琉球新報

 

具志川村で水道水フッ化物応用シンポ

世界の事例など紹介

県外からも80人が参加

 

【久米島=具志川】虫歯予防に効果があるとされるフッ化物を水道水に添加する「水道水フッ化物調整事業」を進める具志川村などが二日、村の農村環境改善センターで「水道水フッ化物応用シンポジウム」を開いた。県、県歯科医師会が開催。同事業が導入されれば全国初とあって、県外の約八十人を含む、村内外の約3百人が集まった。

基調講演では、斎藤寛長崎大学医学部長と米国国立疾病予防センターのトーマス・リーブス主任技師が登壇。一九四五年から米国で実施・研究されてきた水道水フッ化物応用の現状と世界の取り組みなど、推進の立場から説明した。

シンポジウムでは喜屋武満県歯科医師会会長、具志川村健康づくり推進協議会会長の喜久里猛村議会長ら四人が発表した。

喜屋武会長は「十年来続けてきたフッ素洗口で、具志川村の児童は全国や県平均に比べて虫歯が少ない。フッ素は環境を汚すこともない」と主張。喜久里会長は「事業について学ぼうとする住民を非難することなく、議論を重ねていかなければならない」と述べた。

具志川村は四月一日、仲里村と対等合併して久米島となるが、両村の合併協議会協定書では「当面の間、具志川村の給水区域に限定して事業を推進する」と定めている。