日歯広報 平成12年11月25日号

「富山県歯の健康プラン」見直し,二次プラン作成へ

 県民の歯と歯肉の健康づくりの目標に、平成7年策定された標記プランを、県歯は県とともに推進してきた。小児を重点ライフステージとして、フッ化物応用を導入した「市町村むし歯予防パーフェクト作戦事業」を展開してきたが、昨年実施された県民歯科疾患実態調査の結果が出た。それによると,平成12年までの改善目標(平成5年,平成11年)、3歳児dft2本以下(3.0本、1.9本)6歳児DMFT0本(0.28本,0.16本)12歳児3本以下(4.2本、2.8本)それぞれに対して,3歳児・12歳児で目標に到達,6歳児でも平成5年より改善が見られた。

 これらを踏まえ、県は新しいプランを10年計画とし、改定の方針の基本的考えをあきらかにした。その内容は、@現行プランの評価を行い,その評価を踏まえたもの、A現行プラン策定後の歯科保健医療を取り巻く状況等社会変化を踏まえたもの、B新たな歯科保健医療的課題を考慮したもの、C世界や国の動きを視野に入れつつ,本県独自の取り組みを取り入れる、D新たな目標値の設定は県民や関係機関・団体と共有できるもので,且つ、進行管理が可能なものとするというものである。

 現在の所は,骨子案まで明らかだが,新しいプランでは「情報の氾濫と不確実な知識」「歯科疾患の高い有病状況」「歯の喪失に伴う口腔機能の低下」という状況を踏まえ、「正確な口腔知識の普及」「歯科疾患の減少」「口腔機能の維持・改善」という歯科保健対策の基本方針が示された。

  現行プランでは小児のむし歯予防対策が重点で行われてきたが,新しいプランでは,小中高生・成人の歯周病予防対策の推進,高齢者・障害(児)者・要介護者等の口腔機能維持・改善を推進することが.むし歯予防対策と同等に取り組むとされている。

 ところで,日本歯科医学会が最近,生涯を通して公衆衛生的にむし歯予防のベストの方法である水道水フッ素化についても、安全性や効果は確立されていると認めたが、国の予算で沖縄が2002年より1村で実施する。そのような中,今後10年で、県内でも実施を検討する自治体が必ず出てくる可能性がある。この新しいプランに何らかの形で,水道水フッ素化を推進する文言が盛り込まれるよう期待する。(富山県広報モニター・高畠隆)

日歯広報に、都道府県だよりとはいえ、「水道水フッ素化」に触れた文章が出たのを、かって見た事がない。

これも,いろんな機会に日歯に働きかけがあった所為だろうか。

臼田執行部のいう,開かれた日歯へ向かっているとしたら,評価したい。

なお,この文章の原案は,小生の文責であることを,付け加えておきたい。(山本武夫)