「永代詞堂経」として頂いたお金を、これからの子供のために使わせていただいています。「寺子屋親子自然教室」は20名の定員で始めましたが、今では97名の登録があります。子供達に体験させてやりたいが、親が経験したことがないというので、是非この教室で教えてほしいという声が多く、断れません。
 子供達は「これなあに?」と聞きますが、これはただ名前を聞いているのではありません。綺麗だね、すごいねなどの感想を言ってもらい、一緒に感動をしてほしいのです。ある子は、毎日道端でタンポポを摘んで帰ります。なぜ、続くかというと、その家ではおばあちゃんが、ありがとうといって一輪挿しに花を活けてくれるからです。
 本日、2枚のプリントを持ってきました。1枚目は、「心の庭に花を咲かせる」と題して、「つもり違いの人生の智慧」です。かいてあるとおりだと思います。2枚目は、「なでぼとけさんの心の薬」と題して、いくつか詩が載せてあります。そのうち「いろはにほへと…」は高野山真言宗の宗歌です。高野山の開祖、空海上人が作られたと
いわれています。

 私は、5月連休に本山高野山に法話に参ります。そこには、若い人、特に女性も多く来られます。なぜ、高野山に参るのか、質問をしました。その答えは、@寺に泊まってみたい:宿坊ブーム、Aゴマ豆腐を食べたい:高野豆腐・懐石料理などの和食ブーム、B座禅をしたい:正座体験から、座禅まで経験できるコースがありますので、体験したいというものです。
 あいだみつをという書家がいますが、まだ書が売れていない頃、人生がいやになって悩んでいて、いつも散歩している道でふと鐘の音が聞こえてきました。その音につられてあるお寺に入って、気がつくと本堂の中でした。住職らしき人に、ちょうどお経が終わったので、一寸お話されていかれませんかと言われ、そのまま、待っていました。ところがいつまで経っても住職が現れず、もう帰ろうと思ったときに、「もう、仏様と十分お話しされましたか?」と言われ、はっと気付きました。お話をするのは、住職と思っていたのは、勘違いで仏様が相手だったのでした。
 心の病をする前に、本物の出会いになれば、と日々考えております。本日はこういう機会を頂いて、感謝しております。
「南無大師遍照金剛」  (山本記)

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