佐賀県、すごい![筆者評]  佐賀県水道水フッ素化記事(2000年12月14日朝刊)◇朝日新聞(西部支社)(見出し)『水道にフッ素 佐賀県後押し 「虫歯日本一」返上かけ 「安全は」慎重派も
(前文)厚生省が住民合意を条件に虫歯予防のための水道水へのフッ素添加を容認したことを受け、佐賀県は県内の市町村の取り組みを、情報や技術の提供で支援する方針を決めた。同県は幼児の虫歯本数で八年連続全国ワーストワンで、フッ素添加の普及に汚名返上の期待をかける。日本歯科医師会事務局(東京)によると、都道府県レベルでフッ素添加を支線するのは全国でも珍しいという。これに対し、県内の教職員組合などからは「有害説がある以上、子供たちへの影響が心配」などと問題視する声が上がっている。

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  佐賀県健康増進課によると、1998年の県内の3歳児の平均虫歯本数は3.38本で、91年から8年連続で全国最悪だ。このため同県は99年度から、幼稚園や保育所が幼児にフッ素添加の水でうがいをさせることなどへの助成事業を始めた。

 今回、厚生省が水道法で定めるフッ素濃度(0.8ppm)の範囲内であれば、議会の議決など地元の住民の合意を条件にフッ素添加を認めたことから、市町村が実施する際の支援を決めた。

 具体的には、フッ素添加で実績を上げているアメリカや韓国の事例を近く、パンフレットなどで市町村に紹介。実施を検討する市町村には、法定濃度内に収める添加方法など技術的な指導をしていくという。

 一方、小中学校の教員らで組織する県教職員組合は安全性に不安を示し、実施に慎重な態度をみせる。同組合事務局は「水道水に添加すれば、学校も含めて、みんなが半ば強制的に飲まされることになる。有害説がある以上は導入するのは問題」としている。消費者団体の内部にも同様の声がある。

 これに対し、県健康増進課は「世界保健機構(WHO)が推進するなど、世界の専門家によって、安全性は保障されている。基準値内であれば、全く問題はない。自治体側で合意がなされ、県に要請があれば支援していきたい。幼児の虫歯ワーストワン返上に向け、かなりの効果が期待できる」としている。

消えぬ有害論(差込) フッ素による虫歯予防をめぐっては、WHOが69年に水道水への添加など利用推進を決議。国内でも、フッ素を歯の表面に塗布するなどの予防法が実施されている。一方で、2ppm以上の濃度を常飲した場合、歯の表面に斑点(はんてん)が入る斑状歯(はんじょうし)の症状が出ることがあるという。歯科医の中には根強い有害諭を唱える人もいる。

 国内では、在日米軍の使う水道水にフッ素が添加されているほか、東京都町田市議会が添加を決議。沖縄県具志川村が2002年の導入を目指しているという。』

 

(筆者評:12月14日)九州より、ビッグニュースが入ってきました。

いよいよ,都道府県の姿勢が表れて来ました。厚生省の態度が少しづつはっきりとしてくるにつけ、歯科保健に積極的な都道府県が明確な方針を打ち出しました。

もともと,佐賀県はフッ化物を利用する市町村歯科保健事業に補助金をつけていましたが,こんな形で水道水フッ素化に支援を行うと打ち出すとは大変立派なことです。県健康増進課にいる,歯科医の積極性が形になって表れて来ました。

他の都道府県のからも,このような形が早く、たくさん出て欲しいものです。

また,次は、日本歯科医師会の推進表明、あるいは,都道府県歯科医師会からの推進表明が待たれるものです。