富岡甘楽歯科医師会よりNHKへ再度の要望

富甘歯医発第13−59号

平成13年6月25日

日本放送協会

解説委員長 五十嵐公利 様

社団法人富岡甘楽歯科医師会

会長 市川智旦

 

 

水道水フッ素化についての報道に対する要望

 

拝復 当歯科医師会から、平成13年6月11日付で、貴職宛に郵送しました「ラジオ夕刊の放送内容についての抗議と質問」に対し、さっそくご回答いただき感謝申し上げます。

6月14日付の貴職からの回答文書でもご承認いただきましたように、世界保健機関、国際歯科連盟〔FDI〕、日本歯科医師会、日本歯科医学会など、多くの専門機関が、水道水フッ素化について、有効性、安全性、至便性、経済性等について優れた方法であることを認め推奨しています。その事実が、今回のラジオ夕刊の放送内容に、全く反映されなかったことが最大の問題なのです。

今回のラジオ夕刊を担当した南解説委員は、水道水フッ素化を取り上げる基本的な姿勢に間違いがありました。賛否両論という視点ではなく、「WHOなどの専門機関が一致して推奨する水道水フッ素化が、なぜ日本では実現できないか」という視点で、その現状を分析し、将来への取り組みを検討すべきでした。

現在は、巷にいろいろな情報があふれています。その中には、根拠のある有益な情報から、全く虚偽の情報まで、様々なレベルの内容が含まれています。その中から、有益な情報を吟味し、視聴者に提供することが「NHK解説委員」の使命だと考えます。

南解説委員は、今回のラジオ夕刊の放送を聞いた人たちが、フッ素の局所応用にさえ不安を感じたという事実を認識しなければなりません。興味本位に住民の不安を煽る報道姿勢が、日本のフッ素利用を大幅に遅らせてきたことを認識してほしいのです。

NHKの公共性を考えれば、視聴者への影響も大きく、社会に対する責任も重大です。南解説委員のような無責任な報道姿勢は、NHK全体に対する信頼性を失墜させることにもなりかねません。NHKに求められているのは、公共性を装いなから、独断と偏見を視聴者に押し付けることではありません。公共放送にふさわしい客観性を持った情報の提供に努めていただきたいと思います。今回、ラジオ夕刊で科学的根拠のない感情的な情報を、専門機関の見解と同列に扱い放送したことに対し、再度厳重に抗議するとともに、今後の改善を強く要望いたします。

敬具

 

【連絡先】

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