事例報告1                                                                            

フッ化物を利用したむし歯予防の取り組み

 下仁田町保健センター参事母子保健係長 

伊原よし江  

下仁田町では、昭和63年度からフッ化物を利用した「3歳児のむし歯半減運動」を開始し、乳歯のむし歯罹患状況を大幅に改善することできました。さらに平成5年度からは、町内の全部の保育園で、4,5 歳児を対象にフッ化物洗口を開始し、小学校低学年の永久歯のむし歯も減少しました。小中学校でのフッ化物洗口実施については保護者からの要望もあり、平成9年度より歯科検討会を開き、学校でのフッ化物洗口を検討しましたが、教職員の強い反対があり実施できませんでした。そこで、小中学生を対象にした「家庭におけるフッ化物洗口」を、町で予算化して現在実施しています。しかし、家庭におけるフッ化物洗口の申込者は約80%で、そのうち毎日実行できている人の割合は30%弱という状況です。この状況を改善し、より効果の上がる方法を考えるために「フッ化物を利用したむし歯予防とフロリデーション」について、議会の視察研修をおこなってきました。

誰もが一生自分の歯で食べるためには、公衆衛生としてのむし歯予防対策が必要です。今後は専門家による正しい情報提供を得て、住民と共に学習を重ね、住民と共に必要な施策づくりを考えていきたいと思います。