事例報告3      すべての人が健康で豊かな生活を楽しむために」
                                                               社団法人沖縄県歯科医師会                   
                                                                   専務理事 高嶺 明彦

 

 私ども、社団法人沖縄県歯科医師会では、平成9年4月に喜屋武 満会長が就任して以来、すぐに県行政に対して「新たなる地域歯科医療提供体制
の構築について」という要望書を提出しました。

 これは、「治療から予防へ」というパラダイムシフトを、沖縄県が全国に先駆けて実現すべきであるという意見の具申でありました。ところが、当時は予
防に対する考え方が現在ほど普及しておらず、なかなか理解をしていただけませんでした。

 そのようなときに、久米島の旧具志川村でフロリデーション(水道水フッ化物濃度適正化)の実現へ向けての動きが活発化して参りました。沖縄県歯科
医師会では、平成12年6月に久米島の旧具志川村からフロリデーションに関する支援要請を受け、全面的にご支援申し上げることを機関決定いたしまし
た。

 フロリデーションは、むし歯を予防するための、最も有効で、安全、かつ経済的な手段です。しかしながら、フロリデーションはあくまでも手段であり、私た
ちが目指すものは、フロリデーションでもなければ、歯を残すことでもありません。すべての人が生涯を通じて自分の歯で食生活を楽しみ、健康で生き甲
斐のある生涯を送ることこそが目的なのです。

 フロリデーションは歯科の話であると思われがちですが、フロリデーションは私たちの健康のための話なのです。

 沖縄県歯科医師会では、将来を担う子供達をはじめ、すべての年代の人々に大きな恩恵をもたらすフロリデーションの実現へ向けて、今後とも組織の
総力を挙げて、取り組む所存であります。

 沖縄県歯科医師会のフロリデーションの実現へ向けて取り組みをお話しすることが、久米島だけではなく、日本全国でフロリデーションが実現するため
の一助になればと願っています。