北日本新聞 ひろば欄 【談論自由席】12月22日「水道水フッ素化推進を 永久歯の虫歯予防に有効」

 富山むし歯予防フッ素推進市民ネットワーク    代表 山本武夫

 県は「歯の健康プラン」の「むし歯予防パーフェクト作戦」で、子供のフッ素塗布やフッ素洗口の推進している。数年継続したところでは、特に永久歯のむし歯予防効果が高いとみられている。

 先日、ニュージーランド出身の女性英語指導助手が私の歯科医院を訪れた。口の中を見せてもらうと、虫歯は一本もない上に白くきれいで、さすが予防第一の国だと感心した。「フルオリデーション(水道水フッ素濃度適正化)のおかげよ」と、さりげなく話す彼女の言葉が印象に残った。

 私たちの市民ネットワークはAnd You(あゆ)の会と略称し、『健康はみんなの願い むし歯予防にフッ素を』をスローガンにしている。米国、韓国など虫歯予防の“先進国”を手本に研修を重ね、市民への正しい情報提供するキャンペーンや、天然フッ素入りミネラルウォーターの紹介などをしている。   

 幸い、日本歯科医学会が出した見解を受け、厚生労働省や日本歯科医師会が水道水フッ素濃度適正化を推進する見解を出した。国は、県や県歯科医師会などが支持し住民合意があれば、水質基準の0.8ppm以内で、希望する自治体に技術的支援を行うという態度を表明した。

 これを受け、沖縄県具志川村では今年度中に国内で唯一の水道水フッ素濃度適正化を実施すべく準備を進めているほか、県内では、健康に関心の高い利賀村が調査研究を行っている。

 水道水フッ素濃度適正化は世界の六十ヶ国で行われ、多くの人々がむし歯の痛みと苦しみから解放されてきた。この方法は、国民・国・歯科医「三方一両得」の健康施策と私は考える。

    (井波町山見)