祝 辞

日 本 歯 科 医 師 会

会 長  臼 田 貞 夫


第24回むし歯予防全国大会の開催に当たり一言ご挨拶申し上げます。

本日は全国より歯科保健関係者が多数参集され、地域における歯科保健活動のあり方とその効果的な推進方策について研究討議が行われることに対しまして、深く敬意を表する次第であります。

 さて、先ごろ厚生省はこれからの2010年までの健康目標として健康日本21計画を取りまとめ、生活習慣病予防対策の一次予防に重点をおいた健康寿命の延伸を図るための第3次国民健康づくり対策をスタートさせました。その中には、80歳になっても自分の歯を20本以上保つ、いわゆる8020を基本とした歯科保健の目標が各ライフステージごとに設定されたところであります。これに基づき地域ごとに、また年代ごとに各種の歯科保健施策が進められることとなっております。また、平成8年から厚生科学研究「口腔保健と全身的な健康状態の関係に関する研究」が実施され、80歳の高齢者対象とした統計分析等から、歯の喪失が少なく、よく噛めている者は生活の質及び活動能力が高く、運動・視聴覚機能にも優れていることが明らかにされました。

 生涯を通じて健全な歯牙を保ち、日常の食事や会話を楽しみ健康長寿を達成するには、幼年期からの一貫した歯科保健対策が必要であります。その手法のひとつとしてのフッ化物の応用によるむし歯予防は、8020を達成していくための有力な手段であります。

 こうした流れの中で、むし歯予防を達成するための各般の対策の推進について、地域住民の理解のもとに事業の展開についてご尽力賜わりますようお願い申し上げますとともに、その成果に大いにご期待申し上げるものであります。

 最後になりますが、第24回大会のご盛会と関係者皆様方の益々のご健勝とご活躍を祈念いたしまして、お祝いの言葉に代えさせていただきます。