読売新聞富山版 地域ニュース  2001年4月13日(金)

 

 

水道にフッ素添加 虫歯予防に利賀村検討 市民団体も啓発(来月発足)

(記事内容)

利賀村は、村民の虫歯予防のために、水道水へのフッ素添加の検討を始めた。歯磨き粉やうがいなどでのフッ素利用は進んでいるものの、水道水添加に踏み切った自治体は国内になく、実現すれば、全国初となる可能性もある。県内では来月、歯科医や市民らによる「フッ素推進市民ネットワーク」も発足予定。だが、フッ素添加に不安を抱く住民も多いと見られ、利賀村の成り行きが注目される。

実施56カ国、国内はまだ

フッ素は無味無臭で、魚介類や茶、野菜など、自然界に広く存在する元素。口の中の細菌が食物を酸化し歯の表面を溶かすと虫歯になるが、フッ素には歯が溶けるのを防ぐ効果がある。

海外では、すでに56カ国で水道水にフッ素を添加。先駆けの米国では1945年から始まっており、全国民の約7割がフッ素入りの水道水を使用。その結果、最近の約20年間で子供の虫歯が約半分に減ったという。これらの成果から、WHO(世界保健機関)は、加盟国に対し、水道水フッ素化の検討を求める勧告を3回出している。

日本はこれまで、人体への影響を懸念する意見もあり、水道水への添加は進まなかった。

だが、厚生省(現・厚生労働省)は昨年、水道水フッ素化を検討する自治体に技術支援を行う方針を打ち出し、日本歯科医師会も「水道水フッ素化は公衆衛生的に優れた方法」との見解を発表。こうした流れを受け、沖縄県具志川村など複数の自治体で水道水フッ素化の検討が始まっている。

県内では、94年度に作られた県の「歯の健康プラン」でフッ素利用が促され、現在22市町村の小学校などで、うがいに使用したり、歯に塗ったりする取り組みが行われている。

利賀村は今年度、県内では始めて20万円の調査研究費を計上。今月19−21日には、担当者らが、先進地の韓国を視察する。

ただ、村民からは不安の声も出ているといい、村は「導入が決まったわけではなく、慎重に検討したい」としている。

 

一報、県内の歯科医や養護教諭らは、来月27日の発会式に向け、富山むし歯予防フッ素推進市民ネットワーク(通称・And You(あゆ)の会)の結成準備を進めている。

同会事務局を務める井波町の山本武夫歯科医師は、「フッ素は、量をきちんとコントロールすれば安全。公衆衛生的にも、水道水へのフッ素添加は進めて行く必要がある」と話し、専門家や市民の、フッ素の普及啓発を行っていく考えだ。

山本歯科医師は自身のホームページ(http://www1.coralnet.or.jp/y-takeo/)でも虫歯予防について紹介している。

読売新聞富山支局の木村達矢記者の取材を受け、現在の状況を話しました。真摯に現状を受け止め、自分で検証しながら良い記事を書いていただきました。彼の取材を受けながら、マスコミはどうあるべきかという話もし、また聞かせていただき大変勉強になりました。

木村記者には、フッ素に関して正しい理解を深めて行っていただきたいと思います。そうすることによって、日本国民に将来多大な恩恵をもたらすことになるに違いありません。

引用した読売新聞富山・地域ニュースの記事について、ご感想をお願いします。(山本武夫まで。y-takeo@p1.coralnet.or.jp)

また、木村氏は有望な記者です。賛辞をお願いします。

〒930‐0093 富山市内幸町13−9 読売新聞富山支局  TEL 076-441-2888 FAX 076-441-2880

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