2001年5月19日読売新聞富山版 「ワンダーランド北陸」欄(北陸3県共通)

「ひともよう」

水道水フッ素化を推進する歯科医師 山本武夫さん 49(富山県井波町)

「虫歯予防へ正しい情報を」

 虫歯予防に効果が高いとされるフッ素の水道水添加(水道水フッ素化)。世界の五十六カ国ですでに行われ、長い歴史があるものの、日本では全く実施されていない現状を、「日本の歯科保健界は鎖国状態にある」と憂える。

 フッ素推進に積極的に取り組み出したのは、約15年前。「虫歯治療をしてもしばらくするとまた来院する」と、歯磨き中心の予防法に疑問を持ったからだ。富山県井波町に働きかけ、町内の保育所や幼稚園でフッ素によるうがい(フッ素洗口)を始めた。その後井波小、中にも広がり、虫歯予防に大きな効果を上げている。県・歯の健康プランの策定にも携わり、今では九十の教育施設でフッ素利用が励行されるまでになった。

 水道水フッ素化を活動の中心に置いたのは、99年十二月に先進地・韓国の現状を視察してから。「日本では水道水フッ素化は無理だと思いこんでいたが、やれるところからやればいいと考えるようになった」

 同県利賀村では今年度から水道水フッ素化の検討を開始。村の歯科保健推進委員として、先月十九―二十一日には、二度目の韓国視察を行った。他県の自治体でも準備が始まり、遅まきながら日本でも取り組みが広がっている。

 フッ素利用には「健康に悪影響がある」として反対意見も根強い。だが「反対派の意見は国際的にも認められていない」と一蹴する。

 今月二十七日には、フッ素推進の市民ネットワークを立ち上げる。「フッ素の正しい情報を国民に伝えて行きたい」。”フッ素の伝道師”は力強く語った。

(文・写真 木村達矢)

読売新聞富山版、2001年5月19日号に小生の紹介記事が載りました。

富山支局の木村達矢記者の取材に答えたものが記事になりました。大変、気恥ずかしいのですが、逆に、しっかりしなさいと激励を受けたと思い、今後の活動の糧にして行きたいと思います。相田みつを師の「いちずに一つ事」の言葉どおり、フッ化物の普及、正しい情報の提供に邁進したいと思います。

尊敬する故山下文夫先生がAAPHD(米国歯科公衆衛生協会)特別賞をお受けになりました。まだまだ、山下先生のように立派な活動は出来ませんが、少しでも近づけるよう努力したいものです。

また、このような活動を温かく見守ってくださる人達が広がる様努力して行かねばなりません。

そういった意味で、木村記者には、感謝申し上げます。賛同された方はメールを木村記者にお願いします。(木村記者 E-mail:kimu3058@yominet.ne.jp)

感想をおよせ下さい。(山本武夫 E-mail:info@f-take.com)