沖縄タイムス    3月3日号

具志川の水道

フッ素化の効果報告

性急な導入に慎重論も

 虫歯予防に有効とされている水道水のフッ素化について考えようと、「水道水フッ化物応用シンポジウム」(主催・県、具志川村、県歯科医師会)が二日、具志川村の農村環境改善センターで開かれた。具志川村は現在、全国に先駆け、フッ素化導入計画を進めている。会場には、住民のほか県内外の歯科関係者ら約三百人が詰め掛けた。県歯科医師会の喜屋武満会長は、具志川村が一九九一年度から幼稚園、小中学校で始めたフッ素洗口の効果を指摘。一二歳児の虫歯や治療した歯の数が、九二年度は七.六本だったのに対し、二〇〇〇年度で二.〇本まで減少したデータを示し、「水道水のフッ素化は、口腔(こうくう)衛生の向上に大きな効果が期待できる」と話した。

 村議会会長で村健康づくり推進協議会会長の喜久里猛さんは、事業の必要性をあげた上で「実施には住民の総意が不可欠だ。(村は)食品関係者や字ごとの説明会を開いているが、参加者が少なくまだ不十分」。先月、フッ素の勉強会を開いた住民有志に対し非難の声があったことに触れ「今後こういうことがないように議論に議論を重ねていきたい」と述べた。ほかに西平竹夫久米島病院長、田辺功朝日新聞編集委員が報告した。

 シンポジウムを聞いた大城和子さん(三〇)は「福祉関係の仕事で高齢者と接しているので、フッ素について知っておきたかった。説明会に出てない村民も多いので、行政は急がずに話し合いをしてほしい」と要望。山城京子さん(四九)は「地元の参加が少ない。(事業に)賛成、反対の判断するためにも多くの人に来てほしかった」と残念がった。