NHKより富岡甘楽歯科医師会への回答書
先に送られた、富岡甘楽歯科医師会の抗議、質問書に対してNHKは、回答書を返してきました。

その内容は、いかにも、責任逃れの回答です、本来、ジャーナリスト足るもの、一つの問題についてあらゆる検証をしてみて、正しい判断をし、それを公表する立場にあるはずです。そう言った意味での、むし歯予防のためのフッ素利用は、科学的に見て解決済みの議論の余地のない部分がほとんどです。

しかしながら、いかにも、国民の議論を待つとした無責任な態度は、遺憾であります。

今回、富岡甘楽歯科医師会の了解を得まして、この回答書を明らかにし、NHKの今後の対応を見守りたいものです。

平成13年6月14日

社団法人富岡甘楽歯科医師会

会長 市川智旦様

日本放送協会

解鋭委員長 五十嵐公利

 

拝復 6月11日付、水道水フッ素化に関するラジオ夕刊の放送内容についての文書を拝見しました。協会会長宛に同じご趣旨の文書をいただいておりますが、私から、まとめてご返信を申し上げます。

5月9臼、6月4日、同月5日に、「ラジオ夕刊」で、水道水フッ素化のテーマを取り上げましたのは、それぞれの番組の冒頭でも、ご説明しましたように、虫歯を予防するための「水道水フッ素化」について、今年1月、厚生労働省が、今後自治体から、技術的支援の要請があれは応じるという方針を明らかにしたことにあります。

 虫歯予防のため、水道水にフッ化物を添加することについては、有効で、安全な方法だとして推進する意見がある一方で、発癌性の心配がある、また、水道水をフッ素化すると、消費者がフッ素化していない水道水を選択できないとして反対する意見があります。

水道水フッ素化は、水道利用者の理解が前提とされています。その意味から、この対策について、有効性、安全性に関する情報を提供し、判断の手がかりとしていただくことが必要だと考えております。

 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすることが、放送番組を編集する際に求められております。

 今回の番組の内容も、時間や、質問の選び方について、推進、反対双方に公平を期したものであると考えております。

 ご理解を賜りますようお願いを申し上げます。

 

なお、8点についておたずねでございますのでお答えを申し上げます。

 

@.世界保健機関が、3回の勧告をしていることについては、承知しております。勧告は、日本としても口腔保健をすすめる上で、考慮すべきことと考えております。

 

A国際歯科連盟〔FDI〕が決議をしたことも承知しております。専門家の団体による決議として、口腔保健をすすめる上で、重要な情報と考えております。

 

B水道水フッ素化については、実施している国々がある−方で、実施をせず、他の方法によって口腔保健をすすめている国々もあります。それぞれの国の事情によってロ腔保健の方針を決めており、日本も、適切な方法を組み合わせて、口腔保健をすすめる必要があると考えております。

 

C日本歯科医学会が出された答申も、承知しております。専門家のご意見として、尊重すべきものと考えております。

 

D日本歯科医師会が出された見解についても、承知しております。やはり専門家のご見解として、尊重すべきものとかんがえております。

 

Eむし歯予防のためのフッ素の局所応用(保育所・幼稚園・小中学校でのフッ素洗口、家庭でのフッ素洗口、フッ素配合歯磨剤の利用、市町村や歯科医院でのフッ素塗布)について、いずれの場合も、有効性、安全性についての情報を十分に提供し、児童、家庭、住民、患者の理解を得ながら、すすめるべきことだと考えております。

 

F発癌性については、様々な調査研究が行われ、様々な見解が示されており、日本での水道水フッ素化実施にあたっては、結論を出す前に、十分議論を積み重ねる必要がある、そのような段楷だと考えています。

 また、水道水フッ素化について議論をする際には、食品中にもフッ素が含まれること、人体にもフッ素が分布していることも、合わせて考慮する必要があると考えております。

 ラジオ夕刊で、専門家、歯科医師、消費者団体代表のご意見を紹介したのは、議論を積み重ね、視聴者の皆様が判断をする材料を提供しようと考えたからです。

 

B水道水フッ素化は、水道利用者の理解が前提とされています。「フッ素化するとフッ素を添加していない水道水を選択できない」という消費者団体の意見があり、推進される側としても、理解と合意を得る努力をされることが求められていると考えております。

 

 以上ご質問へのお答えを申し上げます。

 

放送番組へのご意見をいただいたことに感謝を申し上げます。公共放送として、様々な立場のご意見を放送に反映するようつとめる所存でおります。日本放送協会の事業に、ご理解を賜りますよう、重ねてお願い申し上げます。

まずは、ご返信を申し上げます。

敬具