お知らせ! 砂書房 新刊 「だれにでもできる 小さな努力で 確かな効果- フッ化物の応用とう蝕予防」 

上記の本を11月に出版。皆様の協力をお願い致します。

単価3300円(+税)歯科衛生士学生用として、2500円(+税)となります。

 

「だれにでもできる 小さな努力で 確かな効果- フッ化物の応用とう蝕予防 ?  」  砂書房 2001

はじめに

 21世紀を迎え、歯科分野では「予防」「歯と口の健康づくり」がいっそう強調されるようになりました。「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)」においても具体的な数値目標が設定され、歯の健康増進が図られています。なかでも、う蝕を減少させ、2010年度までに12歳児における1人平均う歯数(DMF歯数)1歯以下にするという目標を達成するには、適切なフッ化物の利用が欠かせません。そこで本書では、これまでの歯科医学の研究と臨床および地域実践の成果であるフッ化物によるう蝕予防に焦点をあてました。

 まず第1章では、20世紀の治療中心的な歯科医療から21世紀の歯科保健医療に求められる予防と、歯と口の健康づくりへの転換について述べ定ます。第2章では、う蝕の発生メカニズムについて脱灰と再石灰化の諸要因と両者の揺れ動く様相を模式的に図示し、脱灰を抑え再石灰化を促進するフッ化物の働きについて説明しました。第3章と第4章では、う蝕予防に用いられるフッ化物の基礎知識とその実際的な応用方法について記しいます。第5章では、フッ化物とフロリデーション(水道水フッ化物濃度適正化)に関して16項目のQ&A形式で解説しました。

 フロリデーションはフッ化物応用の原点であり、う蝕予防先進国の人々は、自然からの贈り物であるこの有益な微量栄養素−フッ化物−を有効に応用して、う蝕予防に成功しています。本書のタイトルの「だれにでもできる、小さな努力で、確かな効果」というフレーズはフロリデーションの有効性・公平性を的確に表現しています。

 すべての人々が快適に暮らし、素敵な笑顔で満たされるための歯と口の健康づくりにあたり、う蝕予防のカナメであるフッ化物について理解を深めていただく上で、本書が役立つことを願っています。

『だれにでもできる 小さな努力で 確かな効果 ―― フッ化物の応用とう蝕予防』 砂書房 2001

<目次>

第1章「修復のサイクル」から予防とオーラルヘルスプロモーションへ(田浦勝彦)

 20世紀の日本の歯科医療:治療中心型

 21世紀型の歯科医療:健康づくり型

 日本人の歯の現状

 オーラルヘルスプロモーション 歯と口の健康づくり

 オーラルヘルスプロモーションの実践 う蝕予防の面から

第2章 フッ化物とう蝕予防(木本一成、田浦勝彦)

 う蝕発生のメカニズム  脱灰の過程    脱灰に関与する食生活習慣 

 エナメル質の表層と表層下脱灰       脱灰の進行によるう窩の形成

 再石灰化の過程 口腔内における唾液の働き う蝕予防におけるフッ化物の3つの働き

 フッ化物の働き:脱灰の抑制      フッ化物の働き:再石灰化の促進

 う蝕予防と包括的な地域歯科保健

第3章 フッ化物応用の必要性と安全性(磯崎篤則)

 フッ素は自然のあらゆる所に存在する元素 人は常にフッ化物を吸収・排泄している

 フッ化物応用の必要性  いろいろなフッ化物応用法 フッ化物応用の適量と安全性

 世界のフッ化物応用の現状 日本のフッ化物応用の現状 フッ化物応用を進めよう

 21世紀はフロリデーションで コラム:フロリデーションの歴史

第4章 フッ化物によるう蝕予防の実際(田口千恵子、磯崎篤則)

 フッ化物応用で生涯にわたる健康づくり フッ化物配合歯磨剤によるう蝕予防

 フッ化物洗口法によるう蝕予防     フッ化物歯面塗布法によるう蝕予防

 フロリデーションによるう蝕予防    フロリデーションのためのシステム

第5章 フッ化物応用とう蝕予防Q&A(小林清吾)

Q 1 う蝕予防のフッ化物(イオン)とフッ素樹脂加工のフッ素化合物は同じものですか?

Q 2 飲料水に含まれる「天然」のフッ化物イオンと浄水場で「調整」されたフッ化物イオンとは同じものですか?

Q 3日本でフッ化物応用を普及させると,将来の日本人の歯はどうなりますか?

Q 4 フッ化物とキシリトールやリカルデントとのう蝕予防効果の違いは何ですか?

Q 5 いろいろなフッ化物応用法を組み合わせることは有効ですか?

Q 6 フッ化物応用の際に完全な歯口清掃が不可欠ですか?

Q 7 フッ化物応用法と癌の関連性はありますか?

Q 8 フッ化物溶液を誤って飲んだ場合,どのようにすればよいですか?

Q 9 フッ化物応用法が普及して,これが原因で環境を汚染することがありますか?

Q 10 フッ化物洗口法で斑状歯(歯のフッ素症)が発生しますか?

Q 11わが国でもフロリデーションは必要ですか?

Q 12 水道の家庭用浄水器はフッ化物を通過させますか?

Q 13 今まで,日本ではなぜフロリデーションがおこなわれてこなかったのですか?

Q 14 フロリデーションに対して,誰が,なぜ反対してきたのですか?

Q 15 フロリデーションは個人の権利を侵害することになりませんか?

Q 16 フロリデーションの実施は誰が決めるのですか

 
下記まで、申し込みいただければ幸いです。

田浦勝彦 <ktaura@mail.cc.tohoku.ac.jp>

kimoto kazunari <kimotokz@kdcnet.ac.jp>

磯崎篤則<isozaki@dent.asahi-u.ac.jp>

Chieko Taguchi <chieko@mascat.nihon-u.ac.jp>

Seigo Kobayashi <seigopre@mascat.nihon-u.ac.jp>

田浦勝彦先生の連絡先

東北大学歯学部附属病院予防歯科

980-8575 仙台市青葉区星陵町4-1

電話 022-717-8327 ファクシミリ 022-717-8332

電子メール ktaura@mail.cc.tohoku.ac.jp

自宅 981-3122 仙台市泉区加茂3-12-8

電話/ファクシミリ 022-378-2659 

先発本の紹介

1.「フッソで健康づくり」田浦勝彦・磯崎篤則・小林清吾 著

    フッ化物によるむし歯予防を理解してもらうための絵本

2、「虫歯をキック  なぞなぞ山のフッソマン」市来英雄・田浦勝彦 著