挨 拶

日本むし歯予防フッ素推進会議

会 長  篠 原  常 夫

碧空の紅葉の季節を迎え、冷気が肌に沁みるようになりました。本日ここに第24回「むし歯予防全国大会」が開催されるにあたり、平素ご理解とご協力を賜っておりますご来賓各位、地域の皆様、全国会員のご来臨を頂き、盛大に挙行することが出来まして、心から感謝申し上げます。

本大会の開催にあたりまして、実行委員長 田浦勝彦先生ならびに実行委員各位の絶大なるご尽力に心から感謝申し上げます。

本大会に協賛、後援頂きました日本歯科医師会はじめ、各関係機関、諸団体のご支援に対し厚くお礼申し上げます。

本会の目的であります「むし歯予防のためのフッ化物応用による種々の公衆衛生活動を行うこと」の視点に立って4世紀半に亘る適切なフッ化物応用を勧めているところですが、我が国の現状は小児のフッ化物歯面塗布と約22万人の小児・学童の集団フッ化物洗口法の恩恵を受けているのみで、牛歩的な普及状況であります。近年「フッ化物配合歯磨剤」が普及し国民のニーズも高まって市場シェアが77%になった事はフッ化物の認識が高まってきたと云えます。

我々が意図するところは、全ての人が生涯にわたって口腔保健の増進にフッ化物の恩恵を受けることが出来る公衆衛生手段を展開することが責務と考えているところです。

昨年11月に日本歯科医学会・医療環境問題検討委員会・フッ化物検討部会の最終答申が出され、12月の理事会、評議員会で承認されました。学会としてフッ化物応用の確たる指針が出されたことは日本におけるフッ化物応用の賛否の論争に終止符を打ったことになりましょう。

う蝕予防を目的としたフッ化物の水道水添加は、現在世界56カ国に及んでおり、その給水人口は3億1,700万人に達しております。しかしながら我が国では水道水のフッ素化には消極的であります。従って本大会のテーマは「水道水フッ素化実現のために」であり、先進地各国の第一線の予防歯科の講師をお招きし、我が国の行政・報道機関をはじめとする関係者が参加され、口腔保健の向上にむけて優れた公衆衛生的予防法の実現の道筋と国民の健康を目指す上での方向性を本大会を通して求めたいと存じます。

今後共、ご来臨各位の暖かいご理解とご支援を賜りますれば幸甚と存じます。

各位のご健勝を祈念し、ご挨拶といたします。