日本歯科新聞で水道水フッ素化記事が掲載(画像は最下段)

(筆者コメント)2001年1月1日号で、12月21日の日本歯科医師会理事会後の日歯執行部の会見の模様が詳細に報道された。

日歯広報の1月1日号には,間に合わなかったものの,近い号に,載ると思うが、早く,歯科医師会会員にしらせてほしいものである。

また,このHPには,いち早く載せているが、日本歯科医学会フッ化物検討部会の見解の内容も早く,歯科医師会会員並びに国民に公開してもらいたいものである。

これにより,日教組やフッ素研究会の言っている非科学的意見が,国民により正確に伝わるだろうし、また、歯科医師会内部の意見統一にも拍車がかかり、国民のための歯科医師会として、取るべき道筋が明確になると信じるものである。

日歯も水道水フッ素添加を容認

地域住民の合意が前提

(前文)

 日本歯科医師会は12月21日、水道水へのフッ化物添加について公衆衛生的に優れた方法と認めたものの、最終的には地方自治体の問題であり、地域住民の合意が前提だとする条件付き賛成の立場の見解をまとめた。日歯が条件付き賛成の立場を表明したのは初めてのこと。また、日歯は、昨年11月に日本歯科医学会がまとめた「フッ化物応用についての総合的な見解」の答申にある「う蝕予防を目的としたフッ化物応用を推奨する」を全面的に支持するとした。

公衆衛生的に優れた方法

(本文)

 日歯が見解を表明した背景には、沖縄県の自治体で地域住民の合意のもとに水道水フッ化物添加の準備がすすめられていたなかで、国会の衆院.厚生委員会でフッ化物添加について議論があったことで、一般紙も含め大きな話題を呼んだため日歯としても正式に見解を出すべきだとの考えがあったものと見られる。

 会見で新井常務理事は「水道水へのフッ化物添加は、公衆衛生的に優れた方法だ。ただし、水道水への添加という手段の性格上、実施する地方自治体と地域住民との合意が前提である。日歯としては条件付で賛成という立場だ」と述べた。

 また、岡副会長は条件付賛成の解釈について「地方自治体は自主的な判断能力を持っている。地方自治体の自主性は日歯としては尊重しなければならない。地方自治体が行政を進める上で一番必要なことは地域住民のコンセンサスであり、コンセンサスが得られたならば、環境整備等についていろいろ判断し、日歯として順応していこうという考え方だ」と語った。

 記者団からの「水道水へのフッ化物添加に関する見解を出したのは初めてのことではないのか」との質問に対し、新井常務理事は「そう考えていいと思う。従前の報告に比べて一歩踏み込んだものだと考えている」とした。

 また、「水道水フッ化物添加が公衆衛生的に優れた方法であるという認識ならば、地域住民の合意に積極的にかかわっていくのか、かかわっていかないのか」という質問については、「日歯としては、地域住民の合意には積極的にかかわらず、各自治体の自主性に任せる」との考え方を示した。

 なお、日歯がまとめた見解は以下のとおり。

日歯の見解

 日本歯科医師会は、平成11年11月1日の日本歯科医学会(医療環境問題検討委員会フッ化物検討部会)の「フッ化物応用についての総合的な見解」に関する答申にある、「国民の口腔保健向上のためのう蝕予防を目的としたフッ化物の応用を推奨する」との主旨を全面的に支持するものである。

 WHOは水道水フッ化物添加について、加盟各国に対して「水道水フッ化物添加を検討し、実行可能な場合にはこれを導入すること、不可能な場合にはフッ化物の他の応用方法を検討すること」を趣旨とする勧告を行っている。また、国際歯科連盟(FDI)において、水道水フッ化物添加については「う蝕の発生を安全かつ経済的に抑制する手段として、現状における最も有効な公衆衛生的施策であり、すべての関係当局にこれを推奨すべきこと」を決議している。

 厚生省では、厚生科学研究のテーマとして、今年度より3年計画で、日本歯科医学会の答申を受ける形でフッ化物の全身.局所応用に関しての、より具体的な指針を得るべく、総合的研究を開始している。また、厚生省は、自治体からの、水道水フッ化物添加の技術支援要請に応じる旨回答している。

 これらの状況を踏まえ、日本歯科医師会は、水道水フッ化物添加が、各種フッ化物応用の中で、有効性、安全性、至便性、経済性等に対する、公衆衛生的に優れた方法であると認識するが、水道水への添加という手段の性格上、これの実施は、最終的には、地方自治体の問題であり、その経過においては、地域の歯科医師会をはじめとする関連専門団体、地域住民との合意が前提であると考える。 

 今後、水道水フッ化物添加に対しては、厚生省との連携等国レベルの専門団体としての対応のさらなる検討が必要であると思われる。