祝辞

 日本WHO協会

会 長  西 島 安 則

 この度、第24回むし歯予防全国大会が開催されるに当たりまして、社団法人日本WHO協会より、お祝いのことばを申し上げます。

 日本WHO協会では、毎年春の「世界保健デー創設記念大会」にむけて、全国の中学生からの作文を募集し、特に優秀な受賞作文は大会で本人に朗読してもらっています。今年、厚生大臣賞を授与された、高知県の土佐塾中学校一年生 小松大河君の作文「丈夫な歯で楽しい食事を」の一節をご紹介しましょう。(*)

 

  •   『僕には、大切な自慢の宝物があります。それは、むし歯にもならず、役目を終えた、僕自身の十九本の乳歯です。残念ながら残り一本は、小さなかけらとなって抜けたので、形に残すことはできませんでした。……

       久々に取りだして眺めてみました。すると不思議なことに、今までとは違った気持ちがしてきました。生まれて最初に抜けた乳歯は、かわいいくらい本当に小さく、よくこんな歯でかむことができたものだと、懐かしい思いがしました。奥歯は、透かしてみると向こうが透けて見えるくらい薄くなっているものもあり、すごいなあと感動しました。むし歯でない歯というのはやっぱりきれいです。両親が我が家の宝物として、大切にしている意味が少し分かったような気がしました。こうして残しておいてくれて、本当によかった、ありがたいと思いました。……』

  • この小松大河君の作文に何も付け加えることはありません。健やかに生きるということの、はじめに美しい歯があり、そこに親の愛があり、そして、そのことを有難く大切に思う子供の心と体が育まれます。

    第24回むし歯予防全国大会のご成功をお祈り申し上げます。

     

     

  • 発行される『目で見るWHO』第33号に、他の受賞者の作文とともに全文掲載されます。