宮崎日日新聞 11月19日号
厚生省 水道水フッ素化支援 安全性や技術面で方針(記事)
厚生省は18日までに、虫歯予防の目的で水道水にフッ化物を添加する「水道水フッ素化」について、水質基準(0.8ppm以下)の範囲内を前提に、市町村の取り組みに協力する方針を決めた。
厚生省の担当者は「適切な濃度の設定や濃度維持のシステムなど、安全性や効果の面で技術支援する」としている。
同省によるとフッ素は虫歯予防に効果があるとされ、水道水のフッ素化は米国、カナダ、オーストラリアなど世界38カ国で実施されている。
日本でも実現を求める運動が広がりつつあり、沖縄県具志川村が8月、全国初のモデル事業として実施を検討。同省に補助金の支援を求めていた。
フッ素が注目されるようになったのは、歯を丈夫にし、虫歯になりつつある歯を保護する働きが科学的に証明されたため。
水道水フッ素化を要望する歯科医師や自治体の関係者らは「簡便さ、効率のよさ、費用の安さなどから、虫歯予防の最良の方法」としている。
国内では、フッ素は通常の水道水にも0.1ppm以下の濃度で含まれているが、過去に、高濃度の天然フッ素含有水道水で歯の色が白濁したりする班状歯になった住民らが訴訟を起こしたことなどから、厚生省はこれまでフッ素に否定的な姿勢だった。