韓国におけるフッ化物応用をはじめとした先駆的口腔保健事業について 釜山大学校歯科大学 予防歯科学教室 金鎭範 1.韓國の人口
: 4,700万8千人(2000) 都市化率 : 79.7%(2000)
65歲以上人口 : 7.3% 2.健康保険人口:96.3%(2000) 健康介護人口
: 3.7%(2000) 3.2000年疾患別健康保険給与費
4.慢性疾患有病率
5.2000年老人におげる残存歯数
6.12歳子供の1人平均むし歯数(DMF歯数)の年次推移
7.韓国の2000年口腔保健現況と2010年まての口腔保健政策目標
8.各国の1人当たり砂糖消費量と12歳の1人平均むし歯数(DMF歯数)
2. The Czarnicow Sugar
Revirw, May, 1992. and WHO data (DMF歯数) 9.保健福祉部 組織
10.保健福祉部の口腔保健課の主要業務 (1) 口腔保健事業に関する綜合計画の策定と調整 (2) 水道水フッ素濃度調整事業の計画と策定と施行 (3) 地域社会の口腔保健事業の調整と評価 (4) 口腔保健に関する教育,広報計画の策定と施行 (5) 口腔保健に関する調査・研究 (6) 歯科医療機関と歯科医療用具関係団体の支援・育成 (7) 口腔保健関係従事者の需給,関係従事者・医療機関に対する医療監視と行政処分 11. 韓国総口腔保健関係マンパワー(2002) (1) 全国総歯科医師免許者数 : 19,589人, 歯科医師1人当だり人口
: 2,400人 歯科大学数 : 11学校 (国立:
6. 私立:
5), 毎年 歯科大学新入生総数 : 760人 (2) 全国総歯科衛生士 免許者数 : 22,371人 (3) 全国総歯科技工士 免許者数 : 17,002人 12. 保健所等に勤務する口腔保健マンパワー
(2002年) (1) 全国総保健所数 : 242か所, 郡部 : 91か所, 市部: 151か所 (2) 全国総保健所歯科医師数: 920人 * 公務員歯科医師: 46人, 公衆保健歯科医師 : 874人(1979年から) (3) 全国総保健所歯科衛生士数 : 1,133人 13. 国家口腔保健事業 (1) 水道水フッ素濃度調整, (2) フッ素洗口, (3) 小窩裂溝填塞(シーラント) (4) 老人義歯補綴, (5) 学校・障害者介護施設歯科診療 14. 水道水フッ素濃度調整事業 Adjusted
water fluoridation 1981年開始 実施浄水場数: 37か所,
地域数: 31地域 対象人口 : 4,854,000人(総人口の10.3%) 永久齒う蝕予防効果 : 対象群に比べて30-40%,対照群も大部分フッ化物入り歯磨劑を使用 * フッ化物入り歯磨劑の使用者率(2000年)
: 97.4% 15. フッ素洗口 Fluoride
mouth-rinsing 国の政策 : 1983年開始, 大韓口腔保健協会(民間団体) : 1976年からmodel事業を実施 フッ化物費用 : 政府が負担 対象小学校数 : 4,456か所, 対象児童数:2,263,000人(総小学校児童の56.3%) 方法:
1) 毎日0.05%フッカナトリウム溶液 2) 週1回0.2%フッカナトリウム溶液 永久歯う蝕予防効果 : 対照群に比べて20-30% 16. 釜山市のフッ素洗口事業(毎週1回のうがい) 1995年開始 1999年,全小学校(259学校)に拡大 2000年,5年間フッ素洗口の評価 永久歯う蝕予防効果:20.0%, 対照群も大部分フッ化物入り歯磨劑を使用 17. 小窩裂溝填塞 Sealant 保健福祉部の政策事業として2002年から開始. 一部の地方自治体では以前から実施.慶南 陜川郡では1996年から開始. 費用:政府が負担 担当:保健所と保健支所の歯科医師と歯科衛生士 対象小学校児童数:269,650人 * 村では小学校1年生/2年生の全生徒,都市では経済的に貧しい小学校1年生/2年生が対象 * 対象歯牙:第1大臼歯 総1,078,600本 18. 老人義歯補綴(2002年開始) 費用:政府が負担, 担当:民間歯科医院 対象人口:65歳以上 生活介護対象者 4,760人 19. 学校・障害者介護施設歯科診療 (1) 小学校で口腔保健室を設置して歯科診療を実施
1999年開始,保健所の歯科医師と歯科衛生士が出張して診療 対象
小学校
: 98校,
主な仕事
: 予防処置(シーラント,フッ化物塗布等),教育 (2) 障害者介護施設に口腔保健室を設置して歯科診療を実施
2001年開始,保健所の歯科医師と歯科衛生士又は民間ボランティア歯科医師が出張して診療 対象介護施設数 : 24か所,主な内容 : 予防処置,治療 l 保健所に口腔保健室を設置 : 2000年開始,歯科診療室は別に85か所に設置 20. 国民健康増進法:1995.
1. 5. 法律 第4914号
: 国会で議決 第18条(口腔健康事業) @国家と地方自治体は国民の口腔疾患の予防と口腔健康の増進の為に次の各号の事業を行なう. 1. 口腔健康に関する教育事業, 2. 水道水に対するフッ素濃度調整事業 3. 口腔健康に關する調査・研究事業, 4.
その他 口腔健康増進の為に大統領令が定める事業 21. 国民健康増進法施行令:1995. 9. 1. 大統領令第14757号 第23条(口腔健康事業) 法第18条第1項第4号の規定に依って “その他口腔健康増進の為に行なう事業”とは次の各号の事業をいう。 1. むし歯予防の為の小窩裂溝填塞事業(Sealant), 2.
フッ素洗口事業 3. 口腔健康の増進の為に保健福祉部令が定める事業 22. 国民健康増進法施行規則:1995.
9. 11. 保健福祉部令 第11号 第18条(口腔健康事業の内容等)
@市·道知事また市長·郡守·区庁長は法第18条の規定に依って口腔健康実態を調査して地域住民の口腔健康増進の為の事業を施行しなければならない. A市·道知事または市長·郡守·区庁長が水道水に対するフッ素化事業を施行する時,予め保健 福祉部長官と協議しなければならない. B水道水に対するフッ素化事業·フッ素洗口事業等口腔健康事業の管理基準と運営方法は保健福祉部長官が定める. 23. 口腔保健法:水道水フッ素化及びフッ素洗口規程 (1) 提出者 黄圭宣
(Hwang, Kyu-Son) ハンナラ党(野党) - 意味 「ハン」韓 (ひとつ,
大きい)
「ナラ」国 1960年 ソウル大学歯学部卒業 (2) 国会議案提案:1997年, 採択:1999年
12月
3日
施行 : 2000年 9月
1日 口腔保健法の項目 第1章 総則,第2章 口腔保健事業計画策定,第3章 水道水フッ化事業,第4章 学校口腔保健事業,第5章 事業所口腔保健事業等,第6章 補則 (附則:2000年9月1日施行) 24. 口腔保健法でフッ化物の利用に関する主要条項 (抜粋) (第1章 総則) 第1条(目的) この法は国民の口腔保健に関して必要な事項を定めて,国民の口腔の健康を増進することを目的とする. 第2条(定義) この法で使用する用語の定義は次のとおりとする. 1.「口腔保健事業」とは,口腔疾患の予防,診断,口腔健康に関する教育,管理などを行い,口腔の健康を維持し,増進させる事業をいう. 2. 「水道水フッ素化事業」とは,う蝕の発生を予防する為に,上水道浄水場,水道水貯蔵所でフッ化物添加施設を利用して水道水にフッ化物製剤を添加し,管理する事業,または、これに関する事業をいう. 3. 「口腔保健製品」とは,口腔疾患の予防などを目的に製造した製品として保健福祉部長官が定めるものである. (第2章 口腔保健事業計画策定等
) 第5条(口腔保健事業計画の策定) @保健福祉部長官は口腔保健事業基本計画を策定し,特別市長·広域市長·道知事(以下,『市,道知事』という.)と市長,郡守,区庁長(自治区の口庁長に限る.以下同じ)は口腔保健事業基本計画によって各々細部計画と施行計画を策定しなければならない.この場合,第6条第3号の規定による学校口腔保健事業に関して当該教育監または教育長と予め協議しなければならない. 第6条(口腔保健事業基本計画の内容) 第5条の規定による口腔保健事業基本計画では次の各号の事業が含まれなければならない. 1. 口腔保健に関する調査・研究および教育事業, 2.
水道水フッ素化事業
2.学校口腔保健事業, 4.
事業所口腔保健事業, 5. 老人・障害者口腔保健事業 6. 妊産婦・乳幼児口腔保健事業, 7. その他 大統領令が定める事業 (第3章 水道水フッ素化事業) 第10条(水道水フッ化事業の計画と施行) @水道水フッ素化事業を施行しようとする市,道知事,市長,郡守,区庁長及び韓国水資源公社社 長は次の事項が含まれる事業計画を策定しなければならない. 1. 浄水施設と給水人口現況, 2. 事業担当マンパワ-と予算 3. 使用を予定しているフッ化物製剤とフッ化物添加施設, 4. 維持すべき水道水フッ素濃度 5. その他 保健福祉部令が定める事項 A水道水フッ素化事業を施行しようとする市,道知事,市長,郡守,区庁長または勧告水資源公社社長は公聴会,世論調査等によって関係地域住民の意見を積極的にまとめ,その結果によって水道水フッ化事業の施行の可否を決定しなければならない. B保健福祉部長官は第1項の規定よる事業計画の策定,施行に必要な技術的,財政的支援を行うことができる. 第11条(水道水フッ素化事業の管理) @水道水フッ素化事業を施行する市,道知事,市長,郡守,区庁長と韓国水資源公社社長(以下"事業管理者"という)は次の各号の事項を管掌する. 1. フッ化物添加施設の設置と運営, 2. フッ素濃度維持の為の指導・監督 3. フッ化物添加マンパワ-の安全管理,
4. フッ化物製剤の保管と管理に関する指導・監督 (第4章 学校口腔保健事業) 第12条(学校口腔保健事業)
@小中等学校法第2条の規定による学校(以下『学校』という)の長は次の各号の事業を実施しなければならない. 1. 口腔保健教育, 2. 口腔健康診断, 3. 集団を対象とした歯磨き指導, 4.
フッ化物洗口 5. 継続的口腔健康管理, 6. その他 学生の口腔健康増進に必要であると認定される事項 A学校の長は学校口腔保健事業の円滑な推進の為に当該学校が位置する地域を管轄する保健所に必要なマンパワーと技術協力を要請することができる. 附則 この法は2000年9月1日から施行する. 25. 韓国の水道水フッ素濃度調整事業開始の経緯 *
1977年12月30日,保健福祉部 申鉉碻(Shin,
Hyun-Hwak)長官がソウル大学歯学部附属病院を訪 問して補綴治療を受けながら質問した. *
長官が補綴科教授に質問:「むし歯の予防で一番いい方法は何ですか?」 金光男教授:水道水フッ素濃度調整を勧告 26. 長官は自分の執務室に戻って即時に,当時の医政局長に命令した. 「今から水道水にフッ化物を添加しましょう.」 翌日,医政局の医政三課長がソウル大学歯学部予防歯科学教室の金鐘培(Kim,
Johng-Bai) 教 授を訪問して相談を始めた. 27. 1978年,口腔保健事業協議会を組織 水道水フッ素濃度調整の準備のために,保健福祉部内で口腔保健事業協議会を組織した. 議長は保健福祉部の医政局長,委員は保健福祉部の医政三課長, 国立保健院の口腔保健学担当官(歯科医師),建設部の上水道課長,大学歯学部の予防歯科学專攻の教授2人,工学部の教授1人,地方自治体の保健と上水道担当の公務員等10人であった. 28. 口腔保健事業協議会の決定事項 フッ素濃度調整対象地域,
水道水の至適フッ素濃度,
フッ化物の種類,
フッ化物を添加する裝置の種類 29. 最初の水道水フッ素濃度調整 1981年,韓国南部の鎮海市:人口12万人(2002年14万人), 1982年,韓国中部の清州市:人口35万人(2002年60万人) * 水道水の至適フッ素濃度:0.8ppm, * アメリカから輸入したフッ素濃度調整機でフッ化ナトリウム(フッ化ソ-ダ,NaF)を添加 30. WHO諮問官の指導と技官の訓練 * 1983年,New
ZealandのCavanagh氏がWHO諮問官で訪問して技術指導した. * 1983年,清州市浄水場の技官をSingaporeとMalaysiaに派遣して訓練を受けさせた. 31. 1985-1987年,保健福祉部の依頼で水道水フッ素濃度調整のう蝕予防効果を評価 * WHO支援でHongkong,
Singapore, Malaysia, Guamで研修 32. 1989-1993年,若い歯科医師達:「健康社会の為の歯科医師会
(Dentists' Association for Healthy Society)」を設立 * 水道水フッ素濃度調整のう蝕予防効果に対して市民を説得し,保健福祉部に強く建議した. * 大韓歯科医師協会も保健福祉部に勧告した. 33. 水道水フッ素濃度調整のキャンペーン (1) 討論会の主催 (2)新聞への寄稿とTVインタビュー
(3) プラカ-ド掲示 (4) 街頭宣伝 34. 全国に拡大 * 1994年11月,ソウルに隣接する京畿道の果川市で水道水フッ素濃度調整が開始された. * 1995年,1都市(浦港市),1996年
2地域(寧越郡,南陽州市) 35. 1997年,2都市(天安市,牙山市)と2郡では韓国水資源公社によって水道水にフッ化物を添加 するようになった *
1997年11月29日,保健福祉部で口腔保健課を新設,フッ素濃度調整の全国的な拡大が加速 1998年,5都市
(その中で大田市:1998年1月から1999年3月まで実施,以降は中断) 1999年,10地域に拡大
2000年,2地域追加 2001年,2地域追加 * 総31地域,受益人口: 4,854,000名 (韓国総人口の10.3%) 36. 水道水フッ素濃度調整事業現況(2002年
9月)
37. 外国技官の招待と研修 1997年,1999年,米国CDC首席技官 Reeves氏を2回招待し,フッ素濃度を調整する浄水場を訪問して指導した. 1996-97年,韓国の浄水場の技官と保健所の担当者:米国で2回研修 1998年から毎年1回,韓国の国立保健院(公衆衛生院)訓練部で韓国の浄水場の技官と保健所の担当者に対して“水道水フッ素濃度調整事業研修課程”を新設,運営 2001-2002年,市民団体(NGO)代表:米国で2回研修,費用:大韓歯科医師協会が負担 38. 1998年から毎年1回,“水道水フッ素濃度調整に関するworkshop” を開催(2日間の討論会) * 水道水フッ素濃度調整事業技術諮問団を組織:歯学部予防歯科学 ヘ授fと工学部ヘ授 * 1999年 水道水フッ素濃度調整に関する国際シンポジウムを開催 対象は保健所と浄水場事業担当者. 米国のHerschel
S. Horowitz先生(国立衛生院
NIH 諮問官)と日本の高江洲義矢巨教授(元日本大学松戸歯学部予防歯科学講座)が水道水フッ素濃度調整の效果と安全性を説明した. 39. 予算の支援:1981-1994年
保健福祉部全額支援 * 1995年以降,保健福祉部は浄水場フッ素濃度調整施設予算において50%支援,その他は、全額地方自治体が負担している.なお,一部の地域では,必要経費の全額を自治体独自で予算化した. * 2000年から保健福祉部は施設予算の50%支援のほか,フッ化物の購入予算の30%支援している. 40. 添加するフッ化物 (1) 粉末状:
フッ化ナトリウム(フッ化ソ-ダ,sodium fluoride) フッ化珪素ナトリウム(珪フッ化ソ-ダ,
sodium fluosilicate) (2) 液状:フッ化珪酸(fluorosilicic
acid) 41. 水道水の至適フッ素濃度 * 毎日最高氣気温の年平均値は清州(Chongju)では16.5℃,鎮海(Chinhae)では17.6℃ WHOの基準では水道水の至適フッ素濃度として0.8-1.3
ppmを勧告している. 韓国における水道水の目標フッ素濃度は0.8ppmとした。 韓国の飮用水水質基準では最高フッ素濃度は1.5ppmである. *水道水フッ素濃度管理:目標濃度±0.1ppmが望ましい(Desirable),目標濃度±0.2ppmは 受諾できる(Acceptable) 42.
歯牙フッ素症 (斑状歯)
(宋蓮姫等,
1996年
調査)
43.
地域社会歯牙フッ素症指数(CFI):清州市では0.268,城南市では0.154であった. *
至適フッ素濃度を判定する場合のCFI境界線:0.4-0.6 (Shen Y, 1994)
44. C州市におけるむし歯予防効果
1. 宋蓮姫等,
1999 (DMFT indexの差異で算出)
* 清州市:
1982年から水道水フッ素濃度調整 2.
文赫秀等,
2000 (DMFS indexの差異で算出)
* 清州市:
1982年から水道水フッ素濃度調整 * フッ化物入り歯磨剤の使用率(2000年):97.4% 45. 水道水フッ素濃度調整の便益費用比 (1) 金鎭範等,
1988
(2)
文赫秀等,2000 1982-2000
: B/C Ratioは 24-28, 2001-2010 : B/C Ratioは
43 44
46. 水道水フッ素濃度調整都市と非フッ素濃度調整都市でう蝕症と歯髓炎の診療件数
(1,000人あたり診療件数, 水原:
非フッ素濃度調整都市)
水道水フッ素濃度調整都市と非フッ素濃度調整都市におけるう蝕症と歯髄炎の診療費 (1人あたり診療費, 水原:非フッ素濃度調整都市 )
47. 1997年9月
FDI(世界歯科医師連盟)総会 (1) 開催地:
ソウル,開会式:当時大統領が直接參加 (2) 金永三(Kim
Young-Sam)大統領が言及 韓国の代表的な口腔保健政策: 水道水フッ素濃度調整 48. 「健康社会の為の歯科医師会」の歴史と主な活動 1989年, “健康社会の為の歯科医師会”の創立,
医療保障の爭取共同委員会の構成に参画 1990年,水道水フッ素濃度調整を求める歯科医師の署名キャンペーン,街頭宣伝,産業災害の追 放の為の共同事業に参加 1991年,出版社‘圖書出版 健歯’を設立,「公害病と人間生態学」,「口腔領域の産業災害」を発刊 ‘首都圏の労働者の口腔健康実態に関する調査研究’ 1992年,「世界諸国の口腔保健診療制度」の出版, 産業保健センター推進大會 1993年,月刊新聞
‘健歯’の創刊,
韓国産業口腔保健協議会セミナーを主催 1994年,公衆口腔保健法の提案説明会と公聴会を主催, 「上水道水フッ素化と地方自治」を出版 1995年,首都圏の上水道水フッ素化の為の対策会議
韓国産業口腔保健協議会の主管で‘口腔検診事業の為の公聴会’を開催 「浄水管理者の為の水道水フッ素濃度調整の技術」を出版 1996年, ‘韓国水道水フッ素濃度調整研究会’の創立,
北韓水災民助ける事業開始. 保健医療人 の団体の産災討論会に參加したほか, ‘医療保険給付老人義歯給付に対する政策討論会’ を開催した. 1997年,"水道水フッ素濃度調整に関するシンポジウム"の主催 1998年,口腔保健政策研究会創立,水道水フッ素濃度調整に関する全国大会 「水道水フッ素化技術(改正版)」,「フッ素と口腔健康」,「Xylitolのすべて」,「歯を 守る甘味料」を出版,
‘南北韓統一時の口腔保健医療制度の構想’をテーマとしたシンポ ジウムを主催した. 49. 水道水フッ素濃度調整に対する市民の反応
* 全州 等:全州(Jonju),益山(Iksan),金堤(Kimje),群山(Kunsan),完州(Wanju),人口100万人 50. 韓國におけるフッ素反対運動 水道水フッ素濃度調整に反対グループ:一部の環境保存論者,金属工学者,整形外科医師,上水道を担当する公務員等が中心となって25団体が水道水フッ素濃度調整反対の国民連帯を結成した.水道水フッ素濃度調整反對の國民連帶の情報源としては,以下のものがある。 1) 米国,日本, ヨ-ロッパ等の反対派の主張 2) インータネットを利用して反フッ素情報 3) 日本の反フッ素の本の韓国語翻訳版 (2) フッ素反対派の主張 1) フッ素は全身的健康に有害である. 2) フッ素は環境,特に川のサ-モンに汚染した. 3) 日本とヨ-ロパは先進国であるにもかかわらず,水道水フッ化物添加を中止している.
水道 水フッ素濃度調整は後進国の政策である. ※
参考:スイス,フランスでは食塩にフッ化物を配合(フランスの市場占有率:60%) * 大田市(人口100万)は, 1998年1月にフッ素濃度調整を開始したが,フッ素反対派の影響に より市議会がフッ化物購入予算を削減したため1999年3月に中止となった. 51. フッ素反対運動への対応 (1) 水道水フッ素化の論争検討委員会 * 組織:水道水フッ素濃度調整の是非について中立的な環境学と予防医学專攻の教授 * 検討した結果を1999年8月発表:‘水道水フッ素濃度調整に反対する主張は、その大半が科学的根拠がなく,もとの資料について著者の意図するところを曲解している.” (2) 大韓医師協会の依頼によりソウル大学校環境医学研究所が研究 -‘水道水フッ素化の医学的検討”研究報告書(1999.
10.) -反対論:証拠なし,癌発生:学問的が充分ではない. 消化器系障害:影響があると言ってはない.遺伝子毒性:評価を必要する根拠がない. (3) 環境運動連合:
韓国で最も影響力のある環境運動団体,2002年5月に内部討論会を開催し結論した. ‘水道水フッ素化はう蝕予防効果と安全性が確立しており,環境保護上、懸念される問題がなく、環境運動連合は関与しない.’ 52. 国民健康の為の市民連帯
(結成:1999. 9.) * 組織:‘健康社会の為の歯科医師会’が主導して健康に関心がある市民,環境,保健,労働等のNGO group 102団体 * ‘健市連’の当初の仕事:水道水フッ素濃度調整の全国的な拡大 * 健康歯牙連帯:
釜山市の水道水フッ素濃度調整と障害者の歯の健康増進を目的として結成された市民団体(NGO Group)の連帯. 2000. 6. 7. 結成, 52団体が参加している. * 保健所の担当者と浄水場の公務員に対する教育:国立保健院の教育と特別研修会 53. 水道水フッ素濃度調整に関する研修会 (1) 1999. 11. 2-3. 保健所の担当者と浄水場の公務員教育 (2) 研修テ-マ 1) 口腔保健政策の方向:
保健福祉部
保健増進局長 2) 水道水フッ素濃度調整の安全性:歯学部 予防歯学教授 3) 済州道の水道水フッ素濃度調整の展望:済州道保健衛生課長 4) 水道水フッ素濃度調整の事例:前 玉泉郡上水道事業所長 5) 国民健康の為の市民連帯と水道水フッ素濃度調整: 国民健康の為の市民連帯の共同代表 (3)国立保健院における保健所の担当者と浄水場の公務員に対する教育と特別研修会 (毎年1回以上開催) 54. フッ素反対派に対する私の意見 “もしあなた方の意見が正しければお茶も飮むことができません.塩も食物に添加することはできません.温泉は全て避けなければならない. お茶のフッ素濃度:0.7-1.5ppm, 塩のフッ素濃度:20ppm 温泉水のフッ素濃度:4-8ppm 55. 結論 韓国における水道水フッ素濃度調整プログラムは主要な口腔保健政策として発展すると思います.近い将来、韓國においては根拠のないフッ素反対派の主張を凌駕すると確信しています. むし齒予防で最っと經濟的で優れた方法は水道水フッ素濃度調整です.日本では,フッ素について,韓國とは事情が異なることも多いと思いますが,フッ素の情報について,普及啓發が一層推進することを心から祈っています. |