山本武夫、上京時、財布紛失顛末記

1.「あれー、おかしいなあ。どこいったあ?」

平成17年9月11日(日)、東京飯田橋での会合は午後3時過ぎに閉会。2時半頃からの夕立もすっきりしないので、知人2人とタクシーでJR水道橋駅まで同乗した。運転席の横に乗った小生が、タクシー料金(確か660円)を財布の小銭を集めて支払い、タクシーを降りた。1人は三鷹方面へ、小生ともう一人は秋葉原で乗り換え、浜松町へ向かった。そのとき、知人には、「前回上京したときに、岡山の知人から是非にと、勧められて、SUICA(JRとモノレールが乗れるプリペイドカード)を使ってるけど、これは便利だね。」と、手帳にはさんだSUICAカードを見せながら、改札を二つ通過した。その友人はモノレールに乗ってまもなく奥さんの待っている天王寺ハイツで降り、小生は疲れから羽田まで、爆睡した。

羽田に着いて、入院している母親にゼリーでも土産をと思い、財布を捜したが見つからず。カバン、ジャケット、ズボン、くまなく探したがなし。超割航空券は浜松町でチェックイン済みであったので、午後5時半の小松便まで40分しかなく、探しに行く宛もなくあきらめて、自宅の家内に携帯電話で一応報告し、搭乗口へ。その間、JRか、モノレールか、空港かどこで紛失したか、思い巡らしても判明せず。左ズボン前ポケットに入れていて、タクシー代金を払ったところまでは確実にあったのだから、最悪の場合スリにあったか、とも思ったが、爆睡していたとはいえ、モノレールで誰も接近した気配はないし・・・

搭乗待ち時間の間に、家内に、クレジットカードも入っていたので、小松についてからクレジット会社に連絡するので電話番号を調べて置くように依頼。そのとき、運転免許証も入っていたことを思い出し、「最悪、小松から代行で帰らないといけないかも・・・」と・・・
搭乗直前に、ANAの職員に、財布の落し物をしたのを告げると、空港の案内に届けが出たか確認してもらったが何もなしといわれ、帰ってから聞いてみるようにと、連絡先を教えてもらった。
 ANA 羽田遺失物問合せ先 TEL 03-6428-3799 
 羽田空港 落し物係り    TEL 03-5757-8107
 モノレール 落し物係り   TEL 03-5757-0613 
機内では、また疲れがどっと出て、爆睡パート2。

2.「よわった、よわった。どうしたらいいのやろ。」

午後6時半過ぎ、小松空港に着き、自宅に電話。家内から「クレジット会社に電話したら、すぐに使用できなくする手続きをしてもらったので・・・。新しいのは1〜2週間で再発行するそう。今のところ使用した形跡はないとのこと。警察には必ず届出を出してくださいとのこと。」と。
空港の派出所に、運転免許証入りの財布の紛失を言うと、「車の運転なら、仕方ないからそのまま帰って、再交付を受ける手続きをしなさい。ここで、証明書など出せない。事故とか違反とかを気をつけて行きなさい。」と、優しくなだめてもらった。それではと帰ろうとしたが、財布にクレジットカードも入っていたことをいうと、「それなら、話は別だ。すぐ遺失物の届出を出しなさい。」と、詳しく届出を書いた。「この空港での届けは明日の月曜に小松署の遺失物係りに出しておくから、電話をして、その届出番号を聞いて控えて置くようにしなさい。」と、指示されました。

言われたとおり、慎重に自宅に帰った。
翌12日(月)は、朝から、運転免許証の再交付を受けるために、予約の変更や学校への出務を変更してもらった。また、財布にはANAカードも入っていたため、インターネットのANAのホームページより、連絡先を調べ電話して、再発行してもらう事にした。13日に運転免許再交付のために、富山の運転教育センターに連絡をしていく事にした。(平日10:00〜11:00か14:00〜15:00受付で、写真、印鑑、身分証明書:保険証など、交付料持参)


3.「エーほんと、信じられんわ、世の中みすてたもんじゃないなあ・・・」

ところが、夕方近く、クレジット会社から、東京の警視庁神田警察署から連絡があり、財布が見つかって、クレジットカードが入っていたので、連絡した。東京の神田警察署に至急連絡をするようにとのこと。
神田署の会計担当の女性につながり、「財布の届出がありました。免許証、クレジットカード、ANAカード、現金○×円その他、ありましたが、間違いありませんね。練馬区の方が、水道橋駅付近で見つけられ、親切に届けてくださいました。規定では5%〜20%の範囲でお礼をしてあげてください。取りに来られないなら、必要な書類を送りますから、それが届き次第こちらから郵パックで届けます。」とのこと。車がないと不便な地域にいるので早くほしいが、FAXで送ってもらえないかと要請したらOKだった。

それから、練馬区のMさんに電話。「孫を連れて、後楽園に遊びに行って帰る途中、雨が降っているのにあまり濡れていなかったので、多分落としてすぐ見つけたらしい。困ったるでしょうねえと、水道橋駅の交番に届けた。」とのこと。何回もお礼を申し上げ、神田警察署から言われたように、お礼を送りますのでと申し上げ電話を終えた。

ちょうど、タクシー降りてすぐ小生が財布を落としたのであろう。すぐ近くにおられたMさんがお孫さんとおられて見つけられたもので、まさに捨てる神あれば拾う神有りで、ほんとにいい人にめぐり合え、ほんとに嬉しかった。
15日、無事財布が戻り、Mさんにも、お礼を差し上げ、一件落着。しかし、この顛末は小生に、計り知れない人の温かさを感じ取らせ、今後の生き方に大きな影響を与えてくれた。
「因果応報」・・・常日頃より、人に親切にしておくことが巡り巡ってくるであろうという、これは神様・仏様の思し召しと受け止めた。
子どもたちにも、よく聞かせてやりたい話である。