新湊中央ロータリークラブ卓話 抄録(会報用)

「むし歯予防のフッ素利用と4つのテスト」

                   井波庄川ロータリークラブ  山本武夫

 私は昨年11月に入会したばかりの新米ロータリアンです。13年余、富山県歯科医師会理事をし、ここ数年小児・学校歯科保健を担当しておりました。長い間かかって,ようやくむし歯予防のベストの方法がわかり,それを実現しようとした矢先に,歯科医師会役員を辞任することになりました。

 一方で、現ガバナーエレクトの津田先生より,お誘いを受け,ロータリーに入会するきっかけになったのが、「4つのテスト」でした。むし歯予防の公衆衛生的に、言い換えますと、安全で,効果的で、公平で,至便性があって、経済的なベストの方法を進めようとしている私にぴったりの目標が、この「真実であるか,みんなに公平であるか、行為と友情を深めるか、みんなのためになるか」の,4つの言葉でした。そして、このむし歯予防に1番いい方法が水道水フッ素濃度適正化という方法なのです。

 フッ素は,自然界にあまねく存在し,普段我々は普通に飲食しています。からだの骨や歯の構成元素です。それが、多くの地域の人たちの経験から、適切なフッ素の濃度の水を飲めば、むし歯にならないことが発見されました。アメリカやカナダなどでは、この人類の英知を生かそうと、50年以上も前から水道水のフッ素を適切な濃度に調整し始めました。WHO(世界保健機関)やFDI(世界歯科連盟)などの国際機関もこの優れた方法でむし歯予防を推奨しています。ところが,残念ながら日本では,今まで、国・歯科医師会・大学が,国民にこの素晴らしい方法を、情報提供してきませんでした。世界では,多くの国で,むし歯予防が成功を収め、「むし歯は過去の病気である」といわれています。

 ところが,富山県は日本でも進んでいるほうで、「富山県歯の健康プラン」の中『市町村むし歯予防パーフェクト作戦事業』で、策定当時は、日本でまだ水道水フッ素濃度適正化が具体化していませんでしたので、次善の策としてフッ素洗口やフッ素塗布を事業化しました。県内60以上の施設で,約13千人の子供達がフッ素洗口をしています。数年実施しているところでは,むし歯予防の効果が明らかになっています。この新湊の小学校でも行われているところがあります。

 私は,意志ある仲間と,このむし歯予防のためのフッ素利用を呼びかける,And You(あゆ)の会というボランティア組織「富山むし歯予防フッ素推進市民ネットワーク」を立ち上げました。ようやく,厚生労働省や日本歯科医師会も最近になって,推進する立場を示しました。私達は、多くの人達に日本歯科医学会が認めるフッ素に対する正しい知識を情報提供し、水道水フッ素濃度適正化をはじめとして、フッ素洗口やフッ素塗布等のむし歯予防のためのフッ素利用を広めようとしております。どうぞ,ご理解を賜わりますようお願い致します。

 私は,ロータリーとこの自分のボランテォア活動が別のものではないと信じています。奉仕の精神を高めることで、「水道水フッ素濃度適正化」の活動が生きてくると信じております。(2001年10月22日 新湊第一イン)