水道水フッ素濃度適正化 沖縄県支援関係記事 2001年(平成13年)9月27日

9月27日、共同通信社配信の、沖縄県久米島具志川村の水道水フッ素濃度適正化事業計画について,かねてより村から県に対し支援の要請が出ていましたが,今度,10月にも沖縄県が正式に具志川村のこの事業を支援することを表明します。

これに際し,沖縄県歯科医師会は先にすでに,具志川村を支援する見解を表明しており,これで21世紀、全国初の水道水フッ素濃度適正化自治体が誕生します。

これにより,全国各地で展開しています水道水フッ素濃度適正化のための活動が、ますます正しい理解を得て,実際に他の自治体でも実現に向かうことを期待します。

富山県内の各紙の報道記事

1.北日本新聞 2001年9月27日(木)24面(社会欄)

 「水道水フッ素化 沖縄県が支援へ」具志川村・導入へ前進

 虫歯予防に有効とされている一方、安全性について賛否が分かれている水道水へのフッ素添加について,沖縄県は26日までに,同県具志川村(久米島)が進めているフッ素化導入計画を支援する方針を固めた。10月上旬にも正式決定する。

 厚生労働省は、実施自治体に技術的支援をする条件として「都道府県の同意」を挙げており、これがクリアできたことで、同村は住民の合意が得られれば来年度中にも実施に踏み切りたい考え。実現すれば全国唯一。

 フッ素は,水質基準内の濃度なら摂取に問題ないとされ、フッ素化は米国など約60カ国で実施。国内でも1950年代から70年初めに、京都市の一部や三重県朝日町,変換前の沖縄県の一部で行われた。しかしフッ素添加とは別に、取水源そのものに高濃度のフッ素が含まれていたため斑(はん)状歯になったとして、兵庫県宝塚市などの住民による損害賠償訴訟が起きたことなどから、フッ素化導入への取り組みはとん挫した。

2.富山新聞 2001年9月27日(木)4面(総合欄)

 「水道水のフッ素化支援」沖縄県,久米島の計画に 来年度中にも、厚労省も協力

 虫歯予防に有効とされている一方、安全性について賛否が分かれている水道水へのフッ素添加について,沖縄県は26日までに,同県具志川村(久米島)が進めているフッ素化導入計画を支援する方針を固めた。10月上旬にも正式決定する。

 厚生労働省は、実施自治体に技術的支援をする条件として「都道府県の同意」を挙げており、これがクリアできたことで、同村は住民の合意が得られれば来年度中にも実施に踏み切りたい考え。実現すれば全国唯一。

 フッ素は,水質基準内の濃度なら摂取に問題ないとされ、フッ素化は米国など約60カ国で実施。国内でも1950年代から70年初めに、京都市の一部や三重県朝日町,変換前の沖縄県の一部で行われた。しかしフッ素添加とは別に、取水源そのものに高濃度のフッ素が含まれていたため斑(はん)状歯になったとして、兵庫県宝塚市などの住民による損害賠償訴訟が起きたことなどから、フッ素化導入への取り組みはとん挫した。

(解説)水道水フッ素化

 歯の再石灰化作用があるフッ化ナトリウムなどのフッ素化化合物を水道水に添加する手法で、フッ素水によるうがいや歯へのフッ素塗布と並んで虫歯予防に有効とされる。フッ素は土壌のほか、茶葉や海産物などの食品にも含まれる天然の元素だが、長期にわたって大量摂取すると斑(はん)状歯や骨硬化症などを発症することがある。海外では高濃度のフッ素化水道水の中毒事故も報告されており、濃度を適正範囲に抑制することが重要になる。水質基準法では,水道水のフッ素濃度は0.8ppm(1g中に0.8ミリグラム)以下と定められている。

3.北陸中日新聞 2001年9月27日(木)3面(国内総合欄)

 「沖縄県 水道水フッ素化支援」具志川村の計画 安全性疑問の声も

虫歯予防に有効とされている一方、安全性について賛否が分かれている水道水へのフッ素添加について,沖縄県は26日までに,同県具志川村(久米島)が進めているフッ素化導入計画を支援する方針を固めた。10月上旬にも正式決定する。

 厚生労働省は、実施自治体に技術的支援をする条件として「都道府県の同意」を挙げており、これがクリアできたことで、同村は住民の合意が得られれば来年度中にも実施に踏み切りたい考え。実現すれば全国唯一となる。

 ほかの自治体への波及も予想されるが、健康面への不安から反対論も根強く,あらためて大きな議論を呼びそうだ。

 フッ素は,水質基準内の濃度なら摂取に問題ないとされ、フッ素化は米国など約60カ国で実施。国内でも1950年代から70年初めに、京都市の一部や三重県朝日町,変換前の沖縄県の一部で行われた。

 しかしフッ素添加とは別に、取水源そのものに高濃度のフッ素が含まれていたため斑(はん)状歯になったとして、兵庫県宝塚市などの住民による損害賠償訴訟が起きたことなどから、フッ素化導入への取り組みはとん挫した。

 現在でも各地で推進派の歯科医師らを中心に条例化を模索する動きがあるが、発がん性の指摘や、海外のデータを基に安全性を疑問視する反対意見もある。

 具志川村は昨年8月、厚生省(当時)にフッ素化の協力を要請。同省が「地元歯科医師会や県の同意があれば技術面で支援する」と回答したため。同意を表明していなかった沖縄県に支援を要請していた。

 県は「厚労省が技術支援の前提としている水質基準(0.6ppm)ないでの添加などが条件」としている。

 同村は今後、説明会などを通じて、実施のカギとなる住民の理解を求めていく方針。同村は来年4月に隣接する仲里村と合併するための協定に105日、調印するが、合併後も当面は具志川村の給水区域に限定して事業を進めることを協定書に盛り込むという。

(山本武夫のコメント)

北陸中日新聞の水質基準0.6ppmというのは,0.8ppmの誤りです。

他社の記事と比べて、不安を煽る記事になっています。記者の不勉強が,こういう記事を書いてしまいます。多くの国で常識になっていることをこの日本では,新聞社をはじめ多くのマスコミ関係者はまだわからないのです。

1度下記の本を読むことをお薦めします。

「むし歯とキッパリ別れる本」山下文夫・田浦勝彦・木村年秀共著(早稲田出版)

「虫歯の敵は幾万ありとても」山下文夫・藤野悦男・田浦勝彦・木村年秀共著(健友館)

「だめな歯医者はすぐ削る」平澤正夫(草思社)